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本を出したいなら今の仕事を極めればいい

金曜日、テレビの収録があった。
テレビ東京の深夜番組「くだまき八兵衛」の収録のためだ。
「気になる職業のリアル年収を暴きだせ」という企画で、
いろんな職業の人が登場。
私は「元消費者金融社員」ということで、
当時いくらもらっていたかを、
エピソードを交えながら話すというものだ。

今までテレビの出演は何度かあるが、
「元消費者金融社員」として出てほしいというオファーは多い。
私が勤めていたのは1997年から2年4ヵ月しかないが、
「元アイフル社員の激白」ほか、
サラ金関連の本を4冊出版していて、
当時、不動産担保の融資額で、
トップセールスだった実績があることから、
著書やホームページ、ブログを検索して、
直接私のところにメールで打診がくる。

よく本を出したいという相談を受ける。
本を出す=作家=書くのが専業、
だから文章の勉強をしなくてはならない、
とか思いがちだが、肝心のおもしろいネタがなければ、
本は出せない。

でも多くの人はこう思う。
「おもしろいネタなんてない」
そんなことはない。
今、自分が普通にしている仕事がネタの宝庫だ。
その職業にある裏話的なことや業界事情については、
多くの人が興味関心を持つ話だ。
そこに出版やテレビ出演のチャンスがある。

日本って本音と建前がありすぎるというか、
客や社員をないがしろにして、
法律グレーゾーンすれすれで、
儲けるために一般人からみるとえっと驚くようなことを、
いろんな業界や企業が行っている。
だからそういう話って、
業界の常識は世間の非常識みたいな。

ところがその業界にどっぷり使って働いていると、
当たり前すぎてそのことがおもしろいネタだと気づかない。
そこに気づいてそのネタを披露すれば、
本を出版できる確率はぐんと上がるだろう。

そのためには忘れないよう、
●●社員が語る業界裏事情みたいなブログを立ち上げ、
裏話的なことをまめに更新するとよい。
ただし仕事をしている以上、
守秘義務をはじめ様々な制約事項があるから、
書く際には登場人物の個人や企業が特定されないよう、
注意して書かねばならないが。

例えば今回のテレビ収録で、
気になる職業の方々が何人か集まっていたが、
その中に家政婦がいた。

いや~家政婦!
みなさんご存知かと思うが、
今テレビドラマでものすごい視聴率の「家政婦のミタ」が、
放映されているから、急に注目職業となったわけだ。
確かに今なら、家政婦ってどのぐらいお金をもらっているのかとか、
変な客がいないかだとか、
どんな仕事をしているのかとか、
非常に興味を集める職業だろう。

でも家政婦ドラマがなければ、
家政婦なんて職業で本を出せるとは思えないだろうし、
家政婦の仕事の話なんてしたっておもしろくない、
と当事者は思い込みがちだ。
しかしどんな職業でもそうだが、
急に脚光を浴びるってことがある。
例えば映画「おくりびと」効果で、
納棺師という職業が脚光を浴びたりするわけだ。

だから本を出しないなら、
今、注目されていない地味な職業でも、
地道にブログなどで裏話的なことや、
業界事情を書いておけばいい。
そして何よりも今の職業を極めるぐらいがんばる。
するといつか必ずメディアからの引き合いがくる。
そして本を出せたりすることができるだろう。

もちろん本を出したところで、
それだけで生活ができるわけではないし、
メディアに出て暴露話がいき過ぎると、
その職業をやめざるを得ない事態が起きる場合もあるから、
別にそれがいいというわけではないが、
でもその職業のプロとして、メディアに注目されることで、
自身のキャリアのプラスアップにうまくつなげることもできるだろう。
大ベストセラーとなった「生協の白石さん」なんかは、
その典型といえるかもしれない。

本を出したいなら会社を辞めて“作家”なんかめざすより、
今の職業を極めて、その話をネットで地道に発表するのがよい。
さらに女性で美人なら「美人すぎる●●」なんてことで、
メディアが喜んで飛びつくだろう。

今は誰もが本を出すチャンスにあふれている。
本を出したいなら、
1:今の仕事を極め、
2:それを継続的にネットで発表する
という2点をやればいいと思います。

ただ日本人はいわゆる業界の“暴露”に対して、
まるで裏切りをしたかのような、
批判的な目を向ける傾向が強いが、
その業界や職業や会社に身をおき、内情を知る誰かが、
その問題点やおかしな点を世間に知らしめないと、
いつまでたっても業界の悪弊はなくならない。
健全な業界にするためにも、
世間のその職業に対する正しい理解を広めるためにも、
また正しい利用方法などを啓蒙するためにも、
第三者が取材してその業界事情を書く方式より、
自ら働いている人の方が説得力があり、
結果、業界や社会のためにもなると思う。
そういう使命感みたいなスタンスを忘れないと、
単なるおもしろおかしな裏話も、社会的意義につがなる。

※私が登場するのは、
1月26日(木)24:12~24:53の予定です。
テレビ東京「くだまき八兵衛」。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kudamaki/

・私のサラ金実録本
「サラ金トップセールスマン物語」

「金融屋」

by kasakoblog | 2011-12-17 23:28 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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