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進む勇気だけでなく退く勇気

前に進むのはそう難しいことではない。
難しいのは退く勇気だ。

人生を歩んでいく上で、
自分に言い訳して前にまったく進めない、
行動が伴わない人は論外だが、
だからといってただやみくもに、
楽観的に行動力だけを武器に、
一直線に前に進み、
立ち止まる、もしくは撤退する、他の道を行く、
という選択ができないのは非常に危険なことだ。

自分に過剰な自信があり、かつ行動力、「正義感」があるが、
視野が狭い人にこのような危険性が多い。

企業でも新事業を立ち上げるのはそう難しいことではない。
しかし難しいのは、事業をやめること。
事業を始めてみたものの、
予想よりもうまく行かず、
赤字垂れ流しで勇気ある撤退をすべきところ、
「いや、もうちょっとがんばれば先が見えるかも」
「せっかく今まで多大な投資をしてきたのだから、
ここで撤退するのはもったいない」として、
結果、傷口を広げてしまう。
前に進むことしか考えていないのだ。

なぜ人は退くことが下手なのか。

道を進んできたものの、
この先、進むのはやばいんじゃない?と思っても、
「せっかくここまで来たんだから」
というもったいない根性がよぎってしまうから。
今まで苦労してきたことが無駄になってしまうと考え、
本来、もうやめるべきなのにやめられない。
まさに原発やダムなどがその最たる例だろう。

あとは性格上の問題で視野が狭い。
「これは絶対にいいアイディアだ!」と思うと、
わき目もふらずに一直線に突進してしまう。
前にただ歩くだけならラク。
だから進んでしまったが最後。
あとはもう誰にも止めることができず、
ただただ勢いのまま前に進んで危険に遭遇しクラッシュしてしまう。

あとは途中で退くことが「かっこわるい」
「臆病だと思われたくない」という心理だろう。
せっかくゴール目指して前に突き進んでいるのに、
危険だから途中でやめて帰ってきましたというと、
周囲から「勇気ねえな」「臆病だな」と見られる恐れがある。
それを気にするあまり、
「この先、このまま進んだら危険だよね・・・」
と思いながらも、勇気ある撤退ができず、
突き進んで危険に遭遇してしまうのだ。

海外旅行や登山をしていたりすればわかると思う。
この先に進めばおもしろいことがありそうだ。
でもこれ以上、進むのは危険な可能性がある。
ここで撤退すべきか、それとも突き進むべきか・・・。
旅行や登山をしていると、常にそのような判断を迫られる。

今、日本は癒着しきった政官財が敷いたレールとゴールに、
今もなおこだわり続け、
大震災が起き、原発事故が起き、
180度路線転換をしなければならないのにもかかわらず、
「ここまで進んできたのに今さら戻るなんて」
「今まで作ったものが無駄になるからなんとかこのまま続けよう」
としている。
撤退する勇気がない。ただ惰性で前に進むことしか考えていない。

それは国民一人一人も同じ。
未だに過去の価値観やこれまでの常識、
今までの生活に囚われ、
今までと同じレールを進み、
同じゴールを目指そうとしている。

でも今、目の前のレールには瓦礫の山が積みあがり、
ゴールには放射能の嵐が吹き荒れている。

それでも今まで通りのレールを前に進み、
かつゴールに突っ込んでいくんですか?
それは破滅への道ではないのですか?

前に歩くだけなら簡単。
でも時には勇気ある撤退をすることも必要。
この場から逃げ出すことはかっこわるいことじゃない。
ゴールをあきらめることは臆病なんかじゃない。

自分が突き進んでいる道が果たして「正しい」のかどうか。
震災が起きた今、立ち止まって考えるべき時に来ている。

前に進むことだけを考えるな。
時には退く勇気も持て。
それが幸せな人生を送る秘訣。

by kasakoblog | 2011-05-28 23:29 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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