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勝ったのは民主でも自民でもなく官僚だった~国民民主主義の完全敗北

民主党政権が終わろうとしているが、
民主党政権の教訓とは、
国民民主主義が完全敗北し、
官僚のやりたい放題になったということだった。

選挙で民意を反映する政策を掲げた政党に投票したところで、
官僚が気に食わなければ、
冤罪で政党の実力者(小沢氏)の権力とイメージを弱体化させ、
官僚にとって念願の消費税増税を主張する菅氏にすげかえたものの、
311を契機に菅氏が脱原発という、
官僚にとって利権が奪われる許しがたい政策を掲げたために、
隠蔽したテレビ会議で、すべての責任を菅氏になすりつけ、
官僚のいいなりになる野田氏を首相に選び、
民主党がマニフェストに掲げたことはほとんどやらずに、
消費税増税だけごり押しし、
冤罪が明らかになった小沢新党や、
無知な国民に圧倒的な人気のある石原新党と、
橋下新党が力をつける前に、
年末のどたばた、社会が忙しくて、
投票率が下がることが期待できる時期に、
選挙をやってしまおうという魂胆なのだろう。

ちなみに民主党が掲げたマニフェストはこれ。

1:国の総予算207兆円を全面組み替え。
税金のムダづかいと天下りを根絶します。
議員の世襲と企業団体献金は禁止し、衆院定数を80削減します。

2:中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。
高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充します。

3:「年金通帳」で消えない年金。
年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。
後期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にします。

4:「地域主権」を確立し、第一歩として、
地方の自主財源を大幅に増やします。
農業の戸別所得補償制度を創設。
高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にします。

5:中小企業の法人税率を11%に引き下げます。
月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援します。
地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます。

民主党を選んだ国民がバカだったと、
未だに自民党時代の甘い汁を期待する、
過去の成功モデルを捨てられない国民や、
自分に実力がないから、グローバルな時代になっては困ると、
威勢のいいナショナリズムにしがみつく国民などが、
そう批判しているが、私はそうは思わない。

上記の通り、マニフェストは立派だ。
しかも今度こそ日本は変われるかもしれないという期待感があったし、
政権発足当初は期待が実現されるような雰囲気もあった。

しかし見事に官僚によって粉砕された。
官僚を使いこなせなかった民主党が悪いといえばそれまでだが、
官僚は検察やマスコミや官僚レトリックなど、
あらゆる小賢しい知恵を使い、
民主党の脱官僚を阻止し、官僚の権力を温存し、
さらには野田氏に首相をすげかえたことで、
念願の消費税増税までやってのけてしまった。
自民党ですらできなかった官僚の悲願を。

しかも最後は野田首相に政治家を45人減らさせようとしている。
問題の本質は政治家の数が多いことではなく、
一票の格差があまりにもひどい違憲選挙制度の区分けを見直すことや、
意味のない二院制を廃止するとか、
地元に金ひっぱることしか考えない、
小選挙区制なんかやめるとか、
政治家の選び方のシステムそのものを変えることだが、
官僚はどんな政治家が選ばれようと、
自分たちの権力を温存するために、
野田首相に政治家の数を減らすことを最後に託した。

「消費税増税をお願いしたんだから、
政治家が身を切るべきだ」などともっともらしいことを言っているが、
消費税増税は頼んでいないし、マニフェストにも掲げられていない、
イカサマであり、それで最後に45人数を減らすといったところで、
もともと定数を80削減するといっていたのだから、
何も威張れる話ではない。

にもかかわらず民主党を批判している自民党が、
民主党以下のクズぶりを発揮し、
野田首相が45減をのむなら年内解散するから、
約束できるのかと問い詰めているのに、
45減はいやで5減しかのめないということを、
「野田首相は答弁に答えていない」だとか、
「少数政党のことを考えていない」だとか、
とんちんかんな答弁をしてさらに押し込まれるという、
大失態ぶりを演じてみせた。

ところが消費税増税をごりおしした財務省は、
増税して手間がかかるから職員を100人増員しろといっている。
復興予算を復興でもない予算に流用しまくり、
民主党が事業仕分けしたものを次々と復活させ、
無駄遣いは減らさないは、増税するは、
挙句の果てに自分たちの人手を増やそうとするは、
完全に官僚ファシズムの勝利だ。
国民が選べる政治家なんて官僚にとってはクソ。
官僚は選挙で落とされない。
自分たちの省益と自らのポストと利権を必死に考えるためだけに、
国民の税金を無駄遣いし、国策を曲げ、
それに反対する国民は冤罪で抹殺するという、
とてつもないことをしている。

結局、民主党政権の教訓は、
国民民主主義、間接民主主義は、
この国ではまったく機能せず、
官僚ファシズムによって完全に支配されていることが、
わかっただけだった。
民主が勝とうが自民が勝とうが、
どこが勝とうが関係ない。
気に食わなければマスコミと検察を使って殺す。
言うことをきく政治家を首相にすげかえる。
ただそれだけの話だ。

国民は知ってしまった。
もはや政党がどんな政策を掲げても無意味だと。
まるっきり政策にないことを実行し、
掲げたことは実行しなくても、
国民は何もその詐欺行為を止める手段はない。

解散が早まったことで大混戦になれば、
官僚にとってもまさしく高笑い状態。
政治家が足の引っ張り合いや数合わせのくっつきあいをやり、
足並みがそろっていなければ、
政治家(国民)の官僚統制はきかず、
復興予算の流用にみるような、
イカサマし放題になるだろう。

結果、借金は増え、社会保障は削減され、増税される。
まさに今の状況がさらに悪化するだけだ。

この腐った官僚システムをどう変えたらいいのか。
みんなの党なんかはわりと脱官僚が鮮明なのかもしれないが、
すっかり埋もれてしまっているし、
そもそも民主党のマニフェストを見てもわかる通り、
「国の総予算207兆円を全面組み替え。
税金のムダづかいと天下りを根絶します。」
という政策を掲げ、圧倒的支持を得たにもかかわらず、
見事に官僚によって失脚させられた。

この国はほんともったいない。
下を向く必要なんかないし、
素晴らしい能力や国力や資源があるのに、
官僚が部分最適ばかりを追い求めるために、
体がばらばら、全体として機能できなくなり、
逆に本来の能力をどんどん低下させている。

「いやでもその官僚を変えるのは政治家でしょ。
だから官僚を変える政治家を選ばなくてはならない」
という人もいるだろうが、
その論理がまったく通用しなかったこと。
それが民主党政権の教訓だった。

日本の国民を不幸にしている官僚システムを変えるには、
一体、国民は何をしたらいいのか。
新党ブームにのっかり政治家になっても、
ほとんど意味はないだろう。
小泉チルドレン、小沢チルドレン、
今度は維新チルドレンが生まれたとしても、
政党のトップが官僚によってすげかえられてしまうのだから。

はて、どうしたものか。
今、私の最大の関心事は、
この腐った官僚システムを変える方法には、
何をしたらいいかということ。

自民党から民主党に変えたのに、
まさか自民党以上に自民党みたいな政権が誕生するとは恐ろしい。
難問の答えは未だ見つからず・・・。


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by kasakoblog | 2012-11-15 00:46 | 政治

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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