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選手に死人が出るまで夏の甲子園はやるんですか~高校野球という熱中症体罰

今年の高校野球で一番の話題といえば、
お茶の間のタレントとして定着している板東英二さんが、
ハンカチ王子をも桐光学園・松井裕樹投手をもしのぐ、
ものすごい奪三振記録を持つ偉大な投手であったことだったかもしれないが、
それはさておき、毎年、夏の甲子園開催時期に不思議に思うのは、
いつになったら高校生への熱中症体罰をやめるのだろうかということだ。

この夏、熱中症で病院に運ばれた人はなんと4万人。
死者は400人を超える恐ろしい事態になっている(NHK調べ)。
先週1週間だけでも熱中症で病院などに運ばれた人は全国で4138人。
うち4人が病院に運ばれた直後に死亡したという。

例えば、台風や竜巻がきている最中、野球をやるだろうか?
当たり前の話だがやらない。
では400人も死者を出している自然災害・熱中症が懸念される、
真夏の炎天下になぜ高校野球を中止しないのだろうか?

環境省では熱中症防止のため「暑さ指数」を発表している。

31以上:危険:運動は中止しよう
28~31:厳重警戒:激しい運動は控えよう
25~28:警戒:積極的に休憩しよう
21~25:注意:積極的に水分を補給
21未満:ほぼ安全:適宜、水分を補給

先週1週間の兵庫の暑さ指数を調べると、
ほぼ毎日、9時~16時まで、
「厳重警戒=激しい運動は控えよう」レベル。
それ以外の時間帯でも「警戒:積極的に休憩しよう」レベルの暑さだ。

環境省が熱中症で病人や死亡者を出さないよう、
「厳重警戒=激しい運動は控えよう」と警告しているにもかかわらず、
全国放送で炎天下に高校生が野球をやらされ放送されている。
しかも日本で唯一原発を再稼動させた関西圏で高校野球を開催し、
全国的に節電が必要なのだから、
真夏の日中はテレビ放送中止するぐらいの措置をしたっていい最中、
大人たちはクーラーつけて真夏に高校野球のテレビをつけ、
節電とは逆行する行動をする。

高校生は若いし鍛えているから大丈夫とでもいうのだろうか?
確かに高齢者の熱中症が多いが、激しい運動をしている若者は危ない。
学校の部活動として半ば強制されてやらされているから、
自分のペースで勝手に休んだりできない。
休んだりしたらサボりなんて受け取られかねない。

実際にこの夏、炎天下の最中の部活動強制で、
多くの若者が亡くなっている。

・山形市の県立高校で7月28日、ラグビー部2年の男子生徒(17)が、
部活動中に倒れ、2日後に死亡した。
教頭によると生徒は午前9時半頃から坂道を繰り返し駆け上がる練習をしていたが、
約1時間20分後に顧問教諭が生徒の顔が青ざめているのに気づき119番した。
ラグビー部は全国大会の常連だが、これを受けて当面の活動を休止した。
教頭は「坂道は木陰になっており、
水や氷を準備して熱中症対策はとっていたつもりだった」と肩を落とす。

・新潟市秋葉区では同28日、新潟県立高の野球部員(16)が
部活動でランニング中に倒れ、翌朝死亡しているのが見つかった。

・新潟県湯沢町でも同29日、県立高の山岳部員(17)が、
下山中に意識不明の重体となり、その後死亡した。

(2012年8月18日 読売新聞)

死亡事故だけでもこんなにあるわけだが、
部活動のせいで熱中症に倒れた人はこの何倍にも及ぶ。

こんな状況なのに夏の高校野球を、
どうにかしようという話はまるで聞かない。
どうしても開催が夏休み時期からずらせないというなら、
早朝や夜に試合やるとか、ドーム球場でやるとか、
いくらでも方法はあるはずだ。

別の方法があるのに死人が出ないのをいいことに、
過去のやり方に固執するのは人災だ。
きっと死人が出るまでやり続けるのだろう。
そして甲子園で死人が出た途端、
メディアは手のひらを返したように、
今まで高校野球の熱戦ばかりを報道していたくせに、
「前々から熱中症が危険だと指摘していた」
「ドーム球場でやるべき」などと解説したりするのだろう。

日本社会は3.11から何を学んだのだろう?
想定内に起きうる可能性が高い危険があるにもかかわらず、
既得権益にしがみつき、過去のやり方を変えず、
ろくな対策をしなかった結果、
自然災害を契機にとんでもない人災が起きた。

原発事故に限った話ではないが、
日本って誰か死人が出ないと、
誰も本気で対策をしようとはしない。
監督官庁も政治家も企業もメディアも。
そして死人が出る事故が起きて、
やっと大きな問題として取り上げられ、
死亡者が出ないような枠組みが作られる。
それでは死んだ命は取り戻せない。

もし自分の子供が真夏の最中に激しい部活動をさせられ、
死んでしまったらどう思うだろうか?
きっと学校を責めるに違いない。
でも後から責めたところで死んだ命は戻ってこない。

それにしてもいつまで日本は根性論にしがみついているのだろう。
根性論を強制するのは学校に限らず企業も同じ。
だから根性がある、つまりは自分の頭で冷静に状況を分析することなく、
上から言われた命令はどんな無茶でもどんな違法な行為でも、
従ってしまう体育会系人種のような人間が、
いつまでたっても日本企業では好まれる。
それは経営陣や上司にに頭脳や戦略がないからだ。

いいから気合いと根性で数回れ!
いいから上司の言うことに逆らうな!
いいから長時間働け!
適切な戦略なりアドバイスができない、
体力だけがとりえの無能者が会社を牛耳っているから、
根性論がもてはやされる。

でも気合いと根性だけで熱中症は防げない。
死人が出る前にしかるべき対策を。
夏の甲子園は選手か観客に死人が出るまで、
開催し続けられるのだろう。

※熱中症と思わしき場合の応急処置
・意識の確認
・救急車を呼ぶ
・涼しいところに移動させる
・衣服をゆるめる
・タオルなどで体を冷やす
・スポーツドリンクなどを少しずつ飲ませる
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/2-3.pdf

クーラーはガマンするな!その前にやるべき10のこと
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by kasakoblog | 2012-08-22 21:21 | 一般

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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