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バイクの荷台に乗って~人の優しさにふれる旅2・嵯峨島

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もう二度とこの島、来ることないじゃろうから、
荷台に乗せて島を案内してやるべ。

先々週末、長崎県の五島列島でのこと。
五島の中心となっている福江島の福江港から、
電気自動車を走らせること約1時間。
島の西側にある貝津港から船に乗ること20分。
南北約3.3km,東西約1.3km、
人口約200人の小さな島、嵯峨島(さがのしま)を訪れた時のことだった。

この小さな島にもキリスト教会がある。
辺ぴな島好きの私としてはぜひ行ってみたいと思い、
行ってみることに。

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ただあまりに辺ぴな場所ゆえ、船には観光客はおらず、
ほとんど島の人。
そんななか、見ない顔が乗っているのを珍しいと思ったのか、
船のスタッフのおじさんが声をかけてくれた。

「どこから来よった?」
「東京です」
「ほ~、そんな遠いところからわざわざ!
教会見に来た?」
「はい」

するとそのおじさんは船室に入ると、
福江島の教会一覧が載っている冊子をくれた。

「この前、息子の結婚式で東京行ったけど、
魚が高いのにびっくりしたよ!
ほんのちょっとしかない刺身が1000円ってありえん」

五島列島は魚の宝庫。
魚が実に安いから確かに東京を見れば、
異常な値段に見えるのは当然だろう。

「東京ドームホテルで結婚式して、
その後、ドームで野球の試合見たんだけど、観客が4万5000人!
福江島の人口よりも多いのにびっくりした!」

私からすれば魚の値段の高さも、
人の多さもそれが当たり前だけど、
確かに島の人から見たら、
いろんなことが「異常」に見えるかもしれない。

そんな話をしながら船を降り、嵯峨島に到着するとおじさんと別れた。
島の滞在時間は2時間。
港から10分ほど歩いた場所にある教会を見て、
同じく港から10分ほど歩いた千畳敷へ。
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歩いて行ける見所といえばこの2ヵ所。
さてこの後、たっぷりある時間は、
港周辺の集落でもぶらぶら散歩しようかと思っていたら、
「お~い」と叫ぶ声が聞こえた。
なんと船のおじさんがいるではないか。

「もう二度とこの島、来ることないじゃろうから、
荷台に乗せて島を案内してやるべ」

わざわざ私を追いかけてきてくれたようだ。
「もう二度と島に来ることはない」という言葉にぐっときた。
確かにこんな遠いところまで、
なかなか来れたものではないし、
一度来れば何度も足を運ぶ場所ではない。
「だから歩きじゃ無理だけど、バイクなら回れるところを、
連れて行ってあげる」と言われて、
遠慮することもなく、乗せてもらうことにした。

嵯峨島は小さい島にもかかわらず山が2つある。
2つの火山が爆発し、その時に山がつながってできた島だという。
それゆえ大きさ自体は小さいが、
歩いて回るには相当な時間がかかる。
おじさんは眺めの良い山の頂上まで連れて行ってあげるといって、
私をわざわざ追いかけてくれたのだった。
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辺ぴな離島の小さな島で、
偶然出会った方のバイクに乗せてもらう。
バイクの荷台に揺られながら、
山に向かう坂道を眺めているのは、とっても幸せだった。
旅はこれだからやめられない。

帰りの船もスタッフゆえ一緒に乗り込んで話をしてくれた。
「年賀状のやりとりでもしましょう」といって名刺を交換した。
見るとおじさんはこの船会社の社長さんだった!

何かお礼をしたいなと思い、
港で出会った嵯峨島の子どもたちの写真を、
人数分プリントアウトして、
かさこマガジンと同封し、お礼の手紙を送るつもりでいる。
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一瞬の旅の出会いから、
かぼそい糸のようであっても、
人と人とがつながっていくといいなと思って。

嵯峨島のおじさん、ありがとう。

by kasakoblog | 2011-06-16 23:30 | 旅行記

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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