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ロス疑惑の最大の謎はこれに群がるメディア~万引き犯で裁判中の逮捕

ロス疑惑の最大の謎、それは「この程度」の事件に、
100人以上のメディアが殺到し、連日連夜、
時間を割いて報道していることだ。
防衛省隠蔽疑惑や国交省道路無駄遣い疑惑という、
国内緊急の課題をほったらかしにして、
今このニュースを大々的に取り上げているメディアは、
まさに25年前の事件発生当時も、大々的に取り上げていた。
妻をアメリカでなくした悲劇のヒロインとして。

ところが事件発生後、週刊誌が保険金目当ての夫に、
殺害疑惑ではないかと報じると、メディアは一転。
悲劇のヒロインを今度は疑惑の男として、
おっかけまわし、お茶の間のエンタメニュースとして、
提供し続けたのである。

多分メディアが今も懸命になって、
ごく限られた被害者家族や関係者以外にとっては、
このどうでもいい事件を重要疑惑ニュースそっちのけで大々的に報じるのは、
日本でも重罪な犯罪については時効は見直すべきだという、
意義深い事件という意味ではなく、
かつてメディアが手玉に取られて、
無罪ー有罪ー無罪と一転した男の顛末を追っかけないことには、
メディアとしてのプライドがすたるとでも思っているからだろう。

そもそも「ロス疑惑」という大仰な呼び方がおかしい。
たとえば夫が妻を保険金目当てに殺した事件が大阪で起こったとして、
それを「大阪疑惑」と報じたら違和感を覚えないだろうか?
「ロス疑惑」なんていわれると、
なんだかまるでロサンゼルスのトップクラスの、
政治的疑惑なのか談合事件なのか陰謀なのか、
そんな壮大な疑惑と事件のように聞こえるが、
別に単なる「三浦和義疑惑」であって、
「ロス疑惑」なんていう必要はまったくないわけだ。

しかもロス疑惑をこれだけ大々的に報道し、
25年前の事件を時間を割いておさらいしているわりに、
三浦和義容疑者が、平塚市内のコンビニで万引きした窃盗罪に問われていて、
今まさにその裁判中であることが、
一部のメディアのみにしか報道されないのが不思議である。

メディアはどうも「日本の最高裁が無罪といった人間を、
なぜアメリカが今さら逮捕するのか」という、
三浦和義容疑者に同情的な立場で報道することが、
視聴者の共感を得られるだろうと考えているからなのだろうか。

コンビニの監視カメラに万引きする姿が、
ばっちり映っている三浦和義容疑者の映像を見ると、
日本の最高裁もメディアも、ろくな調査力もなく、
この稀代まれなる詐欺師に騙され続け、
今なお騙され続けているのではないかと邪推してしまう。

一人の女性が謎の死を遂げた事件を、
25年もきちんと追い続けているアメリカの警察の姿勢を見習い、
殺人事件に時効は不要なんじゃないかという点をのぞいて、
この三浦和義疑惑に時間を割くメディアの感覚というのは、
ほんとおかしいんじゃないか。

民主党が国会で懸命になって国交省道路特定財源疑惑を暴いているのに、
それを報道せず、25年前の殺人事件を取り上げ、
そのくせ民主党には対案を出せとかわけのわからん批判をするメディア。

重要性と優先順位とニュース性を考えて報道すべき疑惑を考えれば、
国民の一人当たりの借金が約655万円、
国の借金が838兆円と過去最高を更新した今、
道路整備費に59兆円つぎ込むことが、
今まさに見直されるかどうかの瀬戸際論戦を取り上げることが、
メディアとして伝えるべきことなんじゃないかと思う。

三浦和義、万引き公判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080225-00000121-mai-soci

初会見に日本メディア殺到=米ロス市警
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080226-00000035-jij-soci

by kasakoblog | 2008-02-27 17:07 | マスコミ

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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