ガレキも分別~過去に学び、一歩先を考えた処理
2011年 12月 08日
被災地では、ガレキは片付いたように見えて、
ただガレキを一箇所に集めただけに過ぎない、
という場所が多い。
ガレキがあまりにも多すぎて処理が追いつかないためだ。
たとえば宮城県の石巻市では、
ガレキの量が通常の100年分にもなるという。
とてもじゃないけど処理できない。
山のように積まれたガレキを見ると、
被害の甚大さと復興の遠さをあらてめて思い知るわけだが、
宮城県の気仙沼大島に行った時は驚いた。
なんとガレキが見事に細かく分別されているのだ!
自動車/バイク/チャリ/家電製品/
たたみ/布団/タイヤ/木材/漁具関連など、
実に細かく分別されて置いてあった。
その方が処理がスムーズに行えるからという理由らしい。
ガレキを片付けて集めるという作業でも大変だが、
それを種類別にきちんと分けているとは、
これはすごいなと思った。
確かにこれなら処理も円滑に進むだろう。
何でもかんでも積まれたガレキの山より救いや希望を感じた。
とりあえず片付けなきゃと思って、
一度積んでしまったところは、
今さら分別なんてできないだろう。
でも一歩先、二歩先のことを考えて作業をしていれば、
後工程がすんなり行き、片付けが早く終わる可能性もある。
未曾有の大災害ゆえ、とにかく目の前のことを、
1つ1つ片付けなくてはならず、
一歩先、二歩先なんて考えてなんてできるわけがない、
という面もあるだろうが、
過去の災害事例を学んだり、ちょっと先のことを想像し、
「手間がかかるかもしれないが、こうやっておいた方が後々いい」
といった思考で取り組みをしているところもある。
震災復興に限った話ではないが、
すべてを事前にうま完璧にやることなんて不可能に近いだろうけど、
目の前のことに飛びついて取り掛かろうとする前に、
ほんの一瞬だけ考えて、それから行動に移せば、
時間やコスト効率よく、迅速に処理ができるようになるのではないか。
そういうわずかな差が後々になってきいてくる。
仕事なんかでもそうだけど、
はじめの一手間を惜しんだために後で面倒なことになるみたいな。
そして効率よくやるためのヒントや、
何がこの先、問題になるかは、
過去の出来事を振り返ればだいたい参考になる前例がある。
そうした教訓を語りついでいくことも、
災害が起きてもできるだけ被害を小さくしたり、
復興を早めたりするのに役立てるのではないか。
そのような意味では放射能汚染問題は、
日本はもっとチェルノブイリの事例を知り学ぶべきだろう。
いろんな諸条件が違うから、
チェルノブイリ通りになるとはいえないが、
過去に起きた一番近い例のチェルノブイリで、
事故後に何が起きたかを知ることは、
今後の日本の指針になるに違いない。
どうも電気利権のためなのか、
未だそうした過去の事例を無視して、
見て見ぬふりをして意味のないことに、
莫大な時間やコストをかけているケースも見られるが・・・。