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変人のおかげで結ばれた縁~南相馬市へ行ってきます

土日は福島県南相馬市の避難所取材に行くことになった。
福島原発から20~30km圏内にある避難所で、
まだ約150人が避難生活を送っているという。

ここの避難所支援を行っている女性社長の方と、
取材同行する機会に恵まれた。
そのきっかけを作ってくれたのは、
mixiの日記に変なコメントを寄せたコジローという方のおかげだ。

4月3日の日記でのこと。
アホな石原都知事が震災が起きたから、
花見を自粛しろ、酒なんて飲んでる場合じゃない、
との発言が大きな波紋を呼び、
意味のない自粛のせいで、消費は冷え込み、
震災だけでなく石原被害を拡大させていた時期だ。
被災地の酒蔵から、
「自粛しないで花見をして酒を飲んでくれないと、
我々は経済的二次被害でさらに苦しくなる」
との動画が話題になっていた時期でもある。

その日記に、通りすがりのコジローという方が、
石原都知事擁護のコメントを書き残していった。
いろんな考え方があるからそれはそれなのだが、
どうもこの方、ちょっと普通の人とは違う、
変質的な感じなのである。

「こいつ、どんな輩なのだろう?」
とコジローを日記を読みにいったら、
むちゃくちゃな論理で石原擁護を展開していた。
その日記に「それはおかしい」と果敢に反論していた、
「Kさん(仮称)」という方がいた。

私は変なコジローに立ち向かう同士を発見したような気分になり、
まったく知らない「Kさん」にメッセージを送った。
「なんかコジローって人、変ですよ。
私の日記にも変なコメント残していったし・・・」
それが縁で「Kさん」とマイミクになった。

その「Kさん」から7月に、
「南相馬市の現状について、ご協力いただきたいこと」
という題名のメッセージが届いた。
「実は私が勤めている会社が南相馬市に本社・工場があり、
津波被害は免れたものの、原発から10km圏内にあるため、
立ち入れなくなってしまった。
南相馬市は原発イメージから、他の被災地とは違い、
ほとんどボランティアが来なくて、状況がひどい。
うちの会社の社長は東京から毎週のように南相馬を訪れ、
避難所支援を行っている。
被災地のなかでもひどい状況にある南相馬市の現状を、
かさこさん、ぜひ広く伝えてほしい」と。

私は福島県いわき市を何度も取材していることもあり、
いわき市と福島原発を挟んで、
北にある南相馬市がどんな状況かをぜひ知りたいと思った。
また私はいわき市の避難所しか知らないため、
他の避難所も見ておきたいと思っていた。

そんなわけでコジローという変な人のおかげで、
「Kさん」とミクシィで知り合い、
そこから南相馬を支援をしている女性社長と知り合う機会を得て、
木曜日に一度打ち合わせと顔合わせをしてきて、
土日に取材に行くことになったのである。

長々と経緯を説明したけど、ほんと縁って不思議。
何がきっかけになるかはわからない。

そしてもう1つ、ものすごい偶然があった。
その女性社長はなんと私が大好きな作家・藤原新也氏の、
有料ウェブサイトの会員になっていたのだ。

多分、その会員は1000人ぐらいしかいない。
私も会員になっていたが、
こんな縁で他の会員の方に出会えるとは。

しかもこの女性社長、
藤原新也氏が南相馬に取材に行った6月6日のブログ、
「南相馬、平和。人々は普通に生活。
スーパーには品物が溢れかえっている。
昨日、ツイッターで流布された南相馬市で餓死者と自殺者が多数出た、
という噂、まったくガセであることが現場に入るとわかる。」
に大反論した方だったのだ。

女性社長のフェイスブックより

藤原新也様
CATWALK 6/6の記事を読んでとてもがっかりしました。
スーパーに物が溢れ、線量計の値が低いことと、
餓死と自殺が「ガ​セ」であると断定する事に
どのような論理性があると仰られ、実証​がなされるのか、是非ご説明下さい。

津波ですべてを失った人、
警戒区域で事業をしていたため311か​らの売上げはゼロで
銀行への返済もあり自身は経営者なので失業補​償も無く
東電の補償は何一つ確かでない人、
警戒区域ではないので​補償が出る可能性が低いのに
品物が全く売れない酪農家と農家の人​々、
そう言う人たちが「品物の溢れるスーパー」で
「3.11以前​のように買い物が出来て」
「人生に無常や無力感も感じて自殺して​しまう人は一人もいなく」
「平和な毎日」を過ごしている、と本気​で仰るのですか?
現場に入っていて何も現場が見えていないのではないですか?

http://www.facebook.com/kokoro.shelter

昔と違ってすっかり耄碌してしまって、
精彩を欠いている藤原新也氏の最近の著作にがっくりきていたのだが、
震災が起きてすぐさま被災地に赴き、
311があったからこそ沈み込んでいてはいけないと、
半年早めて有料会員Webサイトを立ち上げるなど、
311が起きて藤原新也氏はちょっと蘇ったかも!と思い、
1カ月1000円で2日に1度ぐらいの、
これまで無料だったブログを読むというのは不満だったが、
敬意を表して有料会員になっていた。

ただやはり精彩を欠いている記事が多い。
何かピントがずれている。
南相馬市をはじめ、福島に度々赴き取材しているのだが、
記事を読んでもなんともいえぬ違和感を覚えていた。

その違和感をズバリ指摘し、藤原新也氏を批判したのが、
その女性社長だったのだ。

そんなわけではじめの顔合わせは、
藤原新也氏の話題で持ちきりとなり、
すっかり盛り上がってしまった。

そんな妙な奇遇もあり、
縁とは不思議だなと思いつつ、
土日は南相馬市に行ってきます。

同じ福島であっても、
私が何度も取材しているいわき市とはまたぜんぜん違う事情があり、
しかし原発を挟んで北と南ということは、
何かしらの共通項があるかもしれない。

また南相馬市やいわき市もそうだが、
原発から距離的に近いエリアは大手マスコミは寄り付かず、
原発から遠く離れた岩手や宮城の大きな避難所の、
美談ばかりを紹介する報道ばかりが目立つ。

しかし311の問題の本質は、
地震や津波だけでなく原発にあると私は思う。
原発が何をもたらしたのか。
それを知らずして脱原発も原発維持も語れない。

そんなわけで変な人のおかげもあって、
南相馬の取材に行ってきます。

現地からは時間があれば、
ツイッターでつぶやいていきたいと思います。

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・被災地写真&レポ
http://www.kasako.com/110311top.html

by kasakoblog | 2011-07-23 00:13 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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