原爆ドームが保存された理由~風化するから遺産を残す
2012年 08月 15日

戦争も自然災害も人災も、
ちょっとするとすぐに忘れられ、
また同じ過ちを繰り返す。
それを抑止するのが遺産だ。
どれだけの被害があったか、
物がないと人は思い出せない。
ましてや同時代に経験していない人ならなおのこと。
日本が愚かな戦争に突入し、
原爆を落とされた象徴として残されている広島の原爆ドームだが、
悲惨な思い出になるから取り壊すべきだという意見もあったという。
しかし1歳の時に被爆し、15年後に白血病で亡くなった、
楮山ヒロ子さんが残した日記に、
「あの痛々しい産業奨励館(※現原爆ドーム)だけが、
いつまでも、おそるべき原爆のことを後世にうったえかけてくれるだろう・・・」
とあったことから保存運動が本格化したという。
もしあの原爆ドームがなかったらどうだろう?
1945年に生きていなかった多くの人は、
いくら知識としてお勉強したところで、
リアルに感じられることはないのではないか。
建物が残っているからこそ、
修学旅行や観光などで、
あの痛ましい建物を自分で目にすることができ、
そこに知識が加わるからこそ、
原爆や戦争の悲惨さをイメージしやすくなり、
過去の過ちを繰り返してはならないと思うのではないか。
津波被災地でも乗り上げられた船やバスや、
奇跡的に残った松や痛ましい建物など、
取り壊すべきか保存すべきかで揺れている。
もう撤去されたものも多い。



「こんな高いところまで津波の水がきたことを、
後世に伝わるための碑を建てたい。
この下に人は住んではいけないと伝えたい」
といっていたのが印象的だった。
津波被災地はかつて何度か大津波が襲った場所も多い。
その時の教訓が生きた町と生きなかった町との差も大きい。
被害のすさまじさを記録として後世に残し、
その教訓をもとに町づくりしたところもあれば、
何十年もこないと目先の利便性を優先し、
いつのまにか危ないはずの場所に町を作ってしまう。
大雨被害でも地形的に何度となく同じ被害にあっている場所もある。
そこにまた住み続ければ被害にあうのは自明にもかかわらず。

原発もしかり。
原発によって二度と人が住めない死の町があるにもかかわらず、
原発マネーに目がくらんだ自治体が、
未だ積極的に誘致していたり再稼動を容認するなど、
信じられない行動をしているところもある。
そして未だに戦争の悲惨さを訴えながら、
これだけボーダレス、グローバルな時代にもかかわらず、
領土争いを火種にナショナリズムを煽り、
自らの失政を覆い、人気とりに明け暮れる政治家もいる。
一方、現実の脅威に備えず、
ただ平和ボケした理想論から、何の対策もないまま、
ただ沖縄から米軍に出て行けという楽観主義者もいる。
過去の過ちから何を学ぶのか。
知識なんかではすぐに忘れてしまう。
悲惨な実態をこの目で見ること、体験すること。
そうしたものを少しでも残して、
後世に伝えていくこと。
それが大事なんじゃないかと思う。
原爆ドームが町にあれば、
決して原爆が落とされたことは忘れないと思う。
同時代に体験しなかった人も、
そこに行けば見れる。
象徴的な遺産は保存し、未来の教訓とすべき。
人は忘れやすい生き物。
目先の利益にとらわれ、
津波被災地にまた住むとか、
原発をまた動かすとか、
領土問題を騒ぎ立てて、
戦争の火種をつくるとか、
そんなことを延々繰り返している。
311でわかったこと。
それは過去の過ちを繰り返すのは人災だということだ。
逆に311や815は過ちを繰り返さない新しい社会をつくる絶好の機会でもある。
国民を犠牲にして短期的な組織の発展を目論み、
長期的にみれば国家を破滅させる勢力がいかに多いかが、
311で明らかになった。
原子力ムラなんて話じゃなく、
身近な上司とかその辺の地域の人とか、
そこら中に既得権益にしがみつき、
変わりたくない連中が、
あの手この手を使って変わることを阻んでいる。
既得権益はあなたです。
変わることは怖い。
でも変わらなければ生き残ってはいけない。
変わろうとしている人間の足を引っ張り、
変わらないことに全精力を傾けるような、
そんな行動をしていないか考え直したい。
人間兵器の飛行場跡・鹿児島知覧を訪ねる
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