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次に大災害があっても多分、行政は役立たない~ボランティアとネットの重要性

311から1年半が過ぎ、災害に対する危機感が、
昨年ほどではなくなってしまった人も多いのではないか。
しかし海外でも大地震が頻発しており、
首都直下型地震や東南海三連動地震も騒がれている。
ただ首都直下や東南海より、
再び東北沖での大地震があり、
福島原発が制御不能になり、首都圏含め大パニックに陥る災害か、
富士山噴火の方がはるかに可能性が高く怖いとは思っている。

東日本大震災という未曾有の災害を経験したことで、
首都圏は西日本など広範囲に被災した災害がまた起きた時に、
行政がきちんと対処できるのかは、
1年半が過ぎたにもかかわらず非常に疑問だ。

東日本大震災で露呈した、
あまりにひどい行政対応の不足分を補ったのは、
ボランティアだった。
しかも多くの人がボランティア未経験や大災害経験などない人。

そんな中、行政や日本赤十字社の支援が行き届かない人に、
素晴らしい支援活動をしたのが、
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」だが、
その組織を作ったのは、ボランティア経験もない、
早大大学院(MBA)専任講師だった。

しかし今回の震災ではネットをうまく使いこなせたものが、
支援活動を効果的にさせたという新しい要因があり、
ツイッターやフェイスブックが普及していたからこそ、
経験もない一個人の活動が、
行政や日本赤十字社のできなかったことまでしてしまう、
といったようなことになった。

このプロジェクトを立ち上げた西條剛央著の、
「人を助けるすんごい仕組み――
ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか」を読んで、
正直、書籍の内容はあまりにも散漫ですんごい仕組みがぜんぜんわからない、
残念な構成・内容だったが、
著者が指摘している行政のひどい対応は未だ解決されていない可能性があり、
もし今度、東北ではない地域で大災害が起き、
読者のみなさんが被災者になったとすると、
こんなひどい対応をされる可能性がある。

■支援がまったく足りていないのに行政が支援を断ってしまう
この本によると、まったく支援が行き届いていない昨年4月時点で、
・東大阪市長が岩手県庁に支援はいらないと断られた
・大阪市では物資が山のように余っていた
というおかしな状況があり、
このおかしな状況を打開し、
まだまだ支援が足りないところに、
東大阪、大阪の支援をマッチングさせたのが、
ボランティア経験もない単なる講師の著者だった。

私も被災地取材でこういう話を何ども聞いた。
ボランティアが災害対策本部や被災自治体に問い合わせしても、
いらない、足りてると断られてしまう。
ところが現地に行ってみるとぜんぜん足りていなくって、
行政なんか間にはさむより、直接支援した方が早かったり、
県や市にいっても問題意識があまりに低いから、
被災がひどく、かつ支援が行き届いていない町に、
直接問い合わせて支援をしたという例は多い。

この東日本大震災で浮き彫りになった問題は、
1年半たって解決されたのだろうか?
多分、解決されていない。
例えば自分が大地震にあい、ものすごい被害をこうむり、
食べるものも物資もなく困っているのに、
県が支援はいらないと言われたら、ぶち切れないだろうか?

この本が指摘しているように、
行政は自分たちのキャパを超えると、
支援がいるいらないに関係なく断ってしまうのと、
被災地以外の自治体は、
被災地から要請がない限り動けないという制約があるため、
今後、どこかで災害が起きても、
被災した地元の行政はあてにならない可能性がある。
そのためにもネットで被災者とボランティアがつながり、
行政の間を通さず、支援をしないと、
支援したい人がいっぱいいて、
支援されたい人もいっぱいいるのに、
そこが滞ってしまうというおかしなことになりかねない。

■全壊と半壊の差別
この本でも指摘してあり、
私も取材で何度も聞いた話だが、
全壊よりも半壊した人や自主避難した人に支援が行き届かない。
というか支援格差があまりに激しい。
行政が格差をつけすぎている点だ。

自分の身において考えてみよう。
隣の家は地震で全壊して住めなくなりました。
隣の人は避難所に行き、そこで十分な物資支援を受け、
避難所の後には仮設住宅が用意され、家電も無償で支援された。

しかし自分の家は1階はめちゃめちゃになり、
家電も全部壊れてしまい、半壊状態だが、
2階部分は無事で、住めないことはない。
避難所は人であふれかえっているので、
自宅にいたが、ほとんど物資の支援はこない、
仮設住宅に住むことはできない、家電の無償支援もない、
全壊の人より義援金も半分ぐらいしかもらえない、
という状況に追い込まれたらどうだろう?

「なぜうちは家電が全部壊れたのにもらえないのか?」
「建て直すのだってものすごいお金がかかるのに」
「物も買えないのに支援がぜんぜんこない」

行政の既存の枠組みではこうした差別が歴然としてある。
首都圏などで大災害が起きた場合、
物理的に避難所に被災者全員が入れないとすると、
半壊の人などは避難所に入れず、
自宅待機を余儀なくされるだろう。
でもこれだけの差別があったら行政に文句を言いたくなるのではないか?
結局、東日本大震災でもこうした支援の行き届かない人たちを支えたのは、
圧倒的にボランティアだったが、
とはいえボランティアゆえ支援にムラもあり、
そうした情報を知らない被災者は、
自腹ですべての被災をまかなう状況に追い込まれかねない。
現に今回の震災でそういう人はいっぱいいた。

■公平主義
これもほんとにひどい話だが、
こんなことが東日本大震災では平然と行われた。

例えば避難所に300人いました。
毛布が100枚届きました。
弁当が100個届きました。
で、行政はどうするか。
配りません。
なぜなら全員に行き渡らないと不公平だとクレームになるから。

信じられない、ある分だけ配ればいいのに、
と思うかもしれないけど、
こんな信じられないことが大災害時に起きたんです。
この本でも指摘してあるし、私も何度もその話を聞いた。
果たして311があって、他の自治体では、
このおかしな公平主義は改善されたのか。

・・・・
まだまだ問題はいろいろあるにせよ、
この本でも指摘されていて、
私も取材を通してよく聞いた問題点がこの3つ。
多分、震災から1年半過ぎた今も、
こうした問題は残っていて、
自分たちが被災した際、こんなおかしな目にあわされる可能性がある。

そこで災害が起きてせっかく生き延びたのに、
その後の環境があまりにひどく、
希望が持てない絶望的な状況に追い込まれた時には、
ネットで自ら発信し、窮状を訴え、
ボランティアを呼び込むことが大切。

難しいネットの知識なんかいらない。
ケータイがあれば十分。
ツイッターやフェイスブックが使えれば十分。
でもそれをきちんと使いこなして、
被災者自ら情報発信するかどうかで、
災害後の状況は大きく変わってしまうのは覚えておいた方がいいと思う。
またボランティア経験がなくても、ネットで情報収集をして、
現地に行かなくてもできる支援はいっぱいある。

ネットは役に立たない中間者を排除し、
直接、需給のマッチングができる優れたツール。
災害時においても、行政が間に入った途端、
単に情報の伝達が遅くなり、手続きに時間がかかり、
手間もかかり、情報の正確性も歪められ、
結果、支援が行き届かないのに、
ネットでつながった支援者と被災者だけが、
どんどんよくなっていくという現象も生まれた。

本当は災害時こそ行政が核となり、情報を集約し、
ボランティアと被災者をマッチングさせるべきだが、
そもそも災害時に行政に、
機動的な対応を求める方が間違っているのかもしれない。
もはやネットがあるので、ボランティアや民間レベルでやった方が、
話が早いというのが「人を助けるすんごい仕組み」を読んで思ったことだった。

また自治体が混乱するから放射能拡散予測を知らせるなだとか、
官僚が都合の悪い情報を隠そうとするなか、
特にツイッターでは真偽はともかく、
はるかに行政や政府より信憑性のある情報が多く飛び交っていた。
そういう点においても、災害時に、
行政や政府の言うことをうのみにせず、
ネットを活用することは重要だと思う。

そう遠くない未来にどこかで大災害が起きてもおかしくはないだけに、
災害時にはネットを十分つかいこなしたい。
通話はできなくてもネットはつながる可能性が高く、
充電は電池式充電器や太陽光充電できるものを、
普段から持ち歩いているといいです。

※行政の中には大変献身的に支援をした人は多数いて、
その人たちを否定するものではありません。
一部の頭の固い人たちやシステムそのものに限界があるとの指摘です。

・東日本大震災の取材を通した防災の教訓
http://www.kasako.com/20120320kasako.pdf

・絆ではなく歪みがみえた、被災地・被災者の真実・書籍「検証・新ボランティア元年

・「人を助けるすんごい仕組み」西條剛央著の書評
http://kasakoblog.exblog.jp/18781558/

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by kasakoblog | 2012-09-03 23:34 | 東日本大震災・原発

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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