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防災講演1:首都圏も津波が危ない!

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「来たるべき大地震に備えて~被災地取材で感じた防災の教訓」と題して、
3/20に40名の前で1時間の講演を行いました。
最近もまた地震が多く、昨日は岩手で震度5、震度4、千葉で震度3、
数日前は原発のある福島で震度4の地震が起きるなど、
ここ数年はまだまだ地震が多発することが予想されます。

今後地震が起きても少しでも被害を減らすためには、
東日本大震災で起きたことを教訓にすべきです。
3/20の講演では3つのポイントについて話をしましたが、
今回は1つ目のポイント、津波について、講演の内容を掲載します。
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東日本大震災の教訓。津波は他人事ではない。ということです。
私もそうでしたが、ここにいる多くの方は、
東北だから津波がひどかっただけで、
関東に地震がきても津波は関係ないと思っている方が多いのではないでしょうか。
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実際に、東大の地震研究所は、
「東京湾は入り口が狭いうえ、水深が急に浅くなっているから、
東京湾に津波は入りにくい」といっています。
東京都の防災会議では、関東大震災並みの大地震が東京を襲った場合に、
最大1.2mの津波がくると予測。
内閣府では東京湾の津波は50cmだと予測しています。
では、1年前の地震で、東京湾に津波がきたのかどうか。
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東京の晴海では1.5m、横浜でも1.5m、
千葉の船橋では2.4mの津波が観測されたそうです。
つまり、東京湾の津波はこれまでの予測を完全に上回ってしまったのです。
想定外だったんです。
それであわてて今、関東でも津波のシミュレーションをし直しています。
神奈川が津波予測を見直したところ、
川崎、横浜では4m、鎌倉では最大14mの津波がくるとの予測に変わりました。
神奈川に住んでいなかったとしても、
仕事やプライベートで川崎や横浜にいる可能性は十分あるでしょう。

ちなみに、東京ですが、津波のシミュレーションではありませんが、
大雨により荒川の堤防が決壊した場合、
3時間で大手町が浸水し、都内の地下駅97駅が浸水するとの予測もあります。
東京湾でも想定外の大地震により大きな津波が来た場合、
川をかけあがった津波があふれでて、
東京の一部地域が浸水被害にあう可能性があります。
つまり、関東に住んでいても、津波は他人事ではないんです。
そのことを頭に入れた上で、これから被災地の写真を見ていただきたいと思います。
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私が一番はじめに取材にいった宮城県の石巻市です。
ここに地図がありますが、ここに映し出されている海岸沿いは、
ほぼすべて今回の東日本大震災の津波でやられました。
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私が撮影した石巻市内の場所です。
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石巻市の写真です。震災から1ヶ月過ぎていますが、
津波被害のすさまじさがわかると思います。
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同じく石巻市の写真。
先ほどは高台の公園から撮影していましたが、
地上に降り立ち、被災地を目の当たりにすると、
はっきりいって信じられない光景です。
水の力の恐ろしさはとてつもないものです。
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ところが。これも同じ場所での写真ですが、
見ての通り、写真の上の方の家は無事です。
下一面は壊滅的な惨状にもかかわらず。
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これが高台です。
町が津波で壊滅したすぐそばの高台の住宅街はまったくの無傷です。
このすぐそばで家を失って避難所暮らしをしている人がいるにもかかわらず。
現地に行って何より驚いたのはこの被害格差です。
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ざっくりとした地図ですが、赤い部分は津波でやられて、
緑の部分はまったく無傷だったところです。
この地図を見てわかる通り、
津波被害は海との距離の近さに比例するわけではないということです。
海のすぐそばでも高台は無事。
海から離れていても川そばだと大変な被害にあう可能性があります。
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これが石巻の駅前の様子です。
前の地図でいうと海から相当離れています。
にもかかわらず1階部分が浸水し、
水浸しになって使えなくなってしまった家具を外に出している様子です。
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これも駅の商店街です。歩道の半分は浸水被害にあった家具のゴミの山です。
これが何kmにもわたって続いていました。
海から近いところだけが危険というわけではないということが、
よくわかるのではないかと思います。
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今回の震災の中でも最大の悲劇の1つといわれる、
石巻の大川小学校です。小学生の約8割が犠牲になりました。
ではこの大川小学校の場所を見て見ましょう。
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海からは遠いです。学校から海は見えません。
ここには津波が来ないといわれており、
避難所にも指定されていたようです。
結果、安全だと思い、津波被害にあってしまったようです。
小学校のすぐ裏には山があり、そこに逃げれば、
助かったともいわれています。
しかし安全なのにわざわざ寒くて何もない山に逃げるとは、
誰も思わなかったのでしょう。
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これも石巻です。湾沿いにある病院ですが、
多くの人は屋上に逃げましたが、
屋上にも津波が襲い、ここも全滅に近い大変な被害にあいました。
助かったのは屋上よりもさらに高い裏山に逃げた人とのことです。
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これが病院の場所です。湾の奥まった場所にありました。
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いろいろと悲惨な被害を紹介しましたが、
関東でも津波は他人事ではないという観点から教訓を3つ。
1つ目。あれだけ甚大な被害にあっても高台は無事です。
津波がくるかこないかわからなくても、とにかく高いところに逃げることです。
2つ目。海のそばだけでなく川のそばも危ない。
3つ目。地下鉄、地下街は要注意。
もちろん都会の場合、地上に出れば別の危険があります。
落下物、地上での危険物の散乱。自動車や人ごみなどです。
ただ万が一、地下に水が入ってきてしまった場合、
逃げられなくなる可能性もあるので十分注意しましょう。

東京の地下での水害の危険は、
何年も前から専門家がその危険性を指摘しています。
地震による津波に限らず、台風、大雨などでも地下は要注意です。
私が何度か取材したことがある防災の専門家は、
地下にある居酒屋は行かないとまで宣言しています。

ちなみに洪水被害のあったタイのバンコクですが、
洪水が多いことがわかっているので、
地下鉄に入る地上の入り口は、水が入ってこないように、
道路よりも高い場所に作られています。
残念ながら東京の地下鉄の入り口にそのような工夫はほとんどないはずです。

津波は他人事ではない。
これは東北だけの話ではありません。
東京も名古屋も大阪も気を付けるべき話だと思います。

・・・・
講演2つ目のポイント「避難所の待遇はボランティアで決まる」、
3つ目のポイント「有事こそ情報が大事」については、
後日ブログでアップします。

私は防災の専門家ではありませんし、被災者になった経験があるわけでもありません。
私の話がすべて正しい判断になるかはわかりません。
ただ昨年の東日本大震災に際して、被災地各所を取材し、
個人ジャーナリストという、第三者的な立場だからこそ、
見たり聞いたりすることができたことも多くありました。
1年が過ぎた今、あらためて振り返ってみて、
震災の取材経験を今後の防災に活かす教訓となるのではないかという観点から、
今は被災者ではないけれど、未来の被災者になる可能性がある人に向けて、
次なる大地震がきても、みなさんがあわてず冷静に判断し、
何か役に立てる話になるのではないかと思います。

4月には宮崎で講演をする予定でいます。
・4/14(土)宮崎県高千穂町秋元公民館19~21時
・4/15(日)宮崎県高千穂町中央公民館13~15時
※チェルノブイリに関する映画の上映会+かさこ講演。
近くにお住いの方はぜひご参加ください。

防災について「うちでも話をしてほしい!」という講演依頼のある方は、
メールいただければと思います。
kasakotaka@hotmail.com

・3/20の講演スライドPDF(講演する地域や対象年齢に応じてアレンジ可能です)
http://www.kasako.com/20120320kasako.pdf

・絆ではなく歪みがみえた、被災地・被災者の真実・書籍「検証・新ボランティア元年」販売中

by kasakoblog | 2012-03-28 00:22 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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