原発事故対応は菅首相がすべて悪いというマスコミの洗脳報道
2012年 02月 28日
「菅首相の対応が原発事故対応を混乱させた」
昨日テレビを見ていると多くのチャンネルで、
「原発事故対応は菅首相が悪い」と明らかに意図的に誘導する、
洗脳報道が繰り返し行われていた。
NHKなんか昼、夕方、夜と3回ぐらいやってたんじゃないか。
テレビ朝日もTBSしかりだが。
「福島原発事故独立検証委員会」なるところが、
事故を検証した報告書を発表したからだ。
この報告書をもとに、「菅首相がすべて悪い」といった、
作為的な誘導報道が繰り返されている。
なかには怒鳴り声で菅首相の物まねナレーションを入れ、
いかに菅首相が独善的に事故対応をしたかと、
印象づける情報操作が見事に行われていた。
情報リテラシーの低い人が、この繰り返し報道を見れば、
まるで原発事故がすべて菅首相1人のせいと思い込むだろう。
前首相をスケープゴード(生け贄)にするのはなぜか。
すべて丸く収まるからだ。
前首相だから現政権とは関係ない。
官僚の怠慢も問われない。
東電の怠慢も問われない。
そしてマスコミの怠慢も。
確かに菅首相は震災翌日に自らヘリで、
原発視察に赴くというとんでもない失態をした。
この1点においては確かにひどかったと思う。
しかしテレビで報道している菅首相の対応批判はまるで筋違い。
事故対応で悪かったのは首相ではない。
東電であり官僚だ。
そのことを絶対に忘れてはならない。
この報告書でも明らかになったように、
原発素人の菅首相が、
原発の専門家で原発事故の任にあたるべき、
班目春樹原子力安全委員長に、
原発の水素爆発の心配をしているのに、
班目氏は「水素爆発はない」と答えたすぐその後に、
福島原発1号機の水素爆発が起きた。
班目氏は「あー」とだけ言って頭を抱えたという。
これを見れば誰が悪いのか明らかだ。
ところがメディアが強調するのは、
菅首相が斑目氏にヘリ内で「俺の質問にだけ答えろ」と命じた、
“強権”ぶりばかりが強調される。
当たり前の話だが政治家は原発の専門家ではない。
これだけの原発事故にまともに対応できる政治家など、
誰が首相だろうが誰もいないだろう。
そのためにこそ官僚がいたり専門家がいるわけだ。
その専門家がまったくの甘い見通しで、
水素爆発が起きないとかいい、
爆発が起きても頭抱えているだけという、
とんでもない職務怠慢、国民反逆行為をしているわけだ。
その行為を「菅首相は誰にも逆らえなかったから言えなかった」
とかいう報道に誘導するのはまったくもっておかしい。
専門家が強い信念と責任感を持って事故対応しなくて、何が菅首相が悪いだ。
おまえのせいだろうと。
頼りにすべき原発の専門家がまるであてにならない。
だからこそ余計に政治家は迷走せざるを得なかった。
ろくに知識もないのに専門家が役に立たない。
ただ役に立たないということだけ早期に見抜いたことだけでも、
菅首相はマシな方だと思う。
そしてSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)。
原発事故が起きて大量の放射性物質が放出された時、
国民を安全に避難させるべきこのシステムが、
まったく公表されなかった。
これを今回の報道では、
「政権内でSPEEDIの存在を知っている人はいなかった」と、
政治家がすべて悪いという印象報道を繰り返した。
では何のために官僚はいるのか?
政治家をサポートするためだろう。
専門的知識を持って。
政治家は選挙でコロコロ変わるわけで、
原子力の専門家ばかりが政治家になるわけではない。
ならば事故が起きた時に、
政治家に対して正しい情報や方策を伝えるのが、
税金で養われている官僚の責務だろう。
それを民主党政権がSPEEDIの存在を知らないことをいいことに、
官僚の誰もその存在を告げなかった。
結果、原発事故後、多くの国民を被ばくさせた。
これははっきりいって官僚の殺人未遂罪である。
牢にぶち込まれて重罪に処せられるべき、
公務員としての責任放棄の怠慢行為だ。
これを「いや菅首相がこわそうだったから」言わなかったと、
マスコミを使ってとんでもない方向に持っていこうとしている。
しかも米軍にはこっそり教えていたにもかかわらず。
原発事故でわかったこと。
それは政党や政治家をどれだけ変えても、
自分たちの省益や責任逃れや立場しか考えてない、
現状の官僚がはびこっている限り、
国民や企業や政治家がどれだけ国のためにがんばったとしても、
全部、官僚のところで趣旨をすげかえられて、
結果、国民を犠牲にし、国家のためにならないことが、
平然と行われてしまうということだ。
いかに官僚がこの国の諸悪の根源であることが、
原発事故で明らかになったにもかかわらず、
いまだにマスコミは官僚に操られているのか、
政治家1人の責任に押し付け、
本来の癌から目をそらすことばかりにやっきになっている。
はっきりいって官僚のやっていることは犯罪行為。
SPEEDIを公表しないとか、
事故対応の専門家が専門家としての役割を果たさないとか、
どう考えてもあり得ない。
官僚1人1人はいくら優秀で懸命にやっていて、
中には志が高い人がいても、
システムが国民のため・国家のためではなく、
省益のためになる行動しかしないせいで、
おかしなことになっているかは、
例えば、辞職を迫られた改革派官僚、
古賀茂明著の「官僚の責任」(PHP新書)とかを見ればよくわかる。
いい加減、時の首相や政権や政治家にすべての責任を負わせ、
すべての害悪のもとになっている官僚システムにメスをいれないと、
本当にこの国は沈没してしまう。
今のところ唯一の期待は橋下新党が政権をとることしかない。
官僚の害悪には民主党やみんなの党も気づいていたが、
官僚のあまりの力のすさまじさに、
結局、権力闘争に負けてしまった。
だからこそ鳩山首相が葬られ、菅首相も厄介払いされ、
官僚のいいなりと化した自民党と変わらぬ、
野田政権が誕生したのだろう。
橋下氏の政策や資質にはあやうい面もかなりあるが、
それでも官僚の害悪を取り除くには、
あのぐらい強権的・強烈な個性を持った人でないと無理だと思う。
もちろん官僚ににらまれると、
法律やマスコミを使って叩き潰されるから、
橋下氏が政権をとり、反官僚政策をとれば、
何をされるかわからないが。
それにしてもマスコミの低脳ぶりはあまりにひどい。
ここまで露骨に誘導報道するなんて、
北朝鮮と対して変わりないじゃないか。
もちろん菅首相が素晴らしい対応をしたとは思わない。
しかし東電の撤退を食い止めたことと、
浜岡原発を停止しただけでも高い評価をされてしかるべきだ。
そもそもあの事態において誰が首相だろうが、
専門知識を持たない政治家がまともな対応などできるはずがない。
だからこそ国民の税金でその道のプロ=官僚の存在意義があるのに、
菅首相がすべて悪いと誘導し、
事故原因や事故対応の本質を隠す、
意図的・作為的な隠ぺいマスコミ報道には十分気を付けてほしい。
そしてもちろん忘れてはならないのは、
官僚やマスコミを抱きかかえて、
自由化を阻んで利益を独占的にむさぼり、安全を軽視し、
その責任を政治家や国民におっかぶせ、
値上げは権利だとかほざいている、
東京電力こそが一義的にはすべて悪い。
ドイツZDF フクシマのうそ
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