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がれき広域処理の強力推進のナゾ~安全と安心は違う。処分なき詐欺師を信用できるか

潮目が変わった。
最近になって急激に、震災がれき広域処理を求める空気が作られている。
完全に財務省の傀儡と化している野田首相の推進だけでなく、
環境省ががれき処理を求める広告出稿をはじめ、
メディアもがれき処理の危険性より、
がれきを受け入れる自治体を誉め、
がれきを受け入れないことは、
被災者や被災地に迷惑をかけている、
といったような雰囲気が蔓延しているように思う。

今までネットではがれき受け入れ反対論の方が優勢だったが、
最近は被災地のためにがれきを受け入れようという、
賛成論者の主張が急に増えた気がする。

がれきの受け入れ是非がなぜ問題になっているかというと、
がれき自体が放射性物質やアスベストなど有害物質を含んでいる可能性、
焼却する際に放射性物質が濃縮される危険性、
焼却灰の管理の問題、処理場周辺の河川などへの汚染の可能性、
などがあるからだ。

しかし最近では国が強力に、
震災がれきは基準値を下回るものだから安全だ、
という大々的なキャンペーンを展開し、
がれきを受け入れないことは、
被災者や被災地を見殺しにすることだ、
といわんばかりに脅し、
被災者への同情を誘うことで、
全国への被災地受け入れをなんとか進めようとしている。

がれきが安全なのかどうなのか、
まずはこの動画をぜひみなさんに見ていただきたい。

ドイツZDF フクシマのうそ
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news

もうすっかり311から1年が過ぎて、
多くの国民はお忘れなのかもしれないが、
政治家・官僚・東電・学者・メディアの強力な原子力ムラは、
今まで原発は安全だと言い続け、
万が一事故が起きても多重防御システムがあるから安全だと言っていた。

しかし実際はどうだったか。
まるででたらめだった。
原発が科学的技術的に安全であるか否かは別次元の問題として、
政治家・官僚・東電・学者・メディアの隠ぺい体質、
嘘八百のデータ、ずさんな管理などにより、
想定外といいながら、
起こるべくして起きてしまった、
完全なる人災であることが明確になった。

しかも事故が起きても放射能拡散予測データを、
国民に公表しないとか、
放射線量を発表するようになっても、
地上18mで測るとか、
今はモニタリングポストのところだけ、
きれいな土の上で測るとか、
とんでもないイカサマが行われ続けた。

しかし原子力ムラの人間は誰も処分されていない。
はっきりいって国民殺人罪の犯罪者だ。
でも誰も責任も処罰もないまま、
事故のツケは電気料金の値上げという形で、
消費者に押し付けられようとしている。

そんな状態でがれきの安全性について、
政府・官僚の言うことを信じられるのだろうか?
いや、本当は安全なのかもしれない。
しかし原発事故の責任や原因や処分も明確にされないまま、
さんざん国民を騙してきたままの人たちが、
そのまま権力の座に居座り続け、
原発反対に力を入れようとした菅直人首相を、
無理やり引きずりおろし、
財務省のいいなりになって消費税増税しか考えていない、
野田政権になった今の政府の言う「安全」を誰が信じられるのか。

政府が安全だから受け入れるべきだという人は、
よほどのお人よしかバカである。
詐欺師に1年前に騙されたのに、
また同じ詐欺師が「今度は大丈夫だから」と言って、
それを信用できるのかどうか。

安全と安心は違う。
いくら安全でも安心でなければ国民を納得させることはできない。
例えば中国産の食品が仮にいくら安全だったとしても、
「中国産」と聞いただけで危険だと思う人はいるだろう。
なぜそう思うのかといったら、
情報の隠ぺい体質や過去のずさんな管理があったからだ。
それを猛省して、管理体制を万全にしました、
というなら信用できるが、
そういう対策をせずに、もう大丈夫ですから、
といったところで信じる方が頭おかしい。

国民に安全だから震災がれきを受け入れてくれというなら、
これまで嘘八百で放射能物質を全国に拡散させた、
原子力ムラの人間をすべてリストアップして、
原発廃炉作業終身労働刑に処すべきだ。
それをしてから震災ガレキは安全ですから、
受け入れてくださいというなら、
国民は誰も反対しない。

ただ、震災がれきが安全かどうかはともかく、
広域処理にこだわるのは依然として謎が多い。
震災がれきは被災者をだしにして、
がれき利権でぼろ儲けするための道具に過ぎないという感じもする。
例えば田中康夫氏は、
「東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、
東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです」
と指摘している。
どうもそういうところからして、
広域処理には別の動機があるのではないかと、
勘ぐる方が普通だと思う。

それと、震災がれきを全国で受け入れさせるために、
「がれきが処理できないせいで復興が進まない」というが、
それははっきりいって100%でたらめだ。
がれきを早期に処理しても復興は早期になんか絶対にできない。
それは被災地に行けば簡単にわかる。
壊滅的な被害を受けているからだ。

今回の被害は阪神大震災とはまったく違う。
古い建物のせいで地震で家屋倒壊してしまったので、
耐震構造にして立て直せば、
町が復興できるとかそういうレベルの問題じゃない。

これまで明治三陸津波、昭和三陸津波など、
何度となく津波が押し寄せている場所にもかかわらず、
かつての先人の言い伝えを忘れ、利便性を追求するあまり、
海沿いの平地に住宅街を建ててしまったことが、
根本的な誤りであり、
今回の震災でさらに地盤沈下しており、
また地震が来てまた津波が来たらまた町はやられてしまうのだから、
今まであった町に町を作り直せばいい、
という話では済まされない。

そんな状況にあるなか、
高台移転については地元住民で賛否が分かれており、
また高台用地を確保しにくい場所もあり、
この先、どのように町を復興したらよいのか、
未だ明確なビジョンがほとんどない状態だ。

さらに被災地のほとんどは過疎化、高齢化していた地域。
震災がなくても衰退している地域を復興しても、
震災で多くの人が亡くなり、
かつ転出してしまう人も多い中で、
町をもう一度作っても町が復興できるのかは、
根本的な問題としてかなり難しいという他ない。

そんな極めて深刻な状況にもかかわらず、
津波被害地に集めたがれきが片づかないから復興できないとか、
はっきりいってそんなレベルではない。
つまり「復興を早めるためにがれきを全国で受け入れましょう」
といったところで、復興には10年20年はかかるだろうし、
今回の震災で復興をあきらめなくてはならない地域も出てくるだろう。

今の政府広報はがれきのせいで復興ができない、
みたいな言い方だが、問題はそんなには簡単ではない。
そんなこと、被災地に一度行けばすぐわかること。
被災地を見たことがない国民が多いのをいいことに、
がれきの山の写真や映像を見せて、
かわいそうだからみなさん、受け入れてくださいって、
感情で煽る広告手法を見ても、
復興の早期化とは別の動機で、
広域処理を進めたい理由があるのではないかと、
不審に思うのは当然のことだ。

そしてどうしてもがれきを早く取り除きたいというなら、
福島に全部がれきを集めればいい。
岩手や宮城にある何万トンというがれきを、
関東だの西日本だのに持ってくるって、
どれだけアホみたいなコストや時間がかかるのか。
それだったら福島にがれきを運べば、
あっという間に被災地からがれきは片づく。

昨日も福島で震度4の地震があり、
いつまた原発事故が起こるかもわからない福島。
未だに高い放射線量なのに避難させずに住まわせている、
福島の一部地域をがれき処分場にすればいい。

福島にはがれきを受け入れてもらう。
その代わりに福島の人を全国に受け入れてもらう。
それが今、すべての国民の安全と安心を守る最善の方法ではないか。

環境省のホームページを見ても、
がれき広域処理についてあやしいなと思うのは、
反対派の意見について、
すべて見事に切り返して安全だと言い続けていることだ。

私なんかが思うに、
この部分は危険な可能性はありますが、
この部分では安全ですみたいな言い方をしてくれた方が、
本当らしく聞こえるのだが、
すべては安全ですみたいな言い方をすると、
逆に嘘くさく思える。

放射能がなくてももともと廃棄物なのだから、
何らかの危険があってもおかしくはない。
それを危険ゼロみたいな言い方をしてしまう広報の仕方に、
詐欺師がよく使う「絶対に安全です!」「絶対に儲かります!」
というフレーズを思い出してしまうのだ。

原発は安全だ、事故が起きても大丈夫だといっていたが、
まるで嘘だった。
事故が起きても国民の安全を最優先しなかった。
そうした連中が誰一人処分されないまま、
同じ詐欺師グループの人たちの言う安全を信じられるか。

復興できないのはがれきのせいなんかじゃない。
急速に作り上げられたがれき広域処理賛成ムーブメントに、
安全かどうかは別問題としてイヤな違和感を覚えている。

ぜひこの動画を見てほしい。
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news

笑止千万!「みんなの力で瓦礫処理」
http://blogos.com/article/33513/

by kasakoblog | 2012-03-26 02:22 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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