2011年 11月 04日
ギリシャ危機をわかりやすく解説~日本もアメリカも二の舞に~
政治に求めることは「景気をよくしてほしい」。
日本の街角インタビューや調査でもよく聞かれる回答だが、
日本に限らず、先進国で、
景気対策を政治に求めたがために、
今、ギリシャをはじめ、
ヨーロッパやアメリカ、日本でも借金まみれになり、
返せなくなり、今、大問題になっているのだ。

100年に1度の危機といわれた、
2008年のリーマンショックを超える危機が、
全世界を襲うといわれているギリシャ危機がなぜ起きているのか、
ご存知だろうか?
調べてみればお粗末という他ないが、
お粗末なことを多かれ少なかれ、
多くの先進国で行われているのである。
まあギリシャは極端な例だが。

ギリシャ危機がなぜ起きているか。
危機が明らかになったのは国家の「粉飾決算」が発端だ。
ユーロに加入するには、
財政赤字はGDPの3%以内という定めがあったにもかかわらず、
粉飾決算して誤魔化し続けてきたが、
2009年11月に実はウソついていて、
対GDP比で12.7%もの財政赤字がありますという話になった。
こうしてギリシャ危機がもうずっとくすぶり続けている。

ではなぜギリシャが借金まみれになったのか。
結局のところ、日本でも同じ、例のあれである。
「政治は景気をよくしろ!」の国民大合唱だ。

高度成長期でもない先進国が、
政治主導で景気回復なんかもはやできないにもかかわらず、
ヨーロッパもアメリカも日本も、
下記のような恐ろしい過去の常識が未だに信じられている。

「不景気になったら国家が借金し、
政治主導で公共事業など財政出動(バラマキ)すれば、
市場にお金が回り、景気がよくなり、
税収が増えて、借金も返せて、景気も回復する」と。

そこでギリシャは公共投資を行ってきた。
それは公務員の肥大化となって表れた。
ギリシャの人口1100万人だが、そのうちの10%が公務員だという。
10人に1人が公務員!
10億人もいる国でもないのに。

10%というともしかしたら少ないと感じるかもしれないが、
未成年や高齢者をのぞいた勤労世代の比率でいったら、
相当な割合で公務員ということになる。
就業者数の4分の1が公務員とも言われている。

数が多いだけでなく、民間に比べて、
手厚い待遇を保証している。
これが借金まみれになっている大きな原因の1つだ。

さらにギリシャでは借金まみれにもかかわらず、
58歳から年金が支給されるなど、
手厚い年金制度を採用していることも一因と言われている。
さらに南欧らしいといえば南欧らしいが、
脱税は横行し、税収が予定通り入ってこない、
贈収賄が横行、GDPに反映されない地下経済が大きいなど、
日本ではちょっと考えられないずさんな体制も、
借金まみれを助長している一因となっているらしい。
そういえば2004年にはアテネオリンピックも行われた。

こうして、今、どこの先進国でも、
多かれ少なかれ行われてきた景気対策幻想、

景気低迷

政治主導でバラマキ

景気回復せず

税収増えない

借金が膨らむ

増税と社会保障の削減

というわかりきった負の連鎖を繰り返している。
日本もまさに上記の連鎖を繰り返しているわけだが。

ここで1つ、疑問に思うのは、
なぜこんなどうしようもない国に金を貸してしまったのか、
という話だ。
粉飾決算も金を貸す一因にはなっていたのだろうが、
借金が増えたのはユーロの仲間入りをして、
単独の国家ならそんなに金を貸さなかったギリシャに、
ユーロに入ったからなんとか返してもらえるだろうと、
いわばギリシャの信用力を見誤り、
「過剰融資」したのも借金まみれに拍車をかけた。

ただし借金まみれでも借金を返せるマジックがある。
借金を返すために借金をする自転車操業だ。
どうしようもない多重債務者が使う手だが、
そのどうしようもない方法を、
ギリシャほか先進国の多くがとっている。
日本だってそう。
今している借金って借金を返すための借金だ。

それができているうちは返済不能危機は訪れない。
ところがギリシャのいかさま決算がわかり、
「ギリシャは借金返せないんじゃない?」って話になり、
お金を貸す人が減って、自転車操業ができなくなり、
破綻=デフォルト、ようは借金が返せなくて踏み倒すかも、
ということで今、大きな問題になっている。

ギリシャ問題の教訓。
それは「政治に景気対策を求めるな」ということだ。
国家が借金してバラマキしても、
高度成長している新興国ならともかく、
低成長の先進国ではもはや意味がないということ。

ところが未だにそれを政治家も国民もわかっていない。
政府の景気対策によって潤う企業もある。
だからそこに利権が発生し、
税金を食い物にして自分たちが儲けるために、
大して必要のないものを必要だとわめきたて、
景気対策と称して行ってきた。
(原発もまったく同じ構図)
それが借金まみれの原因なのである。

もうお忘れかもしれないが、
2008年の金融危機の時に、時の政権、
自民麻生政権は何をやったか。
定額給付金と称して2兆円もの貴重な金を、
わざわざ経費がかかる面倒な方法でバラまいたのだ。
その他にも景気対策はあったが、
じゃあ日本の経済はよくなったのか?
景気はよくなったのか?
2兆円まいて、今は消費税増税しないといっていた、
民主党まで消費税を増税すると言い出した。

あの貴重な2兆円は何だったのか。
こうしてたいした景気効果もなく、
目先だけ国民を喜ばせるためで、
借金を若い世代に先送りするどうしようもない政策のために、
どんどん借金は膨れ上がり、
消費税を10%にするとか、
年金支給を70歳に引き上げるとか、
国民詐欺みたいなことを言い出しているのである。

ギリシャの問題は対岸の火事ではない。
日本、アメリカ、ヨーロッパなど、
景気対策を政治でどうにかしよう、
一時的なバラマキでどうにかしようという、
過去の常識を未だに信じている限り、
第二、第三のギリシャが生まれ、
世界経済はクラッシュし、
その実害はすべて今の若い世代の国民に、
なすりつけられることになる。

国家が借金してバラマキをすることを制限しない限り、
今の世界経済の仕組みはもたないだろう。


by kasakoblog | 2011-11-04 19:16 | 金融・経済・投資


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