被災地でボランティアが家を無償修理。官僚は復興予算で沖縄や北海道に道路建設
2012年 10月 11日
無料で被災者の家を直してる???
2012年7月8日。甚大な震災被害のあった宮城県石巻市。
津波被害のあった場所で、私は驚くべき光景を見た。
被災者の家を大工経験のほとんどないボランティアが修理していたのだ。
ボランティアをしているのは、仙台を中心に集まってきた、
復興支援を行っている「STEP」という集団。
ほとんどのメンバーは普通の会社員だが、
この甚大な被害に何かしなくてはと、
継続的に被災地での支援活動を行っている。
修理している家の持ち主は、
仮設住宅暮らしをしているおばあちゃん。
この家は311の際に1階が津波被害にあい、
おじいちゃんはここで亡くなった。
長らく続く避難所生活。
その後は仮設住宅暮らし。
住み慣れた環境とは違う異質の生活を強いられ、
夫を亡くしたこともあり、心は病んでいくばかり。
「できれば自分の家に帰りたい」
家は幸いにして基礎はしっかり残っている。
ただ1階はすべて津波で浸水しているのでめちゃめちゃ。
住むには莫大な修理費がかかってしまう。
被災地に行ったことがない人はわからないと思うが、
津波で家を流され、全壊した人より、
中途半端に半壊状態もしくは一部損壊状態で、
家が残ってしまった人の方が、
かえって大変なケースも多い。
半壊や一部損壊は全壊に比べて義援金や保険金などがはるかに安い。
全壊ならもう元の家に住むことはあきらめられるが、
中途半端に家が残ってしまうと、
取り壊すのか、修理してまた住むのか、
でも津波被害にあったから、別の場所に家を探すのか、
選択肢が多い分、困ってしまう。
中には全壊認定した方が有利になるため、
一部損壊や半壊の被災者が、
自分で家を壊して、全壊認定にしてもらっている、
といった噂話まで聞く。
高台移転の計画なんて、住民同士でもめたり、
いい代替地がなく、自治体が方針をたてられないでいる。
いつになるかもわからない高台移転など待っていたら、
若い世代はともかく高齢の世代は、
高台移転になる前に死んでしまう。
残り少ない人生を住み慣れない、
先の見えない仮設住宅暮らしするぐらいなら、
また地震があって津波があるかもしれないけれど、
どうせ高齢で先は長くないし、
家を直せば住めるのならその方がよっぽどもいい。
でもお金が・・・。
ホームページなどで支援金を集め、
大工作業などほとんどしたことがないにもかかわらず、
炎天下の最中、家の修理に精を出していた。
しかしとても素人とは思えない作業。
相当事前に勉強なりをしたのだろう。
専門のリフォーム業者だと思ったぐらいだ。
おばあちゃんは仮設暮らしをやめ、
住み慣れた我が家に戻れることに、
とってもうれしそうな表情をしていた。
「こんな素晴らしい人たちがいるんですよ」ということではなく、
「なんでこんなことになっちゃうのか」という怒りがわいてくる。
支援している人たちには時間的にも経済的にも体力的にも、
相当な負荷がかかっているだろう。
本来なら「素人」が修理すべきではないとも思う。
でも現実問題、そんなことを言っている場合ではない。
不自由な仮設住宅生活に困っている被災者がいて、
物質的な不足はなくても、
心の充足が得られず、不安な生活を続けている。
そういう人が住み慣れた家に戻りたいと思っても、
お金があればいいが、そうではない人はあきらめざるを得ない。
そして死んでいってしまう。
大工経験がない一般の人たちが、
困った被災者を助けるために、
これだけのことをしているのに、
被災者を助けるはずの復興予算では、
北海道や沖縄に道路工事をしたり、
霞ヶ関の耐震工事に使われたりしている。
なぜ?
そんな金あるなら、復興予算なのだから、
まずは困った被災者を助けるのが先じゃないのか?
というかそのための予算だよね。
北海道にも沖縄にも必要な道路工事はあるだろう。
霞ヶ関の耐震工事も重要だろう。
しかしそれは復興予算でする筋合いのものではなく、
通常の予算からやりくりして出すべき話。
私は被災者の要望をすべて税金でかなえることが、
いいこととは思っていない。
また津波がくるかもしれない場所に、
建て直し費用を援助しても、
それは無駄になる可能性が高い。
無駄というよりまた被害が起きてしまうからだ。
でも被災地では大工経験のないボランティアが、
相当な負荷を強いて被災者の家の修理をしているのに、
官僚は復興予算と称して、
これを絶好の機会とばかりに、
被災地・被災者とは関係のない、
自分たちの利権にかかわることに、
税金をネコババし、工事を進めている。
どう考えてもおかしいでしょう?
復興予算から沖縄の道路工事費用出すなら、
被災者の家の修理代なり、高台移転の費用なり、
仮設住宅をもうちょっとまともな住宅にする費用なり、
そういうことに出すべきではないのか。
結局、被災地の現場をしっかり見ずに、
震災が起きた、復興予算が組める、
これなら何でもありだと、
まったく被災地無視でまったく関係のない予算に、
税金を注ぎ込む官僚のとんでもない神経。
こういうバカげた税金の使い方をしているから、
借金はどんどん増え、
国民は増税で負担は強いられた挙句、
でも社会保障や年金は削られるという、
詐欺みたいなことが堂々とまかり通っている。
この詐欺みたいな話をやめさせない限り、
国民はこの先も増税されるは、サービスは削られるは、
借金は増えるは大変なことになる。
本当はそれを民主党がやろうとした。
マニフェストに掲げられたことは、
この国の病巣を断ち切る一歩として、
適切なものが多かった。
しかし官僚のサボタージュとクーデターで、
すっかり改革は形骸化された。
さらに官僚にとって都合のいいことに震災が起きたので、
「復興予算には莫大なお金が必要」と言えば、
国民は騙せるという思惑も働き、
復興予算は被災地とは何の関係もない金の使われ方をしている。
震災から今日で1年7ヵ月。
被災地で起きている出来事は他人事ではない。
自然災害があれば、あなたにも同じようなことが、
降りかかってくる可能性が高い。
原発にしてもそう。
東京電力は原発が動かせないから、
ということを理由に電気料金を値上げしたが、
人口5000人に満たない原発村に40億円もかけた、
サッカー場を10/1にオープンしたりしている。
金の使い方が間違っている。
日本では生やさしいデモぐらいで、
暴動が起きないのが不思議なぐらい、
官僚は不幸な出来事をも利権になると、
とんでもないことをし続けている。
東北人は我慢強い?日本人は我慢強い?
我慢強いことは美徳でも何でもない。
事なかれ主義だ。
税金を払っている国民が、
その使い道を監視し、文句をいい、正すのは義務だと思う。
・復興予算で沖縄と北海道の道路工事。民主党政権崩壊は官僚のクーデター~懐かしい八ッ場ダム訪問
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・復興予算をネコババした官僚の論理をわかりやすく解説
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・あなたの電気料金で4870人の村に40億円のサッカー場オープン
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