地方のしがらみが復興を阻害する?~都市の方がフラットでいいのかも
2011年 11月 19日
東北地方の人たちみたいに、
近所づきあいがあるわけじゃないから、
きっとひどいことになるんだろうな・・・
震災当初、思ったことだが、
私だけでなく同じように考えていた人も多いようだった。
近所づきあいがある地方は、
助け合いで集団生活を乗り切れるけど、
関東は隣に住んでいる人も知らないし、
地域コミュニティが希薄だから、
いざ災害が起きて避難所生活になったら、
ひどいことになるんじゃないかと。
もちろんそういう面もあると思うが、
被災地に行き、いろいろ話を聞くと、
地方=コミュニティがある=一致団結=良い、
都会=コミュニティがない=バラバラ=悪い、
とは一概に言えないのではないかと、
考えをあらためるようになった。
地方の人間関係のしがらみってすごい。
都会の方が妙な人間関係がなく、
みんな赤の他人でかえってフラットに割り切れるから、
その方がいいんじゃないかとか思ったりもする。
もちろん、どちらにも良し悪しがあると思うが、
震災当初、思ったように、単純に近所づきあいがあるから、
災害が起きると強いとはいえないのではないかと。
むしろ都会では暮らしている地域より、
会社という組織単位で避難所暮らしになれば、
かなり統率がとれた避難所生活になるのではないかと思う。
考えてみれば、災害にあう可能性って、
会社で働いている人は、
自宅で遭遇するより会社で遭遇する方が高い。
自宅に帰るのも困難な場合、
会社単位でどこかで避難生活を過ごせば、
命令系統もあり、社会人としての抑制もきき、
会社同士でビジネスライクに協力し合えば、
かえって避難所生活は円滑にいくんじゃないかと。
地方のしがらみは復興においても、
大きな阻害要因になっているのではないかとも最近思う。
人間関係のさまざまなしがらみがあり、
しかもそれは合理的・効率的なものではないから、
いざ復興を行おうという段階になっても、
非合理的・非効率的な選択がなされてしまう可能性もかなりある。
逆に都会はそうしたしがらみは少ない。
土地にこだわる人もいないだろうし、
ある意味ではみな一般的な損得勘定だけで動きやすいから、
変なしがらみもなく合理的な判断が下しやすい。
だから復興もスムーズにかつスピーディーに、
合理的・効率的な判断ができるのではないかと。
ただ思うのは、これだけの大災害が起きたのだから、
過去のしがらみから非合理的な選択を優先せず、
まっさらな状態でゼロからのスタートで、
復興を考えてほしいと思う。
今までどおりにこだわりすぎる勢力が強いと、
復興なんかできなくなり、みな共倒れしてしまう。
「震災が起きて日本は不可逆的な変化を余儀なくされている」
とある評論家がコメントし、まさにその通り!と思ったが、
しがらみや過去の因習や既得権益に阻まれて、
不可逆的な変化を無視して、
また前の状態に戻そうという感情や勢力があまりにも根強い。
結果、せっかく労力をかけたのに、
また同じ過ちの繰り返しになる。
これだけの災害が起きたのだから、
生き方や社会のあり方を大きく転換させねばならないが、
地方でも都会でもそうだが、
過去にとらわれる抵抗勢力が復興を阻害しているのではないかと思う。
地域コミュニティがあるというのは聞こえはいいが、
逆にいうとゼロからのスタートがしにくい、
しがらみにもなるということも頭に入れておかなければならない。