自己の再構築と価値観の破壊と創造~インドに行ってきます
2012年 04月 25日
「なんでインドに行ってくるんですか?」
「何を撮影してくるんですか?」と多くの人から聞かれ、
「自己の再構築と価値観の破壊と創造、サバイバル精神の修養」
と答えたい。
先日、かさこ読者の33歳の女性から、
日本社会の閉塞感、特に地方での閉鎖性、
そして建て前ばかりで無意味な行事が多いことについて、
悩みのメールをいただいた際、
この方は長期海外での滞在経験が、
「常識の破壊」と「自己の再構築」の繰り返しと、
「自分と全く異なる人々」に直面できたことは最大のギフト
と評していて、「おっ、まさしく、これだ!」と思った。
なぜ海外に旅行をするのか。
なぜインドに行くのか。
その理由を見事に言い表している言葉だと思う。
こんな「ギフト」をもらえるからこそ、
わざわざ海外に行くんです。
それが日本に帰ってきて、
社会で生き抜いていく上でとっても役に立つ。
別にインドに修行しにいくわけじゃない。
普通の旅行者と同じように、
撮影し、観光し、各地を見て回るだけ。
でも、インドという場所はそれだけにとどまらない。
ここはとんでもない場所だ。
私はこれまで30カ国、40回以上の海外旅行をしているが、
インドは他の国とはまったく違う。
どれほど違うかというと、
行ってみればインドだけは「別の星」に行くという感覚だ。
冷戦終結以後、世界が資本主義で塗り固められ、
急速にグローバル化が進み、
どこにいっても「そんなに日本と変わらない」
という感覚を覚えてしまう。
しかしインドだけは違う。
ここはまったくの異星人だらけの星だ。
グローバルスタンダードの常識がまったく通じない。
価値観なんてくそくらえ。
人間なんて一人一人虫けら同然。
人間も動物も自然もあらゆるものがごった煮のカオス。
ここにぽんと放り込まれると、
あらゆるものが“襲い”かかってきて、
日本の常識だとか建て前だとかがあっさりと崩壊する。
自分のプライドだとか尊厳だとかが肩書きだとかが、
あっさりと叩き潰される。
つまり日本で必死になって守っているものが、
インドではいとも簡単に踏みにじられ、
いかに日本が、自分がしょうもないものにすがりつき、
悩んでいることのバカらしさを、
まるで喜劇のように教えてくれるのだ。
私は今年で37歳。
これまで15年間、社会人をしてきて、
サラ金1社、編プロ3社勤め、
今年でフリーになり、
写真集も12冊出版し、その他の本も6冊出版し、
ネットでの影響力もそれなりにあり、
何かイベントをすればありがたいことに、
多くの人が集まってくれるところまで登り詰めてきた。
でも、それは山の中腹なんです。
山の中腹でも相当、眺めはいいんです。
今まで登ってきた経験を切り売りすれば、
それなりに楽しい人生を過ごせるだろう。
でももっと私は登りたい。
もっと素晴らしい景色を見たい。
頂上まで登り詰めて、
もっとより多くの楽しいことや、
影響力のあることをしていきたい。
そのためにこの山の中腹に安穏として、
日々を過ごして満足していてはいけない。
一発どっかで今までの自己を“叩き潰して”、
もう一度、自分を見つめ直し、
改めてこれからの山を登っていくための、
自己の再構築を行わなくてはならない。
それでインドに行こうとそう思ったわけです。
今年2月頃だったか、
かさこマガジン2に広告を出してくれている臼井氏が、
元Jリーガー氏にこんなことを言っていた言葉が、
私の心にとても突き刺さった。
「逆境からJリーガーになって夢をかなえて、
今はそれなりのポジションにあるかもしれんけど、
もう1回、もうひと花咲かせて、
もう一回り、大きくならんとあかんな~」
それはまさに私のことだと思った。
今は「カメライター」としていろんな夢がかなった。
でもここで一丁上がりになって、
小さくまとまってはいけないと。
私もここからもう一回り大きくならないといけないと思っていた。
そのきっかけとしてのインド。
インドには昨年の今頃に行こうと思っていた。
これから日本も世界も大変な時代になる。
今のぬるま湯の環境にどっぷり浸っているのではなく、
一度、苛烈な環境のインドに放り込まれて、
きゃつらの生命力に負けないよう、
多様な価値観とサバイバル精神を身に付けてなくてはならないと。
そんな矢先に東日本大震災が起きた。
日本というぬるま湯環境は、
私の予想よりもはるかに早く、
天変地異という形で恐ろしいまでもの、
大変な時代の始まりを告げてしまった。
日本が大変なことになった。
だからこそインドに行くべきではないかと思ったが、
私はインド行きをやめ、被災地に行くことにした。
そこに大変な時代の崩壊のすべてがあったから。
被災地の状況は日本の今の縮図でもあり、
また日本の未来予想図でもあった。
ここを見ずして日本は語れない。
というか日本がインドになってしまった。
もはや既存の常識やこれまでの価値観が通用しなくなり、
本当のサバイバル精神を求められるようになった。
だからインドではなく被災地に行った。
そしてあの東日本大震災から1年。
とりあえず今は小康状態のような状況だが、
日本は世界に先駆けて大変なことになりそうだ。
しかしあの震災をきっかけに、
様々なことが変わるチャンスだと思っていたのに、
未だに過去の価値観や既存の常識に捉われて、
しかもそれを必死に守ろうとしている人がいかに多いことか。
「東日本大震災がトリガーになった」人は私の周りにはいっぱいいる。
会社を辞めて独立する人もいっぱいいる。
これまでの生き方や働き方を見直す人がいる。
しかしそうではない人も多く、
あの震災で日本の危機感に気づいた人とそうでない人、
あの震災で何か少しでも行動できた人とできない人、
その温度差が1年であっという間に大きく開いた。
だから私は会社を辞めた。
あれだけの震災が起きたのに、
まだ売上2倍とか1時間早めに出勤とか、
建て前ばかりで既存の価値観に捉われ、
意味のないことを繰り返す、
いやむしろ退行していることに腹が立った。
今すべきことはそんなことじゃないだろう?
言ってもわからない老害はどうしようもない。
変わらないなら私が出て、社会を変えてみせる。
そう思って独立した。
とはいえ独立してから私が何を主軸に据え、
どんな活動を行っていくか、
まだ正直、暗中模索の段階だ。
勢いで飛び出したところもあるので、
何の計画があったわけでもない。
もちろん会社という枠組みがもたないことは、
数年前からわかっていたことだから、
だからこそ「かさこマガジン2」を自腹で大金だして制作して、
いろんな人に配りまくっている。
組織ではなく個人が主役の時代。
個人ブランドがいかに作れるかの時代になるから。
そんな自分にとって転機となるタイミングで、
昨年行けなかったインドに行こうと思った。
本当は会社を辞めてすぐにでも行こうと思ったんだけど、
いろんなことがあって行くタイミングを逸していた。
でも一度このタイミングで行かなければならない。
それでGWにかけあわせるような形で、行ってくることにした。
とまあこんな壮大なことを書いていても、
所詮は2週間程度のインド旅行に過ぎないわけで、
それで何か自分が劇的に変わるはずもなく、
またそれで変わったら大変なことだし、
帰ってきても、また日常の延長線上に戻って、
またいつもの「かさこ活動」を続けていくだろう。
でもインドに2週間というのは、
40回以上海外に行っている私でもかなりびびっている(笑)。
多分、とことん打ちのめされ、叩き潰され、
ぐちゃぐちゃにされ、負けに負けてくるだろう。
でもきっとそれでいい。
震災が起きても未だに腐っている日本社会に染まっていると、
自分もいつしかそれに染まりきってしまう。
一度、異星に行って価値観をリセットし、
外から日本を見る必要がある。
そしてその感覚を「自分は変わる」、
「日本は変わる」活動に転化していく。
先日「かさこさんはまだ日本から脱出しないんですか?」
とある人から聞かれた。
その方は脱出準備をしているような。
このあまりに腐りきった日本社会では未来を見い出せないから。
私はまだあきらめない。
だからたまに外に行って、
日本社会を客観的に見れるような、
視点を持たなくてはならない。
そのためのインド旅行でもある。
~Worlds end of the day~
誰が指図するでもなく 僕らはどこへでも行ける
そう どんな世界の果てへも 気ままに旅して廻って・・・
(ミスターチルドレン「Worlds end」)
日本は日本人は「常識」という鎖にしがみつき過ぎている。
だから衰退の一途をたどっていて、
原発事故で決定打を叩き込まれた。
本当はもう掴んでて 届いてて 気付いてないだけ
もっと もっと 羽ばたける日は来る きっと来る
あと少しそう信じて
(ミスターチルドレン「End of the day」)
でもそんなに悲観しすぎる必要はない。
実はかなりのところまで登り詰めている。
あとほんの少し手を伸ばせば、
もっと大きな夢に手が届くはず。
あちこち種は蒔いている。
それがわっと咲き誇るタイミングを待っているだけ。
きっとすごいことになる。
だから今、私はインドに行って虫けらとなって、
きゃつらと“戦い”、今をリセットしてきたいと思います。
今のところですが日本で海外データ通信機器を借りる予定で、
ノートパソコンも持参するので、
よほど辺鄙なところでなければ、
インドからリアルタイムでブログを更新していきたいと思いますが、
なんせインドなので何が起こるかわからないので、
更新できないこともあるかもしれませんが、
インドからの臨場感みたいなものを、
ネットを通じて伝えていきたいなと思っています。
・かさこワールド旅行コンテンツ
http://www.kasako.com/traveltop.html