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紙がない~日本製紙石巻工場写真

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震災により社会全体にさまざまな影響が出ているが、
私が真っ先に影響を受けたのは紙問題である。

東北地方に製紙工場が多く、
今回の地震で被災したため紙の確保が難しい。

ちょうど地震が起きた時に、最終ゲラを確認していた、
4月に発売した拙著写真集「ヨーロッパの邸宅・宮殿・教会」は、
すでに紙の手配を済ませていたため、
影響はなく無事に出版できたが、
多くの出版社が紙の確保に苦労し、
商品である書籍が販売しずらく悲鳴を上げていた。
私は紙物の制作物の仕事が多いので、
いくつか実際に影響があった。

東北地方の紙工場といえば、日本製紙の石巻工場だ。
2011年3月の大地震で甚大な被害を受けた地域の1つが石巻。
奇しくも1年前、2010年1月22日、
私は工場写真撮影のため、
日本製紙石巻工場写真を撮影していた。
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http://www.kasako.com/1001isinomakifoto1.html

震災から1カ月が過ぎた今、
日本製紙の石巻工場はどうなっているのか、
2011年4月20日に現地に赴いたが、
「1カ月でまだこの状態か・・・」
とその深刻な状況を目の当たりにした。

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工場付近の電信柱はあちこち倒れたまま。
工場付近には車なども含め、
津波でだめになってしまった大量のゴミが散乱。
工場内の貨物列車の引込み線は、
いまだコンテナ車などが倒れたまま。
1カ月でまだこの状態か・・・。

というかそもそもこの場所を復旧させることに、
意味があるのだろうかという根本的な問題がある。
また地震が起き、また津波が起きれば、
いくら復旧させたところでまた同じことの繰り返しになる。
「想定外」の大津波や大地震が平然と襲い、
しかも今回の地震で地盤沈下が起き、
今まで以上に津波被害を受けやすくなっている状況で、
ここで工場を再開しても大丈夫なのかと。

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地図を見ていただければわかるが、
今回、津波によって周囲が完全な廃墟となってしまった、
黄土色で囲んだエリアのすぐ隣に日本製紙の工場がある。

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構内入口にある「安全は何ものにも優先する」
と書かれた看板自体が斜めに倒れたまま、
建物内部も崩壊しているような状況で、
もし本当に「安全第一」を掲げるなら、
コストも手間もかかるが、
工場の場所を変えざるを得ないのではないかとすら思ってしまう。

地震被害だけなら念入りな耐震工事をして復旧すれば、
復興になるかもしれないが、
津波被害の再発リスクという観点から考えると、
日本製紙の工場に限った話ではなく、
海に近いエリアは何も建てられないんじゃないかと。

復興とは元に戻すことではなく、
今後、甚大な被害が出ないように工夫することだと思う。
そのためにお金がかかるなら、
義援金や復興国債や復興増税で賄えばよい。

それが長い目で見て日本社会にとってプラスになるはず。
安直に目先の利益を追い求めるあまり、
「単に元に戻す」という選択肢は、
避けたほうが懸命なように思う。

震災後の日本製紙石巻工場写真
http://www.kasako.com/1104ishi2.html

被災地レポート
http://www.kasako.com/110311top.html

被災地イメージと現実~石巻日帰りレポート(2011/4/20)
http://kasakoblog.exblog.jp/14642108/

by kasakoblog | 2011-04-21 12:48 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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