みんな自分の“原発”問題は先送り?
2011年 04月 24日
なんとなく「ヤバイよな」と思いつつ、
「まあ大丈夫だろう」と楽観し、
今のラクな生活に安住して、
目先の利益しか考えず、
長期的な観点から自分の人生にとって、
プラスになることを考えないこと。
例えば、今、自分が勤めている業界、会社、職種。
「この業界はもう先行きないよな」とか、
「この会社の将来性はないよな」とか、
「今の職種じゃ潰しがきかないよな」とか、
自分の今の仕事の先行きに漠然とした不安を覚えている。
でも「まあなんとかなるだろう」と楽観視し、
問題を先送りにした結果、
原発が大地震で爆発して放射能漏れを引き起こし、
その後も「風評被害」で甚大な被害を受け、
さらにはこの地に住めなくなってから、
「ああ、やっぱり原発は危険だったんだ」
と大事故が起きてからやっとその危険性に気づき、
あわてて対処するもすでに時遅しで、
どうにもならなくなってしまうように、
仕事に対する漠然と不安が的中し、
会社が倒産したり、業界の売上が急減したり、
自分がリストラされた後、
あわててその次の対応策を考えても、
時すでに遅く、転職もできずに困ってしまうみたいな。
私たちは誰もが自分の“原発”を抱えているのではないか。
今のままでは危険だとどこかでわかっちゃいながら、
原発があれば莫大な補助金や電力会社からの寄付金がもらえ、
過疎地域にもかかわらず雇用が生まれ、
就職ができて安定した収入を得られ、
しかも町が潤い、新しい道路や公共施設ができるという、
ラクな生活ができることに安住し、
ちょっと考えればわかる“原発”の危険に目をそむけ、
「国も電力会社も学者も官僚も安全だと言っているから大丈夫」
と危険から目をそらすことを他人のせいにして、
結果、当然の帰結ともいうべき原発事故が起きてしまってから、
「どうしよう、この先」とあわてて考えるけど、
今さらもうどうしようもないみたいな。
今、自分に漠然とした不安を感じているなら、
その不安やリスクから目をそらさず、
どんな不安やリスクがあるのか書き出してみて、
「最悪の事態」を想定した上で、
その時、自分がどうなるかを考えてみる。
どんなリスクがあるかがわかったら、
そのリスクを避けるために、
例え今の生活が安定し、給料もよく、
ラクな生活が送れていたとしても、
「最悪の事態」が来た時に備えられるよう、
今のうちからリスクヘッジを考えておく。
例えば仕事の話なら、今のうちから転職活動するとか、
資格が技能を修得するとか。
人は大事故や大問題が実際に起きなければ学べない。
例えそんなことが起きたとしても、
「自分だけはどうにかなるんじゃないか」と楽観している。
でも国や企業のリスクマネジメントうんぬんかんぬんと批判する前に、
自分の人生のリスクマネジメントはできているのか?
問題が起こるまで、不安を見てみぬふりしてやり過ごすのではなく、
無駄になるかもしれないけれど、今のうちから備えをし、
場合によっては進路を変更する。
そうすればいざ不安が的中し、大問題が起きたとしても、
「想定内」だからあわてずあせらず、
問題に的確に対応し、
自分が生き延びる選択を選べることができるのではないか。
結局、人生ってどこでラクしてどこで苦労するかなんだと思う。
今、“原発”があって生活がラクだからと危険に目をつぶり、
大事故が起きるまでその恩恵をたっぷり享受し、
事故が起きてから大変な苦労をするのか。
それとも今のうちから、
いつか起こりうる危険に対処するために、
面倒かもしれないけど、事前にいろいろ苦労しておけば、
問題が起きてもそんなに苦労せずに、問題を乗り越えられる。
誰もが自分の“原発”を抱えている。
今がラクだからってその危険に目をつぶり、
問題を先送りにしていないだろうか?
今がラクならそれでいいという生き方は、
問題が起きた後に相当つらくなるだろう。
“原発”の危険性なんて誰かが「安全」なんて言おうが、
ちょっと調べればわかるように、
自分が漠然と抱えている不安や問題の原因だって、
ちょっと調べればわかるはず。
不安を漠然としたままにせず、
日々の忙しさを理由に問題を先送りにせず、
今は大丈夫だからまだ大丈夫だと楽観せず、
不安や問題の中身を具体的にはっきりさせ、
それに対処する方法を今から考える。
それが脳みそを持った人間の知恵ではないか。
大問題や大事故が起きないとわかりませんではどうしようもない。
福島で原発事故が起きてその危険性が明らかになったように、
私たち一人一人がこの原発事故を契機に、
いつか爆発するかもしれない自分の問題に真正面から向き合い、
大惨事を招く前に、問題解決の道筋に向かって歩みたい。
そうすれば日本中で未然にあらゆる“問題”が防げるはずだ。
そうした積み重ねが日本に再び“原発事故”を起さない一歩だと思う。
※ちなみに今回、原発がいかに危険か、
しかもその後の「風評被害」で、
どれだけ地域に大ダメージを与えるかが、
明確になったにもかかわらず、
原発を持っている自治体の多くは、
原発を廃炉にせよという動きはほとんどなく、
安全対策を多少施してこのまま運転すればいいと考えているらしい。
なぜかといえば廃炉にすると、
自治体が依存している原発補助金などの、
収入が入ってこなくなるから。
町が住めなくなって消滅してしまう危機より、
目先の金、目先の仕事を求める自治体が、
いかに多いかということだろう。
長期的視点なく、今がよければそれでいいという、
目先の利益を追い求める人が多いから、
破滅的な大事故や大問題が起こってしまうのだろう。
※備えという意味では、ぜひ今のうちに、
大地震が起きて、電気も水もガスが止まっても、
1週間、家でろう城生活ができる程度の備蓄をしておきたい。
大地震直後に「危険」と気づいて、
あわててみんなが買い占めに走った結果、
水、食糧、ラジオ、ガスボンベ、トイレットペーパー、ティッシュなど、
さまざまな品物が品切れになったが、
今はかなり回復してきており、普通に買える。
普通に買えるうちに備えをしておけば、
いざまた大地震が起きて買い占め品切れが起きても、
問題はなくなる。
問題が起きてから買おうとするから買えなくなる。
今の平穏なうちに買っておけばいい。