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子供は「東北」のものは食うな発言は取り下げるべきか

質問:東北の野菜とか牛肉を食べたら僕らはどうなるの?(小4・男子)
「もちろん健康を害しますからできるだけ捨てていただきたい」

東北の一部で放送された「たかじんのそこまで言って委員会」の、
子供相談コーナーで、中部大の武田邦彦教授が発言したこのコメントが、
まるで「問題発言」のように、
大きなニュースとして取り上げられている。
番組で地名を挙げられた一関市長がメールで抗議し、
出演していた元京都府小学校教諭・今村克彦氏が、
「取り消せ!」とわめいている。

Youtubeにアップされている、
この一連のやりとりの映像を見て思う。
まさにこれが今の日本の現状だなと。
科学VS感情の戦い。

科学的根拠をもとに、
国土と子供の安全性から、
放射能の危険をできるだけ避けるべき、
そのために「子供は東北のものは食うな」という発言に対し、
お百姓さんと農家の同情を盾に、
「お百姓さんがなけなしのお金はたいて、
ガイガーカウンター買ってやっている。
現場に言ったらそんなこといえない」
と感情的に反論する。

私は先日「福島を復興してもいいのか?
という記事を書いた。
被災者が放射能まみれの土地で暮らすことが、
本当に人助けなのだろうかと。

これについて一部のエキセントリックな「ボランティア」が、
あの放送に出てくる今村氏のように内容について批判している。

確かに武田氏の発言は「東北」を切り捨てるように聞こえ、
反感を買うには十分だ。
だから「東北」や「農家」に「同情」する「偽善者」たちは言うわけです。

「なんだその言い方は!取り消せ!」
「東北のもんを食うなっておかしいだろう」と。

武田氏は言う。
「今、生産するのは間違っている。
きれいになってから生産しないと。
畑に青酸カリがまかれた。
青酸カリをのけてから植えてください。これが順序」

「東北の人や福島の人を助けるには、
僕らが被ばくすることじゃない。
国土をきれいにして除染してから。
農家の方は全力で救う必要がある。
1年休業しても大丈夫なようにする」と。

まったくの正論だ。
しかし感情論に凝り固まった連中は、
この発言が的を得ているからこそムカつき、
ヒステリックに批判しようとしているわけだ。

「原発の近くの子供たちが給食を食べて40ミリシーベルト浴びてる。
1年にレントゲン800回分、浴びせられた計算。
子供に800回浴びせて、お百姓さんがかわいそうだ、
農業の人がかわいそうだというのは極端だといっている」
と武田氏は反論しているが、
「言い方が悪い」の感情論の反論のみで、
科学的な反論ができない。
というか感情論での意見は反論にすらなっていない。
同じステージの上に立っていないのだ。
話がかみあうわけがない。

ひたすら武田氏に文句を言う今村氏に対し、
「私に文句言わないでください。
東京電力に文句言ってください」
という。
感情論で批判するならぶつける相手が間違っている。
そんな労力と暇があったら、
私に文句言うのではなく東電に文句でもいって、
賠償金をせしめるのが先だろう。
使うエネルギーが間違っている連中には何もできない。
あてつけのように教授にかみついたって、
何にもならないだろう。

いや教授の言っていることが正しくないと、
科学的根拠をもとに反論するのはいいと思う。
私だって武田教授の言っていることが、
すべて正しいとはわからないが、
彼に反論する根拠はどこにもない。

それを「百姓がかわいそうだ」「農家がかわいそうだ」
っていうのは明らかにおかしい。
じゃあ子供が死んでもかわいそうじゃないんですか?
そういう話だ。

このやりとりに際して、漫画家の江川達也氏が、
「感情論を優先して日本は戦争に負けた」と発言したのが印象深い。

3.11を敗戦にたとえる論調は多くある。
先日、宝島社は、基地に降り立つマッカーサー元帥の写真を載せ、
「いい国つくろう、何度でも」という企業広告を載せた。

おもしろいが違和感がある。
我々が3.11で負けたのは「敵」じゃない。
自分自身だ。

私だったら新宿歌舞伎町のネオン街の写真と、
福島原発爆発の写真をコラージュして、
「日本は変わった。あなたは変わった?」
というキャッチコピーをつけるだろう。

日本は3.11で変わった。
原発事故だ。
勘違いしている人がいるかもしれないが、
まだ何も事態は収束していない。

原発は壊れたまま。
原発収束には数十年かかるとも言われている。
まだ放射能は漏れている。
大気だけでなく土壌、水、食品、人間、畜産物など、
あらゆるものが汚染された。

にもかかわらず、汚染の測定もろくにせず、
除染もせず、避難もさせず、
「かわいそう」とか「風評被害だ」とか、
一時の同情論で被ばくさせ続けている。
だから「今は子供は東北のものは食べない方がいい」
という結論になる。
それを感情論で批判して何になろう?

何が大事かが何もわかっていない。
目の前のことしか見ていない。
一時の感情に流されているだけ。
同情から味方になったふりした、
「偽善者」とさえ言えるかもしれない。

もし日本人が3.11という、
「第3の敗戦」の教訓を学ばず、
感情論にとらわれて処理にあたれば、
数年後、数十年後に、
日本は壊滅的な破綻をきたす可能性がある。

今の日本には、
「被災者」「被災地」に同情したふりした人の「反論」が、
武田氏のような発言を封殺することになる雰囲気が一部にある。
私はそれを危惧している。

また第二次世界大戦のように、
自暴自棄の「自爆戦争」を始める気ですか?

感情を優先するのは、政治家お得意の先送りと同じ。
悲劇を先送りして、今の自分の「冷酷」な行動から、
言い逃れしたいだけだ。

感情は大事。客観的事実では割り切れないことも事実だが、
今、日本は大きな岐路を迎えていると思う。

※ここで「東北」という言葉が使われていますが、
「東北」=東北地方ではないことには注意してください。
東北でも汚染が少ない地域もあり、
東北以外でも汚染が高い地域もある。

たかじんのそこまで言って委員会 2011年9月4日 教育SP 5/5
http://www.youtube.com/watch?v=jjvu2IyuisU

by kasakoblog | 2011-09-07 23:58 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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