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飽きれるノマド批判~ノマド的働き方の流れは変えられない

ノマドについて批判的な意見が意外と多いことに驚く。
でもたいてい批判している人の多くは、
ノマド的な働き方に憧れているが、
自分ができない、またはする覚悟がない、
もしくはしたことがないから、
負け犬の遠吠えのごとくバッシングしていると感じる。

ノマド=遊牧民とは、自宅や会社などのオフィスにとらわれず、
仕事をする人のことだと定義する。
で、思う。
ってことは、今、ほとんどの人がノマドでしょ?
ノマドであるかないかなんて、
もはやナンセンスな議論なんじゃないかと思う。

オフィスに勤めていようが、
外出中にケータイがなり、
そこで仕事のやりとりをしている人が、
どれだけ多い世の中になったか。
オフィスがあったとしてもパソコンを持ち歩き、
何かあったらカフェにかけこみ、
パソコンで仕事をする。
平日の東海道新幹線に乗ってみればいい。
多くのビジネスマンがノートパソコン開いて仕事している。
もはやノマドでない人なんて少ないんじゃないか。

オフィスがあり自分のデスクがあっても、
営業マンなんかは直行直帰もしくは、
朝と夜しかいなくて、
あとはほとんど外で仕事をしている人も多いのではないか。
昔と違ってケータイもパソコンもあるわけで、
何か外でできないことがあって、
わざわざそのために一度オフィスに戻らねばならない、
ということは激減したのではないか。
メール一通返信しなくちゃいけないから、
一度会社に帰らねばとは、
数年前までよく聞いた言葉だが、
今そんなことをいったら、
よほど仕事にやる気がないか、
セキュリティが厳しい会社のどちらかだろう。

また最近ではフリーアドレスの会社が増えている。
フリーアドレスとはオフィスの自分の決まったデスクがない。
いわば自由席だ。
フリーアドレスにする主な理由は2つ。
1つは、コスト削減。
ちゃんと調べてみると、
固定席でずっと仕事をしている人は少なく、
会議室にいたり、外に出ていたりする。
つまりそんなに席はいらない。
フリーアドレスにして人数分の座席を用意せず、
その分、スペースが減ればコスト削減になるというわけだ。

もう1つは、コミュニケーション。
同じ社内なのに同じ部署の隣の席の人が、
上司ぐらいしかしょっちゅう話す人がいなくて、
他部署がどういったことをしているのか、
ほとんど知らない。
そこで自由席にして他部署間の交流を深めようというものだ。

フリーアドレスを採用しているHP社なんかは、
社内にもカフェスペースを多く設け、
そこでも仕事ができるようにしている。

また震災を契機に在宅勤務を推奨する会社も増えてきた。
震災によって交通機関がマヒした時、
オフィスでしか仕事ができませんではお話にならない。
そこで自宅でも仕事ができるようにする。
災害リスク的観点から考えた場合、
オフィスででないと仕事ができないなんて、
リスク管理ができていない会社といわれかねない状況にある。

このようにどこでも働けるというのは、
フリーランスに限った話ではなく、
会社員にとってももはや逃れられない現状だ。
というより時代の要請と技術の進歩により、
こうした働き方は増えこそすれ減りはしないだろう。
そもそもノマド=フリーランスと考えることがおかしいのではないか。
サラリーマンだって十分遊牧民的な働き方は可能だ。

またノマド的働き方を推奨することは、
社会問題の解決にも役立つ。
社会保障費がかさんでいる、だから増税する、
もしくはだから削減するというのはバカの発想だ。

生活保護問題にしろ待機児童の問題にせよ、
老人介護の問題にせよ孤独死の問題にせよ、
すべては昔と違って、
女性も多くの時間を働くことに割かざるを得ず、
核家族化しているがゆえに、
家族扶助が失われたからこそ、
どんどん問題が深刻化し、社会保障費が増加しているのだと思う。

ノマド的な働き方を社会で推奨し、
たとえば会社員がオフィスでなくても、
自宅で仕事ができるようになれば、
親や子供の面倒を見れたりする可能性もある。
場所にとらわれなければ、
たとえば実家の親の様子を見に行きつつ、
そこで仕事をするといったことも、
物理的には可能になるわけだ。

ライフワークバランスと観点でみても、
どこでも働けるノマドワーカーは、
増やすべきであって批判して減らすものではないと思う。

私は会社員時代からノマド的な働き方ができるのに、
過去の価値観にとらわれ、それを許さない風潮に嫌気がさし、
今年3月からフリーになり、ノマドワーカーになった。
仕事は自宅のパソコンが中心だが、
都内で打ち合わせや取材に出ることも多く、
その合間にカフェがあったら仕事をすることも多い。

そして今は6日間、取材で被災地に来ているが、
パソコンと電話があれば進行中の仕事はどんどんできる。

ノマドワーカーなんて特別な名前で呼ぶことすら、
もはや時代錯誤でナンセンスなぐらい、
実は多くの人がノマド的働き方を、
多かれ少なかれしていると思う。
そんな状況でノマド批判って、
単に憧れているけど自分ではできない嫉妬心ではないのか。

ただ問題はノマドワーカーではなく、
ケータイがあると世界中どこにいてもまず、
つかまえられてしまうため、
24時間365日間働かなくてはならない、
コンビニワーカー化していることではないかと思う。
いい仕事をするためにも、いい休みをとり、
メリハリつけた働き方が重要だと思う。



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by kasakoblog | 2012-07-07 22:07 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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