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社員の幸福を最重視する企業

どんなに不景気の時期だろうと、
社員の幸福を最重視している企業は、
黒字を維持し、成長し続けている。

そんなバカなと思うかもしれないが、
こんな信じられない話が実際にはある。
「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、
坂本光司教授の話を聞いて、
この信じられない企業常識に驚かされた。
6000社以上企業調査をしている坂本教授は、
「社員を大切にしない企業は業績が変動するが、
社員を徹底的に大切にする企業は長期にわたって業績がいい」と、
今までのデータから断言する。

講演を聞いて感銘を受けて、
でも「ホントかよ?」という気持ち半分、
書籍「日本でいちばん大切にしたい会社」を読んでいるが、
坂本教授は、企業は第一に客でも株主でもなく、
社員とその家族を幸福にすることを考えろと説く。
そしてそれをすれば業績もよくなるとデータを挙げる。

その論理は明快だ。
どんなに不景気な時代だろうが、
物があふれている時代だろうが、
感動的な商品やサービスがある企業が業績はいい。
感動的な商品やサービスを生み出すのは社員だ。
だから社員の幸福を最重視した経営をすれば、
結果、顧客を大切にすることにもなり、株主を大事にすることにもなると。

また坂本教授の主張で実に素晴らしいのは、
社員の幸福の次に、取引先や下請企業を大事にしろということだ。
こうした企業にコストダウンなんか強いてはいけないともいう。
それも同じ論理で、取引先や下請企業を大事にしなければ、
感動的な商品やサービスが生まれっこないということだ。

普通に考えればこの当たり前の原則は誰にでもわかる。
「仕事いやだな」と思っている社員に接客されたら、
誰だって気分はよくないだろう。
へとへとに働かされている社員から、
人を感動させるような商品が開発できるはずがない。

しかし経営者や企業はついつい社員を、
金を生み出すマシーンのように使い、
搾りつくせるまで搾り取ろうみたいに、
いろんな縛りやノルマやルールを設け、
長時間、できるだけ安いコストで拘束し、
社員をこき使うことで利益を上げようとする。
取引先や下請企業も同じ。
不平・不満を持ちながら仕事をやっている社員や取引先から、
素晴らしいサービスなど生まれるわけがないのである。

日本ではどちらかというと、
社員の幸福を最重視した会社より、
ブラック企業が多すぎる。
ろくに法律も守らず、社員をいいようにこき使い、
どんどん使い捨てのように使いまわすだけ。
日本はこうしたブラック企業が多すぎるせいか、
それが当たり前みたいな風潮があるが、
いやいや教授の調査を見れば、
信じられないほど社員を大事にする企業が結構ある。
もちろん社員募集には大人数が殺到するらしいが。

先日、ヤンキーあがりみたいな、
ちゃらちゃらした感じの34歳が社長の、
「メガネ」のオンデーズという企業をテレビで紹介していたが、
社員を大切にし、客を大切にしているようだった。

新店舗ができた時に社長はこんなような言葉を言う。
「会社の利益が少なくなっても、
お客さんにとっていい選択をしてください。
それだけ」
実にシンプルだけど実に本質だ。

こんな当たり前のことがどこの企業もできないわけです。
客がA商品とB商品で迷っている。
A商品を買わせれば、B商品より売上が倍になり利益も倍になる。
でもそのお客さんにとってはAよりB商品の方が合いそうだ。
そんな時、どちらを勧めるかという話。
売上が減っても客になるアドバイスをすれば、
長期的に安定的に業績はよくなる。
当たり前の話だけど。

そんな当たり前のことができない。
運用会社なんかひどいもので、
投資家が損をするかもしれないけれど、
既存の割高な手数料商品を売りたいがために、
手数料が安くていい運用商品を売らないみたいなことが、
平然と行われている。
短期的には会社の業績はよくなるかもしれないが、
客のために行動しない会社は長期的には業績は悪化するだろう。
客のために行動しないから。

最近は日本企業に投資する際も、
売上高や利益が高いとか、
名の知れた大企業だからということより、
いかに社員や客を大事にしている企業か、
といった基準で選別するファンドが増えているという。
ちょっと前に流行った言葉、SRI=社会的責任投資とも考えられるが、
そんな横文字流行り言葉でブームにのってやっているわけではなく、
もはや本気で社員の幸福や客の満足を考える企業でないと、
この厳しい時代は乗り切れないという損得判断から、
社員を大切にする企業が投資対象として選ばれる傾向にあるようだ。

こんなこと書いてもきっとまだ半信半疑の人が多いだろう。
「社員の幸福を最重視なんてあり得ない。
やっぱり売上高第一、会社の利益第一、
なんだかんだいって株主第一じゃないか」みたいな。
でももう次第に時代の流れは変わりつつある。
もうそんな企業はどんな大企業だろうと長いこと生き残ってはいけない。

他の会社を知らないからブラック企業といわないまでも、
社員を大切にしない会社に毎日文句いいながら、
不平不満をためながら働いている人も多いだろう。
でももうそんな企業は早めに見切りをつけた方がいい。
なぜなら長期的な安定的な成長は見込めないし、
そんな企業は売上ががんとさがれば容赦なくリストラや給与カットするだろうから。
そもそも自分が不満だらけで働いていて、
客に喜ばれるような感動的な商品やサービスを生み出せているか?
と考えればわかるのではないか。

社員を大切にしない会社に未来はない。
世の中には信じられないぐらい、
社員を大切にする会社があることを知れば、
早めに見切りがつけられ、
不満だらけの毎日から幸せで仕事にやる気に満ちた生活を、
送れるのではないだろうか。

見切りをつけられなければ、
自分自身がどんどん選択肢を失い、
後で大変なことになるだけ。
早めの見切り、早めの転身が大事です。

日本でいちばん大切にしたい会社

・日本でいちばん大切にしたい会社大賞
http://www.taisetu-taisyo.com/jusyou.html

by kasakoblog | 2011-12-15 01:41 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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