ボーカルにワークシェアリングはない
2002年 08月 08日
ミスターチルドレンの桜井君が突然入院となり、年内活動休止、
すべてのコンサートが中止になった時、ふと思ったんだな。
もしボーカルではなく、他のメンバーだったら、きっとコンサートは中止せず、
誰か代わりを用意して、もちろんそれによって質は低化してしまうかもしれないが、
それでとりあえずコンサートはやったのだろうな。
でもボーカルを変えるわけにはいかない。
それは質の低化ではなく中身が違ってしまうのだから。
そう思うと、ワークシェアをできない職種というのも当然出てくるだろうし、
ギターやドラムなら代わりを用意できても、ボーカルではそれは絶対にできないと考えると、
桜井君一人にかかる仕事の重さというのはすごいものだし、
その仕事は他の誰にもできない貴重なものなのだなと思う。
俳優や女優なら代役ということも考えられるわけだが、バンドのボーカルというとそうはいかない。
そういった特殊な仕事を除けばサラリーマンがやっている仕事なんて、
いざとなったら誰だって代われる程度の仕事。
たとえば「旅行に行きたいから1ヶ月休みたい」ということは許されないし、
「その間、おまえの仕事はどうするんだ?」ということになるだろうが、
入院とか事故で突然病気になってしまえば1ヶ月休んでも、仕事はなんなく回ってしまう。
そう考えるとサラリーマンの仕事って、今の日本のように誰もがしゃかりにきなってやる必要がないのではないか。
僕にはアイフル時代も今の仕事も、
「僕だからこそこうやる」「僕にしかこれはできない」という自負を持ってやっている部分もあるが、
その僕が入院してもボーカルが入院して全部の仕事をキャンセルしなければならないほどの、
責任とやりがいはないわけで、ようは他のバンドのメンバーと同じで、
質は低化するかもしれないが、仕事をキャンセルする必要もなく、
僕がいなくても勝手に仕事は進んでいってしまう。
別にそれが寂しいということではなく、それが会社でありサラリーマンということだ。
だからこそ代えがきくサラリーマンのやりがいを向上させるには、
週休3日にしたり、バカンス1ヶ月の休みを認めたりして、
ワークシェアリングによる雇用形態の多様化で、
仕事へのモチベーションを高める政策が必要ではないかと思うが、いかがだろうか。