クーラーを使ってください!異例のお願いが連呼する?!
2011年 05月 22日

「節電=クーラーを我慢すること」という、
まるで「CO2を排出しないから
原発は地球環境にクリーンなエネルギー」
というのと同じぐらい、
事実の一部分だけしか見ないおかしな思い込みのせいで、
本末転倒なことが起きてしまった愚を繰り返そうとしている、
2011年の日本の夏は、さまざまな機関から、
「クーラーを使ってください!」
「設定温度は28度ではなく25度に下げてください!」
という異例なお願いがACのCMが連呼されたのごとく、
連呼される可能性もあったりするかもしれない。
・東電からのお願い
みなさま、どうぞ暑い時はぜひクーラーを使ってください。
みなさまが節電していただかなくても、
実は電力不足なんか生じないのにもかかわらず、
何が何でも原発を維持したい政治家・官僚・財界・原発自治体の圧力に屈し、
虚偽のデータを作成し、原発がなければ暑い夏を越せないと、
みなさまを脅していました。
だからこの夏は電力不足は生じることはなく、
むしろ余っています。
みなさまが電気を使っていただかないと、
電気料金収入が減り、原発被害にあったみなさまに、
賠償金をお支払するお金がなくなってしまいます。
ですからどうぞ暑かったら我慢せず、
クーラーをどんどんお使いください。
それが被災者に多額の賠償金をスムーズに支払うことができる、
支援活動にもなります。
・医療機関からのお願い
30度を超えた暑い最中にもかかわらず、
クーラーの温度を高めに設定したり、
もしくはクーラーを我慢する方が増えているせいで、
熱中症患者が多数運び込まれています。
去年の10倍以上です。
患者が多いせいで病院の使用電力も例年より急増しており、
はっきりいって社会全体で見れば節電になっていません。
どうか暑い日は無理をせずクーラーをつけてください。
28度では暑すぎます。もっと低くしてください。
熱中症患者を少なくすることの方が節電になります。
どうぞよろしくお願いいたします。
・国土交通省から鉄道会社へのお願い
節電のために電車内の冷房は弱める鉄道会社は、
そのような対応を至急やめて、きちんと冷房をつけてください。
電車内が暑いため、気分が悪くなる患者が続出し、
電車のダイヤ乱れが多く、
せっかくサマータイムを導入した企業が多いのに、
ダイヤ乱れで定時につけず、
結果、例年より1時間早く起きた分だけ、
余計に電力消費量が増えてしまっています。
冷房をつけて気分が悪くなる方を出さない方が、
オフィスで1時間終業を早く切り上げることができ、
結果、電気消費量を減らすことができます。
電車内の冷房は弱めないでください。
節電するならホームにある自動販売機を止めるのが先です。
社会混乱による電力消費量の増加を抑えるため、
どうぞ電車内の冷房はきちんとつけてください。
・経済産業省から企業へのお願い
オフィスでクーラーの温度を高めに設定しているため、
社員の仕事への集中力が落ち、ミスも多発。
その結果、だらだら働き長時間労働になる企業が多く、
昨年に比べて残業時間が3割増加。
このため、クーラーで節電した以上に、
3割増加した残業時間に使用している電力が大幅に上回り、
結果、節電どころか電力消費量が増えています。
クーラーは我慢せずにきっちり使い、
その代わり労働時間を短縮することで、
オフィス機器や照明などの電気を節約することの方が、
はるかに節電になります。
どうかクーラーはちゃんとつけてください。
・・・・・・・
これはジョークかもしれないしジョークにならないかもしれない。
日本人の、節電=クーラー我慢という短絡的思考は、
まるで原発=CO2出さない=環境にいいと同じ発想だ。
何のために節電するのか。
少ない電気のなかで何を優先して使うべきなのか。
節電とは我慢するのではなく、使い方を見直し、やりくりすることのはずだ。
何でもかんでも使わないことではない。
今日は取材・撮影のため長野の上田に行ったが
朝は14度だったが日中はなんと34度!
5月だろうが長野だろうが暑い日は暑い。
暑い日にクーラーかけなければ、死人が出る。
社会的混乱が起きる。混乱分、かえって電力消費量が多くなる可能性もある。
クーラーを我慢すること=節電という、
おかしな強迫観念を捨て、
社会のあり方全体、ライフスタイル全体を根本的に見直すことが、
本当の節電ではないだろうか。
暑い日はクーラーをつけましょう。
代わりに無駄な待機電力を節電するとか、
ジャケットとネクタイしてないで涼しい格好するとか、
だらだら長時間仕事しないとか、
いくらでも先にやるべきことはあるはずです。