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たいしたことないジブリ美術館

報告せねばならない。
東京の観光スポットにあって、チケット完全日時予約制という、
前代未聞の入場制限予約方式によって、
「行きたいけどまた行ったことがない」という人が多いであろう、
ジブリ美術館に昨日行ってきた。
あまりに情報が少ないので、きっちりここで私がその内情を報告しよう。

結論から先に申し上げておく。
わざわざローソンに行って日時指定の予約券を買うほどの価値はまったくない。
ちなみにチケット料金は1000円もする。
私は映画論評を見ていただければわかる通り、
宮崎駿作品は大変好きである。
そんな私でもここは行く価値ないと報告せねばならない。

場所は大変不便な場所。
JR中央線、吉祥寺駅から徒歩15分ほど。
かの有名な井の頭公園内にある、ほんの50m四方の小さな3階建ての建物である。

ジブリ美術館の宣伝写真には必ずといっていいほど、
だだっ広い野原にある巨神兵のオブジェがあって、屋外施設でとても広い場所と勘違いしやすいのだが、
1:まったく広くない
2:屋内施設である
3:巨神兵は屋内施設の屋上にある
のである。

さてたいして広くないだけでなく、美術館内の展示の中身がよくない。
誰もがジブリ作品のテーマパークのような展示だと思うだろうか、そうではない。
一言でいうなら「アニメーション制作の舞台裏」展示である。

どのようにアニメーションができるのか、そのコマワリの大変さだとか、
色指定の大変さだとか、映画フィルムがどのように映し出されるとか、
そういった制作サイドのちょっとした様子を紹介する展示が主で、
ジブリ作品の1シーンを再現したような部屋とかがあるわけでもないし、
巨神兵のように、作品にまつわるオブジェがあるわけでもない。
ととろもいない。紅の豚の飛行機があるわけでもない。魔女の宅急便の舞台が現出しているわけでもない。
あるのは記念撮影用にほんとに狭い屋上に置かれた巨神兵のオブジェと、
小さな子ども限定のネコバスの部屋ぐらいなもので、
あとはほとんどがアニメーションの制作過程のほんの1シーンみたいな展示だけである。

だから小さな子どもにもちょっと難しいし、
アニメーターになろうという人にとっては逆に少なすぎて物足りないだろうし、
一般の人にとってみれば期待はずれという、誰をも満足させられない中途半端な展示内容だ。

唯一、作品のテーマを現出させたような展示はなぜかハイジだった。
ハイジもいいけどさ、だいぶ前でしょう。
だったらラピュタとかととろとかそういうのをやってほしいわけですよ。

1階は展示ルーム1部屋。動画の原理を目の錯覚で見せるような展示。
1階にミニシアターがあり15分の映画が流れるのだが「くじらのなんちゃら」という、
しょうもない子供向け絵本のような映画が流れていた。つまらなくて寝てしまいました。

2階は8畳ぐらいの部屋2つにアニメ制作現場の部屋の展示。
2階もう一部屋はハイジの世界。

3階は、小さな子どもしか乗れないネコバスのぬいぐるみの部屋。
書籍を売る部屋。おみやげを売る店。以上。
屋上はほんと狭い。巨神兵がある場所とその奥に石碑がある場所の2つで、
道が狭くて人が行き来できないほど。狭くて見るのは5分とかからないが、
巨神兵と記念撮影をする人が並んでしまって、余計混雑してしまう。

そのメインの建物の隣に、井戸があるほんのささやかな広場。
その隣がサンドイッチが1000円するようなカフェと、アイスが売っているスタンドと、
座席が50人分ぐらいの広場。
こんなカフェスペースいらんから展示部屋増やして欲しいよなって感じの場所だ。

テーマは「迷子になろうよ」ということらしいが、
1フロワーに20畳ぐらいの展示ルームが2部屋しかなく、
3階はみやげ店ばかりなので、迷子もへったくれもなく、あっという間に見終えてしまう程度のものしかないが、
とにかく狭くて混んでいるのでなかなか見にくいのだが、
それでも1時間もあればすべて見終えてしまうだろう。

はっきりいってジブリ美術館の外にある井の頭公園の方が、何もないけど、
緑がいっぱいで池もあるし気持ちがいい散歩ができる。
カフェとかやきとり屋とか公園内外におもしろそうな店もいっぱいあるし。

入場制限と完全予約チケット制をしていることから、まだ人気があるんだろうけど、
もしこれ入場制限もせず、予約チケットにしなかったら、
オープン当初は話題で人が殺到するがそのたいしたことのなさに、
あっという間に人がひいてしまい、債務超過に陥った旧来のテーマパークのごとき、
瞬く間に廃館になってしまう程度のものだろう。

せっかくジブリファンが多いんだし、都心じゃなく場所がある三鷹に作っているわけだから、
もっと展示の充実した、ファンが見たいと思っているものを作るべきだろう。

たとえばだけど、駒ヶ根美術館でやっていた全館藤原新也展みたいに、
1室1室を年代順の作品ごと展示にして、
ナウシカの部屋、ラピュタの部屋・・・みたいに全作品の展示を10室ぐらい作るとか、
そのぐらいのものを最低限作るべきだろう。

というわけで、みなさん、騙されないように注意しましょう。

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by kasakoblog | 2005-05-30 22:17

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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