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誰にでも訪れる突然の病

過信慢心。
午前中、60歳過ぎの院長と思われる偉そうな医者が回診に来た。
「笠原君は腰か?」
「はい」
「腹筋をつけなくちゃいけないよ」
その後、帰りがけに僕に言ったのか、独り言なのか、連れ添っている看護婦に言ったのか、
「俺なんか腰痛なんてしたことないよ。今まで。
ようは腹筋と背筋を鍛えてればいいんだよ」

バカな。
俺だってあんたと同じ気持ちで半年前までいたんだよ。
腰痛なんてしたこともない。筋力には自信があるし、
普段から重いもの持ってるし、歩くのはいとはないし、暑くても寒くても平気な体だ。
ときたま風邪はひくが、腰痛なんてそんなもん俺とは無縁だよと、思い続けていた。
いや、思い上がっていたといってもいい。

それが原因不明の突如の腰痛。
ほんとに原因がわからないし、普通の人の腰痛よりひどくて、
痛みがはじまってわずか1ヶ月で立てなくなってしまった。
どんな人間にもこんなことはある。

「自分だけは大丈夫だ」
特に体に自信があって普段から無理をしている人間の方が、怪我や病気にもろい。
「腰痛なんて今までなったことないよ、俺」と自慢気に言い去った医者も、
僕と同じように、自分が痛い目にあって、
はじめて人の痛みや病気や怪我が誰にでもつきものだということを悟るだろう。

その点、僕は若くしてそのことを悟る機会を得たから幸せだと思う。
今まで自分が突然入院することになるとは考えてもいなかった。
そういう可能性もあるのだというリスクを考えながら、
貯金したり仕事したりしなくちゃいけないんだなと学んだし、
痛みで苦しんでいる人の気持ちもわかるようになった。

そういう意味では60歳過ぎまで、なんの腰痛もなかったという医者は不幸だなと思う。
ほんと僕は腰痛とは無縁の人間だったが、突然来た。
多分このつぶやきを読んでいる多くの人は、
「自分にはそんなの無縁だ」と思ってるかもしれないけど、
ほんと今の世の中、何があるかわからない。
腰痛とは全く縁のない僕が突然立てなくなり、
元気な桜井君が突然、小脳梗塞になってしまう。
国家や企業のリスク管理はもちろん、自分自身のリスク管理をしなくちゃいけない時代になったな。
まあ政治家は社会保険料負担増3割を強行採決なんてしてるご時世だから、
ほんとなおさらだよ。

by kasakoblog | 2002-07-26 18:17

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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