子供が住めない福島に未来はない
2012年 02月 08日
前年の約30万人から約28万人に減少。
2011年5月時点でも、福島の小学生は8%減少したという。
今後も子供の県外流出は止まらないだろう。
子供が住めない町に未来はない。
と、かさこマガジン2で書いた。
なぜ子供が住めない町に未来はないのか。
子供がいなくなると大人もいなくなるからだ。
実例を示そう。
人口減少で廃校の危機にさらされた、
徳島県の僻地の漁村、伊座利では、
学校がなくなったら、
村は急速に衰退してしまうとの想いから、
さまざまな取り組みによって、県外から子供を増やし、
小中学校の廃校をまぬがれた。
人口は大きく増えてはいないが、減ってはおらず、
子供や若い世代が増え、持続可能な人口を維持している。
なぜ廃校になると衰退してしまうのか。
小中学校の子供を持つ若い夫婦は、
住んでいるところに学校がないと、
子供を学校に通わせるために、
毎日送り迎えするには限界があり、
いずれ学校がある町に、
引越しせざるを得なくなる可能性が高まる。
子供がいなくなるだけでなく、
若い世代が村を去ってしまうと、
その村の産業の跡継ぎがいなくなってしまうからだ。
物を買う商店などの売上も急減する。
もうこうなるとあっという間に下り坂だ。
見る見るうちに人口は減り、
店はなくなり、産業が途絶え、税収も減り、
廃れてしまうのだ。
私は猫撮影のためよく辺ぴな離島に行く。
昨年に、長崎県・五島列島の黄島や、
宮城県石巻市の田代島を旅行した時のこと。
どちたの島もかつて人口は300人ぐらいはいて、
栄えたらしく、島の中腹には学校があった。
でも今は通う生徒はいない。
それを見て思った。
ああ、廃校になったから、
こんなに廃れてしまったのかなと。
廃校危機を逃れるために何とか手を打たないと、
一度、廃校になったら最後。
子供も若い世代もいなくなってしまう。
今、福島で起きていることはまさにこれだ。
放射能の危険から子供が次々いなくなる。
子供だけがいなくなるわけではなく、その親もいなくなる。
すると税収も減り、自治体サービスも維持できなくなり、
人口も減って商売も儲からなくなり、どんどん人が出ていく。
沈没する船からいち早く逃げ出すように。
そこで県は思う。
子供をなんとしてでも、この地に縛り付けておかなくてはならない。
1マイクロシーベルト/時という高い放射線量だろうが、
そんなことはしったこっちゃない。
このままどんどん子供が流出していったら、
福島県は潰れてしまう。
そこで18歳以下の子供の医療費無料にして、
子供を県外流出させないようにとやっきになっている。
被ばくさせようがしったこっちゃない。
医療費無料なんだから被ばくしようが構わないだろう、
といわんばかりに。
とんでもない政策だ。
子供が住めない町に未来はないからといって、
姑息な手段を使って子供をとどめたところで、
子供に健康被害が出てしまったら本末転倒だろう。
子供が住めない汚れた土地になってしまった場所には、
もう住めないと早く国や県が結論を出してあげることが大事。
効果もなく、また汚染をどこかに移すだけの、
除染なんていかさましている場合ではない。
子供が住めない福島が復興するには、
1:放射線量の高い地域は閉鎖
2:莫大な除染費用を避難費用にあてる
3:除染は一切しない
4:高齢者がどうしても住みたいというのなら勝手に住んでもらう
5:ただし住んでいる高齢者には東電が生活を補償する
6:福島をがれき処理場にする
といったことが必要ではないか。
子供が住めない町に未来はないと知り、
多くの子供たちが移住しているにもかかわらず、
除染だの医療費無料といった、
小手先のトリックに惑わされてはならない。
逆に廃校になってしまった町が、
福島の子供や家族を受け入れ、再び学校が復活すれば、
過疎化している町を再活性化することにも役立つ。
いい加減、現実に起きていることを冷静に見つめて、
思い切った判断をしないと、
気づいた時には手遅れになってしまった、
なんてことになりかねないと思う。
・避難ではなく県外移住を決めた福島いわき市民の決意
http://kasakoblog.exblog.jp/17084590/
・小さな漁村の奇跡の復活劇~徳島県・伊座利地区
http://kasakoblog.exblog.jp/9913849/