
思い出はいつか生きる糧となる。
だから当たり前の日常を写真という記録に。
撮影した時はなんともない当たり前の日常。
「そんな写真なんてわざわざ撮らなくても」と思う。
でもそれがいつしか大きな心の支えとなることもある。
当たり前の日常が当たり前でなくなる、
3.11のような悲劇が時として起こるから。
記憶は儚い。
愛した人の顔さえ、
毎日会っている人の顔さえ、
時として思い出そうとしても、
はっきりとした輪郭が思い浮かばず、
戸惑うといった経験をしたことのある人も多いはず。
記憶は儚いけど記録は正確、記録は永遠。
だから写真に残しておくことに意味がある。
今は意味がなくても何年かたって貴重なものになる。
そして写真の利点は時を止めることができること。
人は年をとり、やがて年老い、死んでゆく。
誰にも時を止めることはできない。
でも写真だけは時を止めることができる。
二度と戻ってこないその時の一瞬を写し撮ることができる。
被災地に行くと瓦礫の中から必死に思い出の写真を探そうとする人に出会う。
不幸にして永遠の別れがあったとしても、
写真1枚が残された人の生きる支えとなる・・・。
写真はいつか生きる糧となる貴重な記録として、
自分自身への未来のプレゼントになるかもしれない。
撮影した人にとって生きる糧となるような、
そんな写真を撮っていきたい。
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