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海外は過剰報道だと批判する過小報道を続けるNHK

月曜日、朝5時。
NHKのニュースで、こんな話題が取り上げられた。

海外の原発報道は過剰。
日本は安全だとフェイスブックで発信する、
東京在住の外国人に注目。

海外では東京まで放射性物質が、
飛んできていると報道されて、
日本は危ないから帰ってこいって言われているけど、
日本は安心であることを情報発信しています。

・・・これが日本の公共放送の恐るべき実態だ。
まるで北朝鮮並みの報道ではないか。
しかもイヤらしいことに、
NHK自らが取材に基づき日本は安全だと言うのではなく、
東京在住の外国人が日本は安全だと言っているという、
報道の仕方によって、
安全じゃなかった場合に自分たちの責任ではない、
外国人がそう言っているという事実を報道しただけだ、
という無責任、言い逃れできるような手法を、
意図的に取り入れていることだ。

国民から金をとって放送している公共放送が、
この体たらくである。
なんと日本の報道がおぞましいことか。

地震翌日に福島原発が爆発した。
この異常事態に政府も東電もしきりに、
メルトダウンはしていないと強調した。
国民は「ホントかよ?」と思いつつ、でも心のどこかで、
まさか日本でチェルノブイリほどの事故が起こるなんて、
絶対にあり得ないと思っていたのではないか。
少なくとも私はその時、そう思っていた。

地震2日後、海外の知人がフェイスブックで、
福島原発爆発の写真を貼り、
「日本で原発が爆発し、チェルノブイリ事故よりひどい事態になっている!」
と書いていたことに、この時、私は違和感を覚えた。
「チェルノブイリって大げさな・・・。
日本でまさかそんなことが起きるわけがない」と。

海外の知人から「日本は大丈夫?」というメッセージに対して、
「日本は大丈夫だし、東京は今までと何ら変わりはない感じだよ」
と、3月13日に撮影した、いつもと何ら変わらない、
“平和”な日常風景を写真に撮って送った。
しかし放射能は目に見えないし、
写真に写し撮ることはできないのだ。

その後、1ヶ月が過ぎて、やっと、
福島原発事故はチェルノブイリと同じレベル7であり、
福島だけに限らず、3月15日頃に、
大量の放射性物質が放出されたことが明らかにされた。
さらに震災から2ヶ月が過ぎて、
実は福島原発はメルトダウンしてました、
と事もなげにさらっと発表した。
そして今もなお原発は予断を許さない状況にある。

にもかかわらず、朝5時のニュースで、
東京在住の外国人が日本は安全だと、
フェイスブックで情報発信していますと、
国民の金を使って報道するNHK。
まるで原発事故を隠蔽するような報道だ。
本当に安全だというなら、わが子を連れて原発の近くに住めますか?って話。

しかも一部のマスコミでは原発が危ないから、
原発から40~50km圏内に社員は派遣しないという話も聞く。
住民は原発の30km圏内までが危険で、
30km以上は普通に人が住んでいるにもかかわらずである。
それでやれ人体に影響はないとか、
原発は風評被害だとか、日本は安全だとか報道している。
風評被害なんかじゃなく実害であることを、
マスコミはよくわかっているにもかかわらず。

原発はまだどうのようになるかもわからない状況にもかかわらず、
民放はともかくNHKがのんきにドラマや、
どうでもいい番組を放送していることに猛烈な違和感を覚える。
一体、何のための公共放送なのか?
公共放送なら、毎日24時間、
原発・震災関連のニュースやるべきじゃないか。
まだまだ被災地でさまざまな問題があるわけだし。

挙句の果ては、ニュースで原発を取り上げるかと思いきや、
日本にいる外国人をでっち上げて、
外国人は安全だなんていってるなんて放送をする。

海外の原発報道は過剰だったのだろうか?
2ヶ月が過ぎてやっと日本人は知った。
震災当初の海外報道が過剰ではなくある意味では正しく、
日本の報道が政府や東電と一緒になって、
隠蔽していたというか最悪の事態を想定せず、
事実をわかりもせず、ただひたすら安全だと繰り返していたことを。

日本の報道機関の原発に対する過小報道が明らかになった今も、
NHKは海外の原発報道は過剰で、日本は安全などというニュースを、
朝の5時から流している。
まるで金正日北朝鮮報道と同じレベル。

風評被害とは真実を報道しないことによって起こる。
政府や東電が隠蔽していることを暴きだし、
真実を伝えるのが報道機関の役割なはずなのに、
この場に至っても隠蔽することに加担しているNHK。

海外は過剰報道だという、
日本の過小報道ばかり見せ続けられた結果、
10年後に人体に影響が出てしまいました、
実はあの時の真実はこうでしたなんて、
報道されても手遅れだ。

福島が風評被害だなんて、
甘っちょろい感傷や同情に浸って、
真実から目をそらせば、
その代償は福島の子供たちが負うのではないか。

安全だとか人体に影響がないとかいっている、
NHKをはじめとしたメディア、
政治家、東電社員、官僚、学者などが住んでいる家と、
福島に住んでいる人の家とを交換すればいい。
それをしてはじめて「人体に影響はない」と言えるのではないか。

メディアや政府や東電に限らず、国民の多くは、
自分の国や自分の住んでいるエリアの状況を、
甘く見積もりたい気持ちはわからなくもないが、
甘く見積もった代償は弱い子供たちが背負わされることを、
忘れてはならない。

それぐらいの危機意識が日本人にないから、
何か起きた後に「想定外」という言い訳が通用してしまうのだろう。

今は幸いにしてインターネットが使える。
日本の大メディアの洗脳報道だけでなく、
個人の情報や海外からも情報が取れる。
テレビを鵜呑みにしない、
NHKですら鵜呑みにしないことから始めたい。

by kasakoblog | 2011-05-23 21:45 | マスコミ

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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