親として子どもにできることだと思い込んでいた。
でも311の震災があって価値観が変わった。
家族みんなが元気でやっていればそれでいい。
“理想の型”にこだわる必要なんてない。
なぜそんなものに、しがみついていたのだろうと、
今にして思えば不思議です」
先日、社会人2年目と大学3年生の娘を持つ梅津さんにお会いした。
私を知ったのは、夏頃に大量リツイートされた震災の支援のあり方を問う記事。
自立支援を行っている梅津さんにとって、
「私と同じ考えの人がいる」と共鳴していただき、
その後、いろんな記事を見ていただけるようになり、
かさこマガジン2も希望してくれて、
年明けに会うことになった。
「日本は変わった。世界は変わった。
あなたは変わった?」で始まるかさこマガジンだが、
この梅津さんは震災で大きく変わった1人だ。
お会いした際、現在就職活動中の、
大学3年生の娘さんも来ていた。
お母さんの変わりぶりについて娘さんいわく、
「3年前、お姉ちゃんが就職活動の時には、
お姉ちゃんにべったり張りつく感じで、
とにかくいい会社に入らなければダメだって感じだった。
プレッシャーがきつくて、
お姉ちゃんとお母さんは口げんかすることも多かった。
でも今はすっかり穏やかになった。
就職活動中の私には、いい会社に入れなんて言わず、
『自分に合ったところに入ればいい』ってぐらいしか、
言わなくなったんです。
お母さんはすごく変わりました。
今はニコニコしていることも多いし」
梅津さんをそんなに変えたもの。
それはやはり震災。
あのすさまじい甚大なる被害の様子を見て、
今までしがみついてきた“理想の型”が、
いかにはかなく、そしてたいしたものではない、
ということを感じたのかもしれない。
「いい学校出て、いい会社入って、いい人見つけて、
それが幸せって思い込んでいたけど、
震災で何が幸せなんだろうって考え直した。
今はもう、家族がみんな元気でいればそれでいいって、
思えるようになった」という。
梅津さんは子どもに対する態度だけでなく、
自分の行動も大きく変わった。
「マイナスなこと、考えても仕方がない。
やりたいことをすればいい。
最近では迷わずやりたいことがあったら、
一歩踏み込めるようになった。
別に失敗したっていいんだしって。
だからかさこさんに写真の展示をお願いするのも、
ドキドキだったんだけど、
ダメでもともとメール送っちゃえって送っちゃいました(笑)。
でもね、今の私は何でも自分の思うことは叶うような気がするんです。
311があったおかげで私は変われました。
今が青春です(笑)」
梅津さんは7月から被災地自立支援のために、
被災地の物販販売を継続して行っている。
「私の活動でいくばくかでも、
被災地にお金を回せることがうれしいし、
販売はやったことないので大変だけどとにかく楽しい。
いろんな人との出会いもあるし、
フェイスブックやツイッターもやるようになったし。
世界が広がった」
梅津さんのように震災をきっかけに、
いい意味で「変わった」人が増えていけば、
きっと日本はよくなると思う。
「あれだけのことが起きたのに、
なぜ変わらないの?変わるでしょう」
と梅津さん。
私の意見を代弁してくれるかのようだった。
梅津さんの自立支援の取り組みについては、
今日取材してきましたので、後で詳しく紹介します。
また、物販している場所で私の被災地写真展示をしてほしい、
と梅津さんから依頼をいただき、
私も喜んで展示を引き受けます。
被災地フォトエッセイ・ミニ写真展、
のような感じになると思いますので、
それについても後で紹介したいと思います。
・被災地レポート&写真
http://www.kasako.com/110311top.html