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なんでも原発放射能のせいにする人たち

最近、咳き込む人が多いのは原発放射能のせいだ。

そうとは書いていないのだが、
放射能のせいでいろんな体調異変が起きていると、
短絡的に結びつけるような内容を、
藤原新也氏がブログに書いていた。

そしてその裏をとろうと読者に咳き込み症状を求め、
相当数のメールがあり、
「熱もなく風邪の症状でもないのに、
今までに経験したことのないような、
しつこく長引く咳」が多いとして、
短絡的に放射能と結び付けてはいけないものの、
放射能に向き合っていかなくてはならないと、
まるで放射能が原因で咳が増えたととれるような、
内容の文章をその後に続けている。

※そもそも風邪に咳の症状はつきものだと思うのだが、
「風邪の症状でもないのに咳が続く」という文章自体、
根本的におかしいような気がする。

今、体調に異常があると、
なんでもかんでも放射能のせいにする人がいる。
しかし、咳についていえば、
昨年、今年もそうだが、猛烈に流行っているのが、
「マイコプラズマ肺炎」だ。
その症状は、高熱が出た後、
痰の出ない乾いた咳がしつこく続くというもので、
激しい咳のために背中や胸に痛みを覚えたりなどの症状があるという。

今年の冬は異様に流行しているらしく、
東日本に限らず全国的に流行っている。
※マイコプラズマ肺炎、和歌山県内も患者急増
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111210-00000302-yomidr-soci
※マイコプラズマ肺炎猛威 患者8割が14歳以下
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111204-00000551-san-soci

私は今年はじめ(311の前の時期)、
原因不明の長咳がずっと続いていた。
病院に何度もいって薬をもらっても治らない。
そんな時、テレビで長く咳が続くのは、
マイコプラズマ肺炎の可能性があるので注意するように、
という放送を見て、私はマイコプラズマなのではないか!と、
病院にちゃんと見てもらうよう言ったのだが、
そうではなかった。
しかし原因不明の長咳は1カ月以上は続いた。
これは原発事故前の話である。

2011年02月07日「マイコプラズマ肺炎?!」
http://kasakoblog.exblog.jp/14158003/

私は2年前にも10月から12月にかけて、
約2ヵ月間、原因不明の長引く乾いた咳に悩まされたことがある。
この時も何度も病院に行って診察を受けて、
薬をもらってもぜんぜん治らない。
ところがいつのまにか咳をしなくなったのだが、
その後に「大人にも百日咳が大流行」というニュースを見て、
私は「百日咳」だったのではないかと思ったことがあった。
これももちろん原発事故前の話である。

※百日咳が大人にも流行中。症状、予防法、治療法は?
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080512/1010755/?rt=nocnt

※大人の百日咳が流行しています
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/06/20k6n300.htm

しかし私は今年は今のところなんともない。
福島に何度も行っているのに。

私は原発・放射能の恐ろしさを楽観視すべきではないと思うし、
危険がよくわからないからこそ気をつけるべきだとは思う。
ただ、なんでもかんでも短絡的に放射能のせいにすることは、
他のリスクを見落とすことになりかねない。

原発事故がなくても大人に異常に百日咳が流行したり、
マイコプラズマ肺炎が流行することはあるわけで、
原発事故がなくても新型インフルエンザ騒動で、
パニックになったこともあったのは記憶に新しい。
SARSだってそうだ。

放射能とはまったく関係ないが、
恐ろしい疫病というのはいくらでもあるわけで、
それをすべて原発事故が起きたから放射能のせいにし、
そういう先入観を植えつけるような言動をすることは、
かえって真のリスクや対処法を見誤ることになりかねない。
放射能のせいで咳が長引いているなら、
じゃあ沖縄に引っ越せば治るのかといったら、
インフルエンザだったり百日咳だったりしたら、
ぜんぜん関係ないわけだ。

そういえば私が年末休みにタイに行った時のこと。
タイに到着してすぐ異常な腹痛に襲われ、
バンコクの日本語も通じる病院に行ったが治らず、
緊急帰国したことがあった。
医者や家族からは「屋台とかで変なものを食ったのだろう」といわれた。
でもまだ旅行1日しかたっておらず、
食べ物には気を使っていたつもりで、身に覚えがなかった。

そしてよくよく考えてみると、
1つ思い当たることがあった。
旅行に行く直前、会社の忘年会で、生ガキを食べたのだ。
しかも先輩がいらないといったので、先輩の分も平らげていた。

「きっとカキだ!」
多分、日本で食べたカキが異常な腹痛の原因だと思われるが、
タイに行った=不衛生な後進国イメージ==これが原因という、
先入観や思い込みがあまりに強く、
真の原因となる「カキを食べた」ということを、
思考から消してしまったのだろう。
まるで今すべてを放射能のせいにしている人たちのように。

そもそも原発放射能のリスクを騒ぐわりに、
タバコの健康害悪には無頓着だ。
自分が吸って死ぬのは構わないが、
副流煙で吸っていない人に健康被害を及ぼすことは、
言ってみれば「歩く原発」といっても過言ではない。

そういう他のリスクはスルーするのに、
なんでもかんでも放射能のせいだというのは、
すべてを放射能の責任にして、
他の悪の原因を隠すことにもなりかねない。

原発放射能は最大限気をつけなければならない。
しかし健康被害を及ぼすものは何もそれだけではないし、
いくら健康に気を使っていても、
強力な疫病が流行するとそれにやられてしまう可能性もある。

この時期、寒くて乾燥しているので、
放射能がなくても病気になりやすい。
十分な休養や睡眠、栄養のある食事、
手洗いうがい、飲みすぎ注意など、
基本的な生活習慣に気をつけて、
変な咳をしているのなら、
他人にうつさないよう、無理して会社や学校に行かず、
ちゃんと病院に行って診察を受け、治してから会社に行くというのが、
自らが疫病を流行らす「歩く原発」にならないことにつがなると思う。

なんでもかんでも放射能のせいにして、
他の不都合な真実に目をつぶってはいけない。

※もちろん「原発事故は収束した」などという、
とんでもない詐欺政治家連中や官僚、
原発事故のせいで多くの人が家に戻れないのに、
平然とボーナスをもらっている東電とかがいう、
何が何でも放射能を健康被害に結び付けようとしない、
イカサマ発表を信じろということではないが。

by kasakoblog | 2011-12-16 22:36 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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