仕事は自分のためにする
2012年 02月 22日
「朝寝坊できていいですね!」「ゆっくり朝、眠れますね!」
なんてそんな声をかけてくれた人が多いんだけど、
普通に8時に起きて9時から16時ぐらいまでずっと仕事してました。
会社の仕事と個人の仕事を。
会社の仕事は誰にも引き継げなかったもの。
ライター兼カメラマンを頼まれた取材案件だったので、
それを1人でこなせる人は誰もいない。
会社辞めた後もしばらくやりとりが必要になり、
でもその部分だけ引き継ぐわけにもいかない。
「えっ、辞めても会社の仕事してるの?」って不思議がられたけど、
結局、私のようなクリエイター職というか技術職の場合、
会社のために仕事しているわけじゃなく、
自分のために仕事している。
たとえ辞めた後、そのギャラが会社にいったとしても。
仕事をもらっている取引先が、
私のことを信頼して仕事をふってくれている。
それを会社辞めたから後はどうなっても知らん、
誰かに任せた!ってことはいえない。
それに会社を辞めたとしても、
その取引先とは今後も個人でつきあいがあるかもしれないし。
会社の社長と衝突した時、私はこう言った。
社長のために仕事してるんじゃない。
会社のために仕事してるんじゃない。
客のために仕事してるんだ。
社長が求めているもの、社内的に求めているものと、
客から求められているものが違う時、社員はどうするか?
私は客を優先する。
なぜならお金をもらっているのは、
会社ではなくお客さんだから。
それが結局は会社のためにもなる。
お客さんは会社に仕事を頼んでいるわけだけど、
ライターやカメラマンの仕事って、
会社というよりその担当者に頼んでいる意味合いが強い。
私を信頼してくれている客を社内の論理で曲げるのはおかしい。
だから今日も引き継げなかった会社の仕事をしていた。
お客さんが自分を評価してくれて仕事をふっているのに、
それを裏切るようないい加減なことはできない。
そのまま個人で仕事を請け負っちゃえばいいという話もあるが、
それは後々のことで今はとにかく、
進行している仕事をとめるわけにはいかない。
それで個人にギャラが入らなくても別にいい。
きっちり仕事はこなしたい。
会社のためではなく、お客さんのために。
そしてひいては自分の信頼や評価のために。
どうしても会社で与えられた仕事って、
社員はいやいやになるじゃないですか。
でもきちんと仕事をするかしないかは、
最終的にはその人そのものの評価につながるわけで、
会社の仕事だからいやいやしていたら、
それは自分のためにもならないし客のためにもならない。
フリーで働くとか会社で働くとかを問わず、
仕事ってそういうものだと思うんです。
最終的には自分の評価にふりかかってくる。
ならばちゃんと最後までしっかりこなしたい。
お客さんの意向を最大限に聞いて。
それが結果、自分の仕事力になり、
今後、会社がどうなろうが、業界がどうなろうが、
景気がどうなろうが、時代を生き抜く力になる。
そういう意識で自分事として仕事に取り組まないと、
生きてはいけない時代になる。
というかそういう意識で取り組まなきゃ、
仕事、楽しくないし、やりがいないじゃないですか。
ただそこを勘違いして社長や上司のイエスマンになって、
「それっておかしいんじゃない?」
「それって客のためにならないんじゃない?」
ってことを社内評価を上げるために、
おかしいと思っても言わないと、
その会社も社員もダメになる。
社内論理がまかりとおり、
客が求めていることからかけ離れたことをするようになる。
建前とか前例とか慣習とかに縛られて、
仕事の本質を見誤るといつしか仕事はなくなっていく。
仕事にプライドを持ち、客のため、
社会のためになることをしているんだって自覚がないと、
社員のモチベーションも続かない。
だから儲かればいいとかじゃなく、
その仕事は社会のためになるのか、
客のためになるのかってことを考えなくちゃいけない。
当たり前の話だけど日本では企業の論理がまかり通りすぎて、
客がなおざりされていることがあまりに多い。
でも311で変わった。
社会のためになる仕事じゃないと、
この先、持続可能性も成長性もないんだってことに、
気づいた人が多くいたと思う。
だから私の周囲でも転職したり独立したりする人が多い。
企業の論理で仕事をしていても、
いつか見放されて、結果、自分も見放されることになる。
仕事を自分事として捉えて、
客のため、社会のためになることをしていきたい。