23歳の時の方が36歳の今より給与が良かった件
2012年 01月 13日
社会人15年目:36歳:給与所得:約440万円
えっ!ペーペーだった社会人2年目の時の方が、
今より給与所得が多かった?!
私は自分のこととはいえ、かなりのショックを受けた。
テレビ東京「くだまき八兵衛X」に出演するため、
昨年末、収録の打ち合わせをしていた時のこと。
「気になる職業の年収大暴露」という企画のため、
サラ金時代の年収を教えてほしいといわれ、
昔の資料を引っ張り出してきた。
社会人2年目の源泉徴収票には「467万円」という記載が。
その時はなんとも思わなかったのだが、
年明けに、今、勤めている編プロから、
源泉徴収票をもらってその数字を見て驚いた。
「444万円」
えっ?!今って社会人2年目の時より、
給料もらってないの???
そんなバカな・・・。
私は何かの間違いかと思った。
なぜなら23歳の時の月給は21万円。
今の月給は36万円で、
今の方が間違いなく“昇給”している、
という実感があったからだ。
しかしなぜペーペー2年目の方が、年収では上回るのか。
ボーナスだった。
サラ金時代はボーナスは年2回もらっていた。
1回約3ヵ月分。年間で120万円!
でも今はボーナスはない。
サラ金時代は残業代がつく。
私はそんなに残業する方ではなかったが、
月4万円程度×12ヵ月で年間約50万円。
さらに住宅手当は2万2000円毎月出ていた。
これらをあわせると、
社会人を15年も経験した今より、
右も左もわからなかった社会人2年目の方が、
年収ベースでは上回っているという、
驚愕の結果が出たのだった。
じゃあ私はそれで後悔しているのか。
はっきりいってまったく後悔していない。
むしろ今の方が幸せだと思っている。
サラ金で働いていたのはそれでそれでとてもおもしろかった。
社会勉強になることもいっぱいあったし、
金がからむと人間は変わるおぞましいリアルも見てきた。
だからこそ今の鋭い観察眼や、
現実を冷静に見極められる判断力、
不確定な未来を計算しない現実主義など、
深くて鋭い物の考え方を学べたと思っている。
サラ金時代は営業成績はずっとよかったし、
そのおかげでろくに残業もせず、
昼間は先輩社員とカラオケに何時間もいったり、
家に帰ってホームズビデオを見てたりとか、
信じられないぐらいさぼってた。
だからとっても楽しかった。
でもやめて今の職についてよかったと思う。
給与所得が下がったってなんてことはない。
サラ金時代は楽しかったが、
今の編集・ライター・カメラマンの方がもっと楽しいし、
社会に役立てるという貢献感も違うし、
今やっていることは自分の力になるという実利面も大きい。
未だに年収1000万円がどうとか、
年収3000万円がどうとか、
売上何億めざるとかアホみたいな目標掲げている人がいると、
「それで一体何をしたいんですか???」って思ってしまう。
生きていく上では最低限のお金は必要だし、
お金はないよりあったに越したことはない。
でもお金なんて求めればキリがないし、
お金を得るために犠牲にする代償が大きければ、
いくら年収が多かったとしても、
一度しかない貴重な人生、時間をムダに過ごしているともいえる。
やっぱね、自分のやりたいこと、
楽しいことを仕事にした方が絶対いい。
企業名とか年収とかで仕事選ぶと、
短期的にはよくても長期的には絶対に失敗すると思う。
私が年収を考えて、サラ金勤めを続けていたとしよう。
したらどうなっていたか。
昨年、私が勤めていたサラ金は社員半分以上の大リストラである。
サラ金でなくたってJALだろうが東電だろうがオリンパスだろうが、
いくら大企業で今までいい企業と言われていたところが、
急に不祥事が発覚し、収入が激減する可能性も多いにある。
大企業に勤めてリストラされたら、
こんな悲惨な人生はない。
だってつぶしがきかない。
社内で仕事ができても社外で仕事ができるとは限らない。
だって大企業のブランド名で仕事してたんだから。
確かに私は給与所得は13年前より下回った。
でも編集・ライター・カメラマン業という、
独立しても稼げる技能を身につけたおかげで、
写真集出版や記事執筆などで、
給与所得以外に副収入がある。
もし会社がこの先あぶなくなっても、
自分で稼げる術はある。
それにこの仕事が楽しい。
だから年収なんてたいした問題じゃない。
しかも世の中、デフレ時代。
モノの値段は下がっている。
ならば給料が上がらなくても、
生活は厳しくはならない。
だって牛丼が280円で食べれるとかほんと信じられない。
こんなに安くなっているんだから、
給料が下がってもいわば「チャラ」にできるはずだ。
もう年収がいくらとかで仕事を選ぶ時代は終わった。
金を稼ぐことは重要なことだし、いいことだと思うが、
それを最上級の目的にしたら、
高給取りになれたとしても人生としてはつまらない可能性も高い。
2012年は激動の時代になる。
絶対安定とか安心なんてあり得ない時代だからこそ、
寄らば大樹の木を探すのではなく、
自分のやりたいこと、自分の力になることを、
職業として選んだ方が絶対にいいと思う。
金にめがくらんで人生の楽しさを犠牲にするなんて、
こんなもったいない生き方はない。
年収というみせかけの「幸せ」に惑わされず、
やりたいことをしていきたい。
※テレビ東京「くだまき八兵衛X」出演予定
1月26日(木)24:12~24:53