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震災から7ヵ月~4月と10月の状況写真比較

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上:4月20日撮影、下:10月10日撮影

半年ぶりに宮城県石巻市の被災地に行ってきた。
見違えるほどガレキは片付いた。
そのことに間違いはない。
でもだからといってまだ何も始まっていない。
津波被災地はまだ無人の“焼け野原”と化している。
日本製紙の工場は動き出したけど。

そもそもガレキは処理されたわけではない。
うずたかくひとところに集められているだけだ。
地盤沈下し冠水も激しい。
防波堤だってろくにできていない。

この7ヵ月で終わったことといえば、
遺体の捜索、家財道具の持ち出し、家の解体、道路の開通ぐらいか。
とはいえまだ行方不明の方も多数いる。
避難所は閉鎖されたが家には戻れず仮設暮らしが続く。

もう7ヵ月。まだ7ヵ月。
復旧・復興の道のりは遠いが焦ってはいけないと思った。
震災前に浸水していない道路が水没しているのを、
あちこちで見たからだ。

そして4月に訪れた時も10月に訪れた時も、
この壊滅的なエリアのすぐそばの高台は、
まったく何の被害もないように普通の住宅地の光景が広がっている。

どこにリスクがあるかが明確になった。
もう想定外とはいえない。
ましてまだ地震も起きている。

復興を急ぐあまり津波リスクをヘッジしないまま、
安易な復旧を行えば再び悲劇を繰り返すだけ。

大災害の後に悲劇を繰り返さない新しい町づくり、
それが真の復興だとしみじみ思った。

震災から7ヵ月が過ぎ、津波リスクの風化が恐ろしい。
今回訪れた石巻市雄勝町で興味深い話を聞いた。

「ここより下に家を建ててはいけないという石碑を立てるつもり」

津波被害で集落の8割の家が流された場所で、
幸いにして津波被害をからくも逃れた高台の家の人が、
そんな話を私にしてくれた。

昭和にも明治にも起きている三陸沖大津波。
先人の言い伝えを守り、高台移転した町は助かっているところもある。
一方、先人の言い伝えが風化し、
再び津波にのまれてしまったところもある。

「人はすぐ忘れちゃう。
だからこのすさまじい津波の経験を、
私が死んでも誰にでもわかるように石碑として残しておきたい」
とそう語ってくれた。

一部のエリアではもうすっかり津波リスクも忘れて、
ろくに防波堤もないのに海すぐそばで宿泊施設が開業している、
恐ろしい場所もある。

まだ震災から7ヵ月。
忘れるにはまだ早い。
忘れてはならない3.11からまだ7ヵ月。

被災地レポート
http://www.kasako.com/110311top.html

by kasakoblog | 2011-10-11 00:30 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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