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電気自動車に乗ってみた!

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震災により被災地でガソリン不足が深刻化したなかで、
皮肉にも大活躍したのは電気自動車。
原発事故で電力不足が懸念され、
電気自動車は逆風に見えるが、
ピークの時間帯をずらして充電すれば何の問題もないわけで、
実はにわかに注目が集まっている。
三菱自動車の電気自動車)「i-MiEV(アイ・ミーブ)」は、
走行距離を120kmに減らす代わりに、
実質購入価格を188万円にまで値下げした低価格タイプを発売するという。

さて、電気自動車はありやいなや。
私は6月に長崎県五島列島の福江島で、
はじめて電気自動車に乗った。

上五島でも下五島(福江島)でも、
レンタカーは借りたが、
ガソリン車より電気自動車が多い。

「離島だからガソリン代高いんですよ。
でも離島だからそんなに走行距離は必要ない。
それで電気自動車のレンタカーに力を入れているんです」

上五島では何か不安で電気自動車は借りなかった。
下五島ではレンタカー屋さんに、
「まあものは試しではじめて乗ってみるのもいいんじゃないですか!」
なんて勧められて、2日間借りることにした。

乗り心地は実に快適。
運転自体は別に特殊なことはない。
1日目は島の反対側まで走って、
帰ってきたけど、途中で充電する必要なく走れた。

ただ1日目に面倒だなと思ったのは充電。
港に戻ってきて明日走るために、
急速充電器で充電した。
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ふれこみは「15分で80%の充電可能!」。
しかし実際にかかったのは25分。
充電する時点で40%も残っていたにもかかわらず・・・。

いや、もう1日目の観光を終え、
夜は何もすることないから、
25分ぐらい待つことはなんてことない。
それでもやっぱりガソリン入れる感覚に慣れているから、
25分は長いなと感じる。
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※急速充電ではなく通常の充電器がある宿だったら、
夜間に充電すれば、待つこともないし、
100%まで充電はできるらしい。

2日目。80%の容量。
1日目と走行距離は変わらないかやや短いぐらい。
乗っている時間は8時から12時の4時間ぐらい。
これなら途中で充電しないで大丈夫だろうと思っていた。

ところがである。
下五島の教会を各所見終えて、
レンタカー屋に戻る途中、
見る見るバッテリーが減っていた。

急速充電器は島にそんなにない。
レンタカー屋に戻るか、
もしくは引き返して充電器のあるところで充電するか。
どちらも同じぐらいの距離まできてしまったので、
レンタカー屋に向かうことに。

バッテリーが残り2メモリになり、そして1メモリになり、
そして最後の1メモリも消えかかっていた。
途中で止まったらどうなってしまうのだろう・・・。
しかしぎりぎりなんとかレンタカー屋にたどり着くことができた。

「お客さん、ぴったりですね!」
いやいや、冷や汗ものだったんだけど・・・。

話を聞くと、単に走行距離だけでなく、
ライトをつけたり、クーラーかけたりすると、
かなりバッテリーが減るらしい。
2日目はかなり暑くクーラーかけていたこと。
トンネルが多くライトをつけたり消したりしていたことが、
そんなに走っていないのにバッテリーが減った原因らしい。

レンタカー屋のおばさんによると、
前に一度、充電切れになってしまったお客さんがいたという。
「レッカーで持っていくのに1万5000円ぐらいかかりました。
もちろんお客さん負担が原則なんですけど、
せっかく五島列島に観光に来て、
電気自動車勧められて乗ったら、
バッテリーがきれてレッカー代払わされた、
なんて思ったら、五島の思い出が台無しに・・・。
それでレッカー代はうちが持つことにしたんです」

電気自動車は普及・量産されていないからか、
価格も高いし、性能もいまいち。
でももっともっと電気自動車が普及してくれば、
量産化による低価格化も可能になり、
充電できる場所も増えてバッテリー切れの問題も少なくなり、
よくなるのではないかと思う。

ただ電気自動車になると現行の自動車業界が大打撃を受けてしまう。
その既得権益が電気自動車の普及を好ましくない、
と思っているから普及していないという面もある。

ガソリン車は何万点という部品点数を使っており、
そこにかかわる企業も従業員も多い。
ところが電気自動車はガソリン車に比べて、
はるかに部品点数が少なくて済んでしまう。
つまり便利な電気自動車が普及してしまうと、
職を失ってしまう人が出てきてしまう。
だから電気自動車が普及されては困るのだ。

しかし皮肉なことに、
自動車業界の部品の多さゆえの、
サプライチェーン(供給体制)の脆さが、
今回の東日本大震災で明らかになってしまった。

トヨタ自動車の工場が被災していなくても、
部品を調達している会社が1社でも被災してしまえば、
その部品1つがないために、生産をストップせざるを得ず、
関連する自動車企業すべてが活動できない、
というハメに陥ったのだ。

こうした危機管理といった面からも、
部品点数の少ない電気自動車が着目されている理由の1つでもある。

福島県いわき市の被災者を取材したが、
震災直後はガソリン不足が深刻で、
8時間並んだけど入れられなかったとか、
そんな事態が1~2週間続いたらしい。

しかし市内の電気は復旧していた。
電気自動車だったら動けたのに・・・。

走行距離、価格、バッテリーにはまだまだ問題はあるが、
もっと普及していいものだと思う。

・五島列島の教会写真
http://kasakoblog.exblog.jp/14940171/

by kasakoblog | 2011-07-07 09:23

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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