被災地・石巻から電話が!!

「石巻の鮎川港のあゆかわ荘の女将です~
かさこさん、ご心配していただいてありがとうございます~」

おおお!あゆかわ荘の女将さん!!!

私の携帯電話に今晩(4/4)20時頃に非通知の着信が。
電話に出ると、かわいらしいやさしい女性の声。
どこかで聞いたことがあるのにすぐに思い出せなかったが、
「あゆかわ荘」と聞いて、涙が出るほどうれしかった。
この非常時にわざわざ私になんか電話をしてくれるなんて!

宮城県の中でも被害がひどいといわれる石巻市。
その中でも壊滅的な被害とも報道されたのが牡鹿半島。
浜で1000体以上の遺体が見つかったなどという、
恐ろしいニュースも流れていた。

私はこれまで2度、牡鹿半島に行ったことがある。
2006年12月と2010年1月。
いずれも仙台市内で取材が終わった後、
仙台から石巻まで約1時間、電車に乗り、
さらにそこからバスで約1時間行った、
牡鹿半島の先端に近い場所にある鮎川港で2度とも泊った。
猫が神様の島、猫だらけの島、田代島へ行く船が、
鮎川港から出ているからだ。

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一度目も二度目も鮎川港からすぐのところにある、
あゆかわ荘という民宿に泊った。
その時、良くしてくれたのが、
電話してきてくれたあゆかわ荘の女将さんだ。

一度目に宿泊したのは12月。
こんな寒い時期に男一人、
夜20時過ぎにバスで鮎川港までやってきて、
泊る客なんて珍しかったのだろう。

「田代島に猫がいっぱいいると聞いて、
撮影に来たカメラマンなんです。
全国各地の島で猫を撮っているもんですから」
と私は女将さんに話をしたようだった。
(私はすっかり忘れていた)

それから約4年後。
再び寒い時期の1月。
同じく仙台で仕事を終え、田代島を再訪するため、
再び男一人、夜20時過ぎに、あゆかわ荘に泊りに行った。

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こんな時期に男一人で泊りに来るなんて、
あやしいと思っているかもしれないから、
私は4年前に猫を撮影しに来て一度泊ったことがあり、
また猫の撮影のために来たんですと説明しようかと思ったところ、
部屋で食事を出してくれた後、
女将さんから驚くべき言葉が出た。

「ひょっとしてかさこさんですか?」

えっ、なぜ私の名前を??
どうやら私は4年前に猫の撮影に来たという話をし、
その時、名刺を渡したようだったのだが、
すっかり私はそのことを忘れていたが、
女将さんはしっかり覚えていてくれたのだ。

前に一度しか泊ったことのない客のことを覚えてくれるなんて!
私はとてもうれしく思い、
「ホームページであゆかわ荘の紹介をさせてください。
また猫の撮影しに来ます」といって宿を後にし、田代島に向かった。

それから撮影した田代島の猫写真の整理とアップなんかしたりして、
あゆかわ荘の紹介をするタイミングを失ってしまったまま、
あの地震を迎えた。
そして被害状況が報道されるにつれ、
真っ先に心配したのが「あゆかわ荘は大丈夫だろうか??」
ということだった。

あゆかわ荘は港から少し坂道を登った途中にある。
少し高台とはいえ、ものすごい高いところにあるわけではない。
まさかあゆかわ荘もろとも、津波で流されてしまったのでは・・・。

そうだ、女将さんのブログがあったはずだ。
しかしブログを見ると3/7で更新がストップしている。
まさか・・・と思ったが、
しばらくしてから3/7付けのコメント欄が見ると、
「あゆかわ荘から全員無事です」というコメントを発見した。
よかった。どうやら無事なようだと。

私は2度しか泊ったことのない身。
名刺をもらっているので携帯電話も知っているが、
私ごとき立場の人間がこの大変な時に電話したらじゃまだろうと思い、
ブログのコメント欄に、
「何か私にできることがあればおっしゃっていただければ!」
と書き込んだ数日後に、
わざわざ心配してくださったお礼にと、
電話をしてくれたのだ。

旅先で出会った人ってその多くは、
その場限りで関係性は終わってしまうのが普通だ。
でもなぜか縁があって、その後も続く関係がある。
あゆかわ荘はその1つ。
ささやかな旅での出会いの奇跡が、
こうしてまたつながったことに、
涙が出るほどうれしかった。

家族も無事で家は運良く流されなかったが、
停電・断水続きで、しかも今年は例年と違って寒く、
(温暖化はどこへ・・・)
今日も雪が降って寒いのがこたえると話していた。

「でも地震後のはじめの5日間ぐらいは、
ほんとに何もなくってつらかったけど、
その後は救援物資も届くようになり、
水汲みにもなれて、なんとか無事にやってます~」
といつもと変わらぬ穏やかな声で話してくれたのが印象的だった。

そして猫好きな私の心配も。
「鮎川港にいる猫は無事で生きてますよ~
動物たちは気づくんですかね。今日は子猫もみたし」

電車やバスが動いていれば、
ここから4~5時間で到着できる、
同じ国の人にもかかわらず、
電気もなく水もない生活を強いられているなんて、
なんとかできないものだろうかとはがゆさを感じながらも、
「町が落ち着いたらまた来てくださいね~
心配してくださってありがとうございます~」
とわざわざ被災地から電話をかけてくれたことがうれしかった。

家(宿)は無事だが被害はひどいらしく、
道路は陥没したりしており、宿再開には、
修繕のお金の問題もあり、時間がかかるみたい。

いつかお邪魔でないようなら、
あゆかわ荘に行って、復旧のためのお手伝いをしたい。
もしくは復旧後にお客さんにいっぱい泊ってもらえるよう、
田代島の猫観光とあわせて宿の紹介を、
あらためてしたいと思っています。

女将さん、大変でしょうけど、
私に何かできることがあれば、
お手伝いしたいと思ってます。

こんな形で宿の紹介をすることになってしまいましたが、
また復旧した新開業後にあらためて、
きちんとホームページで紹介したいと思います。

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※写真:2010年1月撮影。鮎川港

・あゆかわ荘の女将の被災地の状況をつづった、
震災後はじめてのブログの日記が4/4に更新されてます。
http://yaplog.jp/ayukawasou/daily/201104/04/

・田代島の猫写真
http://www.kasako.com/1001tashirofoto.html

もう1人、気がかりだったのが、
ちょうど2010年1月に宮城に行った際、
かさこ読者のマイミクの方で、
仙台から石巻まで車で送ってくれて、
石巻の工場撮影につきあってくれた方。
その方からはミクシィのメッセージを通じて、
先週、無事の連絡をいただき、
とてもうれしく思いました。

by kasakoblog | 2011-04-04 23:50 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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