過去100年間に発生した巨大地震の震源地~想定内のリスクに向き合う
2011年 10月 24日
思えば3.11の数週間前。2月22日のこと。
ニュージーランドでM6.3の地震が起き、
日本人の死亡者が出たことから、
日本のマスコミは大々的にこのニュースを取り上げていた。
昨日、10月23日にはトルコでM7.2の地震が起き、
死者は数千人という報道もある。
その前日には、南太平洋ニュージーランド領ケルマデック諸島沖で、
M7.4の地震が起きているが、付近の居住者がいないため、
ほとんど報道はなかった。
9月19日にはインドでM6.9の地震、
8月23日はアメリカ東部でM5.8の地震があり、
93年ぶりの地震という慣れなさから、
一時、9.11なみのパニックになったとも言われている。
画像の「過去100年間に発生した巨大地震の震源地」を見ればわかるように、
(世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が発表した地図)
http://www.tripadvisor.jp/pages/Earthquake.html
日本は地震が極めて多い。
でもだからとって悲観することはない。
ほとんど地震が起きないアメリカ東海岸では、
慣れないがゆえにM5.8でパニックになるわけだが、
日本は地震リスクを想定内として向き合って生きているから、
それなりの対応もできるし準備もしているはずだ。
いやはずだった。
ニュージーランドでもトルコの地震でも、
2008年の中国四川省の大地震でもそうだが、
多くの建物が倒壊している様子が映し出されるが、
日本並みの耐震構造なら、こんなにも倒壊せず、
被害は少なかったのではないかと思ってみている。
考えてみれば、3.11にしてもそうだが、
あれだけの大地震が起きたら、
数多くの建物が倒壊してもおかしくはなさそうだが、
そうはならなかった。
死者の大半も建物損壊もほとんどの原因は津波であり、
地震そのものではなかった。
3.11以降、東北に限った話ではなく、
日本各地で地震が多発しており、
北海道、和歌山、熊本でも震度5強の地震が起きている。
私は数年前から地震発生情報をチェックしているが、
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
3.11以降、今まで地震が少なかった地域にも地震が起きており、
日本にいる限り、地震リスクから逃れることは不可能に近い。
でも恐れることはない。
地震が多いとわかっているのだから、
それに備えればいいのだ。
備えによって地震被害を減らすことができる。
ところが未だに地震を甘く見ている人もいる。
地震が起きて困るのは水だ。
水といってもぴんとこない人は多いかもしれない。
そんなに水、飲まないよと。
確かに1日に体内に必要な水分は2リットル程度だ。
ところが1日に人が使う水は約300リットル!
なぜそんなに使うのか。
トイレ、風呂、洗濯、炊事などに必要だからである。
地震で水道がとまって風呂、洗濯は我慢できるとしても、
トイレ問題は非常に深刻だ。
水がないと流せない。
被災地取材をしていると、
震災直後、トイレが糞であふれかえって、
ものすごかったという話を聞く。
そうした不衛生な環境で、
手を洗うこともできず、食事もままなければ、
病気になってしまう。
水の備蓄は家庭や企業でぜひしておきたいところだ。
そういえば3.11以降、最も地震が多発しているのは、
福島原発のそば、福島県の海岸沿いだ。
もうしょっちゅう起きている。
未だに放射能が漏れ続けている福島原発のそばで地震が多発している。
東京などでも放射線量が高いホットスポットが、
次々と発見されるのをみるにつけ、
地震で生き延びたとしても原発があるせいで、
震災から半年以上過ぎても「被害」が拡大する、
という状況が続いている。
地震が多い国という想定内のリスクを、
金が儲かるからといって、
電力会社と原発メーカーと官僚と政治家がグルになり、
金にめがくらんだ過疎化自治体に、
多額の交付金で原発を次々に建てさせたのだ。
しかしこの「過去100年間に発生した巨大地震の震源地」を見れば、
この国に地震(津波)で爆発する原発なんて、
どこにも建てちゃいけなかったのだと思う。
それを指摘した多数の本があるにもかかわらず、
自分も含めて「いくらなんでも電力会社もバカじゃないんだから、
地震や津波の対策ぐらいしているだろう」と、
甘く見ていたのが愚かだった。
にもかかわらず、九州電力では玄海原発の再稼働に関して、
今年6月に開いた県民説明番組で、
組織的に再稼働賛成のやらせメールをさせていた。
一体、どこまでこの国は腐っているのだろう。
それほどまでに過疎化自治体にとって、
金=雇用の威力は絶大だということだ。
3.11であらためて地震大国に住んでいることに気づいたものの、
そんなことは無視して地震リスクを無視した行動を、
推し進めようとしている人もいる。
確かに一時期より地震はかなり減ってきたが、
忘れた時に大地震はやってくるもの。
一人一人が普段から地震に備えた事前準備をしておきたい。
備えがあれば、相当、減災できるはずだ。
・近いうちに必ず大地震がやってくる~大地震に備えてますか?
http://kasakoblog.exblog.jp/15296828/
・なぜ原発は推進されるのか
http://www.nuketext.org/suishin.html