期間限定の方が売れるチキンタツタ
2011年 08月 15日
昨年も何度かチキンタツタが復活した折は、
毎日のように食べていた。
いや~うまい。
かつてはレギュラーメニューだったのに。
私がマックでアルバイトしていたのは、
1993年~1997年のこと。
チキンタツタは今のように期間限定ではなく、
れっきとしたレギュラーメニューだったのだが、
レギュラーメニューのハンバーガー類の中では、
最も売れていない商品だったのではないか。
まずくはない。
というよりおいしい。
でも売れない。
うる覚えだが、当時のバリューセットでは、
ビッグマックと同じ600円という値段設定で、
高いということもあったかもしれない。
ハンバーガー、チーズバーガー、てりやきバーガー、
フィレオフィッシュ、ダブルチーズバーガー、ビッグマック、
というレギュラーメニューに加えて、
その都度、期間限定の季節商品が出ると、
だいたいそれらに持ってかれてしまい、
タツタはわりと忘れ去られた存在になっていた。
しかもマックで働いていた身からすれば、
チキンタツタは独自パーツが多くて、
手間ばかりかかってあまり儲からない商品。
バンズは特製。
キャベツを使うのもタツタだけ。
ソースも専用。
パティも専用。
狭い厨房スペースに、
タツタのためだけに存在する食材を置かなければならず、
しかもあんまり売れなくて、
作り置きしてないでたまに注文が入ると、
それでウエイト(待たせる)になってしまい、
接客のオペレーションにもお荷物、
といった具合でかなりのやっかいものだった。
だからおいしかったけど、
レギュラーメニューからはずしてしまえ!
という英断を行い、
でもかつてレギュラーメニューで、
ファンは多かったから、
たまに期間限定で復活すると売れまくるという、
いわば月見バーガーやグラタンコロッケーバーガー、
てりたまバーガーなど、
レギュラーにはならないけど、
季節限定の定番商品として不動の地位を得た、
といっても過言ではない。
ただ実は今、チキンタツタと同じ命運をたどろうとしている、
かわいそうなレギュラーメニューがある。
ベーコンレタスバーガーだ。
ベーコンレタスバーガーはかつて期間限定メニューだったが、
これが実に人気でばかすか売れる。
ことあるごとに、
「ベーコンレタスバーガーをレギュラーメニューにしてほしい」
との声が実ったのか、みんなそう思っていたのか、
なんとレギュラーメニューになったのである。
レギュラーになった当初は、ベーコンレタスバーガーばかり注文していた。
ところが、である。
なんだろう、レギュラーになってしまうと、
「いつでも食える」というのがあって、
そこに季節限定メニューでおいしいのがあると、
そっちの方ばかり食べてしまうという現象になり、
次第にベーコンレタスバーガーはあまり頼まなくなった。
まさにチキンタツタの二の舞まっしぐらである。
そしてベーコンレタスバーガーにも、
オペレーション的に大問題がある。
ベーコンが入っていることだ。
ベーコンはこのバーガーにしか使わない。
焼くのが結構面倒くさい。
チキンタツタがレギュラーメニューから降格してしまった、
似たような条件が重なっているのだ。
そんなわけできっとベーコンレタスバーガーも、
チキンタツタと同じように、
レギュラーから降ろして季節限定にした方が、
きっといっぱい食べるだろうと思う。
それにしても人間の心理って不思議。
期間限定なんて古典的なマーケティング手法が、
これほど有効に機能するとは。
いつでも食べれるより、
たまにしか食べれない。
そんなじらし感が瞬発的販売力を生むのかもしれない。
レギュラーへの壁は厚いが、
花形期間限定商品としても生きる道はある。
まるでハンバーガーの話じゃなく、
人生の話をしているみたいな感じだけど。
※2009年10月にタツタが復活した時も、
おんなじ内容の日記書いてました。