
かさこさんの工場写真を、
みやぎの思い出写真集に掲載させていただけないでしょうか?
仙台から1通のメールが来た。
今回の震災で大きな被害を被った、
石巻の日本製紙工場の写真が欲しいとのことだった。
メールをくれた方は、石巻出身の方で、
日本製紙にかつて10年勤務していたという。
今回の震災で、故郷が、そして、
かつての働いていた企業が被災し、
いてもたってもいられない状態だったという。
何かできることはないか。
それで始めたのが、
被災前の写真集の発行だった。
東日本大震災の悲惨な状況を伝える写真集は数多く出版されていますが、
宮城県沿岸部の被災地の方から、
「二度と目にしたくない光景」との声も寄せられています。
私たちは、そうした方々を励ますために、
震災前の美しかった宮城の風景を集めた、
「みやぎの思い出写真集」を発行しようと考えました。
福島に度々取材にいっているが、
やはりそこでも、
「震災後の写真ではなく震災前の町並み写真はないか?」
という声を聞く。
私にできることは文章と写真。
工場萌えという妙な趣味から撮影した石巻の工場写真が、
被災した方の役に立つのなら、
喜んで提供したいと思った。
今回の震災で、私は縁あって、
何度も福島に行くことになり、
結果、福島を中心に取材をしているが、
石巻はずっと気になっていた場所。
石巻には猫が神様の島、田代島に行くために2度訪れたことがある。
あの甚大な被害のあった津波エリアの港や、その町周辺も歩いた。
そして石巻の工場写真も撮影していた。
だから今回の震災で私がはじめに訪れた被災地は石巻だった。
甚大な津波被害エリアとともに、
工場が気になって、被災した工場も見てきた。
いずれ機会を見て、9月か10月ぐらいには、
また石巻を訪れ、田代島にも足を伸ばしたいと考えている。
石巻の工場写真を美しく撮影していた人は少なかったのか、
写真を送ったら大変喜んでいただいた。
見本誌を送ってくれるというが、
1口2000円払えば、自分に1冊写真集がもらえて、
あと3冊は被災者に本が配られるというので、
1口申し込むことにした。
こんな義援金もあるのだな。
ほとんどの義援金は受付窓口が違っても、
結局は日本赤十字社に行き、
何ヵ月もたってからやっと適当に振り分けられるだけだ。
そういう義援金も大事だとは思うが、
そんなのでいいの?と疑問に思う人も増えてきていて、
今、よりダイレクトに被災者に渡る義援金が、
いろんな形で出てきていて注目されている。
阪神大震災が日本における「ボランティア元年」だとするなら、
東日本大震災はこれまでのありきたりの義援金ではない方法が出てきた、
「義援金元年」と後に言われるかもしれない。
そんなわけで興味がある方は、
「みやぎの思い出写真集」のサポーターになってみるのもいいかも。
ネットから申込
↓
10月頃に写真集と振込み用紙が届く
(私の石巻工場写真が1枚載ってます)
↓
振込み用紙で振り込む
という後払い形式になっている。
ちなみに猫が神様の島、田代島も、
非常にユニークな独自の義援金募集を始めている。
その名も「田代島にゃんこザプロジェクト」
私は1カ月ぐらい前に1口1万円申込した。
このにゃんこプロジェクトは、
9月か10月に現地に行って取材して、
またあらためて詳しく紹介したいと思っています。
義援金の形も支援の形も多様になってきている。
震災前の工場写真が役に立つなんて、
誰が想像できるだろう?
景色は壊れ、そして失われるもの。
だから、当たり前だと思って目にしている日常を、
記録にとどめておくことは、
貴重な仕事なのだと思う。
カメラマンとしてこのような形で被災地の役に立てるなら、
カメラマン冥利につきるという他ない。
・みやぎの思い出写真集
http://www.m-omoide.jp/
・田代島にゃんこザプロジェクト
http://nyanpro.com/
・日本製紙・石巻工場写真(震災前)
http://www.kasako.com/1001isinomakifoto1.html
・日本製紙・石巻工場写真(震災後)
http://kasakoblog.exblog.jp/14644337/