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ずる賢い人が2倍稼いでしまう~インド・リキシャーとの戦い

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インド旅行に行った時、旅人が最も多く出会い、
最もお世話になり、そして何度も頭にくるのがリキシャーだ。
正確にはオートリキシャー=三輪バイクタクシー。
観光する際の移動手段として便利だ。
インドでは車のタクシーは街中ではあまり見ない。
町の観光地を巡ったり、
空港や駅、バスターミナルからホテルへの移動など、
このオートリキシャーが活躍する。

しかしこのオートリキシャーのせいで、
インドの印象を悪くする人が多い。
なぜならぼったくり嘘つきなひどい運転手が多いからだ。

嘘をつくとはどんなことか。
例えば「Aホテルに行ってほしい」といっても、
「あのホテルは潰れたからもうない」という。
マトゥーラという町で実際にこの嘘をつかれたことがある。
「いいからそのホテルに行け!」
「行っても無駄だ。去年つぶれたんだ!」
「そんなことはないからホテルに行ってくれ!」
こんな押し問答を10回ぐらいして、
しぶしぶホテルに行くともちろんホテルはあるのである。
潰れていることなどなく。

なぜこんな嘘をつくかというと、
自分が懇意にしているホテルに案内し、
マージンをもらいたいからだ。

あとはこんな嘘もつく。
「Bという観光スポットにいってくれ」
「いや、今日そこは休みだからやっていない」

これは実際デリーで嘘をつかれたことがある。
「ガイドブックには休みはないはずだ」
「そんなことはない。あそこは金曜日が休みなんだ」
「いや、休みではないはずだから行ってくれ」
「休みに行ってどうする?何も見れないから時間の無駄だ」
「いいからそこに行ってくれ!」

これまたこんな押し問答を10回ぐらいして、
しぶしぶ行くと普通に観光名所は営業しているのであった。

なぜこんな嘘をつくのか。
自分が懇意にしているおみやげやに連れて行きたいためだ。

こんなとんでもない嘘をつくのが当たり前なのがインドなんです。
しかもやっかいなことに、
彼らは真剣に嘘を本当のことのように主張するため、
「もしかして私が間違っているのではないか」
「現地の言う人のことの方が正しいのではないか」
と思ってしまうことだ。

日本の原子力ムラの連中と同じ、
どんな嘘だろうと繰り返し大声で最もらしく、
何度も主張することで、
「私たちが間違っているのではないか」と思わせる、
脅迫的洗脳手法である。

嘘をつくだけでなく、もちろん料金もぼったくる。
ただ今回、主にラジャスターン地方を旅行したが、
意外と親切なリキシャーが多くて逆に驚いてしまった。

ジョードプルでのこと。
市場からホテルに帰えろうとして、
リキシャーをつかまえた。
「マクドナルドに寄ってからホテルに行ってくれ」
というとはじめのリキシャーの運転手は、
「2か所だから200ルピーだ」という。
そんなバカ高いのはあり得ない。
「じゃあいい」といってすぐそばのリキシャーを捕まえる。
すると「80ルピー」という。
半額以下じゃないか!

ホテルに着いてこのリキシャーに料金を支払う時のこと。
80ルピーという細かな札がなかったので、
100ルピーを差し出した。
80ルピーで100ルピー出せば、
チップだと思ってきっとつりなど出さないだろうと思い、
100ルピーあげるつもりで差し出したら、
その運転手は財布からつりを必死に探しているのではないか!

こんなちゃんとしたリキシャー、
インドではろくに見たことない!
その感動のあまり「つりはいらない」といったら、
たいそう喜んでくれていた。
でも私からしたらぼったくり200ルピーリキシャーに比べたら、
半額で行けたのだから。

アジメールという町からプシュカルという隣町まで行く時のこと。
バスで行けばたった10ルピーだが、
大混雑でギュウギュウづめで、
しかもなかなか発車する気配もないので、
長距離だがリキシャーで行くことにした。

アジメールからプシュカルには2度リキシャーに乗った。
1度目のリキシャーは1000ルピー(1700円)と要求した。
確かに山道を登り40分以上走らなければならないが、
でもそれにしても高すぎる。
「500ルピーでいってくれ」といったが、
まったく1000ルピーから動じない。
「ガソリン代もかかるから!」と必死にアピールする。

他のリキシャーを探そうと思ったが、
なぜかこんな時に限っていない。
大荷物も持っていたため、やむなく交渉し、
800ルピーで行ってくれることになった。

しかしこういう強欲なリキシャーは、
これまでの経験上、これで終わることはない。
案の定、インドのリキシャーの典型的な手口である、
運賃以外にガソリン代をぼったくろう大作戦を敢行した。

走ってすぐガソリンスタンドに停車し、
ガソリン満タンにして250ルピーを払えというのである。
前段の交渉段階で、
「ガソリン代もかかるから1000ルピーだ」といったのだから、
当然ガソリン代はあんたが払うべきものである。
ったくうるさいリキシャーだな、
一度がつんといわないとこいつつけあがるぞと思い、
ガソリンスタンドの店員に聞こえるぐらい大きな声で、
「おまえが払うんだろう、ボケ!
そんなふざけたこというなら降りる!」
と日本語でわめいて一芝居うつと、
あわててリキシャーの運転手は、
「悪かった悪かった、私が払います」と態度を改める。

でもこういう輩はやっぱりダメで、
プシュカルに着いて交渉通りの800ルピーを渡すと、
「でもやっぱり遠かったから1000ルピーほしい」
というので無視して立ち去った。
追いかけてはこない。
なぜならこの金額でも十分相場より高いからだろう。

やはりというべきか、これは相当ぼったくられていた。
翌日、同じ区間をリキシャーに乗ったら、
なんと400ルピーという。
あのぼったくりリキシャは1000ルピーとほざいて、
800ルピーまで下げたが、
やはりどう考えても高かったのだ。

でも昨日のリキシャーとは半額も違うので、
私は場所を間違っているのではないかと、
何度も「プシュカルだよ」といったが、
やはり400ルピーでいくという。

こういう親切なリキシャーは最後まで親切だ。
もちろん途中ガソリン代を請求することなんてない。
プシュカルについて500ルピー札を渡したら、
必死に100ルピーのお釣りを探そうとしているので、
「100ルピーはチップだ」といったらたいそう喜んだ。
800ルピーぼったくってなお200ルピー請求する輩とは大違いだ。

プシュカルを降りてからも、この親切な運転手は、
町の有名な寺院までの道案内をしてくれようとしてくれた。
「私は昨日からここに泊まっているから大丈夫」というと、
「それはそれは」といった感じで、にこやかに立ち去っていった。

こういうことがインドでは毎日のように起こる。

でもなんかその度に複雑な思いがする。
英語が巧みで観光客からぼったくれると知った、
ずる賢いリキシャーは、まじめに働いているリキシャーより、
同じ区間走っただけなのに倍も稼げてしまう。

まじめに親切に働いている人が損をし、
客をだました方が得をしてしまう状況。
なんかそれが許せなくて、
思わず安くて親切なリキシャーに、
がらにも似合わず余計なチップなんか渡してしまったのかもしれない。

でも相手がもらえるとは思えない、余計なチップを渡すことは、
それはいけないことなのかもしれない。
もしかしたらまじめなリキシャーを、
「外国人ならいっぱい金くれるから、
もっとふっかけてみるか」と思ってしまうかもしれないからだ。

日本円にしたら100ルピーのチップなんて170円。
日本で考えれば170円渡すことはたいした金額ではないかもしれない。
でもインドの価値で考えたら10~20倍はある。
自分が日本円で換算してたいしたことのない金額だからといって、
安易にチップをはずんでしまうことは単なる自己満足で、
ずる賢いリキシャーを増やすことに加担しているのではないかと。

インドではそんなことが毎日起こる。
その度に自分はどうすべきなのか考える。
そういうことが毎日毎日インド旅行での面倒でもあり、
でもおもしろさなのかもしれない。

・インド写真目次
http://www.kasako.com/08indiatop.html

by kasakoblog | 2012-05-18 00:38 | 旅行記

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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