またはお友達になっているから。
日曜日の選挙結果でネット世論とあまりに違いすぎる、
という意見をかなり見かけた。
実際に私もそう思った。
でも考えてみると、ツイッターやフェイスブックという仕組み上、
そうならざるを得ない。
だって自分と同意見の人ばかりを集めて、
その意見ばかりを見ているのだから。
ツイッターでもフェイスブックでもそうだが、
よほどのバカでない限り、
わざわざ違う意見の人に絡んだりはしない。
「私は○×党を応援しています」という人に、
わざわざ「なんでそんな党、支持するんだ?
そんなんじゃダメだ。考え直せ」
と違う意見の人に自分の意見を押し付ける人はよほどの偏屈。
多くの人はスルーするのが普通だろう。
「なんだ、あんたは○×党支持なんだ。
私とは考え方が違うのね」と。
だからよほど変な人に絡まれない限りは、
自分とは違う意見は、
ツイッターやフェイスブックではなかなか入ってこない。
いや、実際にはタイムライン上に、
自分とは違う意見を言っている人がいるかもしれないが、
スルーするのが普通だから、目に入りにくい。
むしろ自分と共感する意見に目が留まりやすく、
共感した意見に「いいね!」を押したり、
リツイートしたりする。
すると自分の意見が増幅された感じになり、
それが毎日続くと、
世間一般もみんなそう思っているのではと錯覚する。
ここでネット世論と選挙結果があまりにも違う、
という話になるわけだ。
私もその点、今回はネットにのまれてしまったかもしれない。
私はフォローしている人もフォローされている人も、
1万人以上いるから、必ずしも同意見の人ばかりを、
集めてはいないと思う。
まして移動時間の暇潰しにしか人のつぶやきは見ない。
それでもそのほんのわずかな間でも、
自分と同じ考えを持っているコメントを見つけると、
リツイートしたりする。
そういうのが毎日繰り返されている中で、
原発問題について多くの人が、
興味関心を持っているはずだという錯覚と、
未来の党はかなりがんばるのではないか、
という錯覚を抱いてしまった。
それでも私はわりと炎上気にせず、
かなり思い切った偏った発言をしているから、
それにかちんときた輩が絡んできたりすることもある。
ぜんぜん違った意見を持った人がいるんだな、
と思う機会は比較的恵まれているはずだが、
前述のようにスルーすればいいものを、
わざわざ絡んでくるのは変人だと思うから、
それほど絡んでくる人の意見は気にしない。
こうして自分の意見がどんどん強化され、
いつしか「みんなそう思っているのではないか」
という錯覚をするきっかけになるんだと思う。
ただ原発については、自分が世間一般より、
高い関心を持っている方だという自覚はあった。
今年も私はいろんなところに行ってはいるが、
最も忘れられないのは、放射能汚染で死の町となった、
福島原発20キロ圏内に行った時のことだ。
あの恐怖は身を持ってでないとわからない。
それは致し方がないことだと思う。
一般人は、否、そこに住んでいた人も、
危険だから立ち入りが制限されているのだから、
おいそれと多くの人が行ける場所ではない。
やはり人の話に聞くのと見るのとではぜんぜん違う。
私はこれまで何度も、
福島原発から30~50キロぐらいの町には取材に行っていたが、
原発の北も南も距離が近いにもかかわらず、線量は低いので、
近いという危機感はあっても、
こんなに線量は低いのだから大丈夫という安心感もあった。
(その点、原発から離れているのに線量が高い内陸は微妙な場所だが)
でも20キロ圏内はぜんぜん違った。
ガイガーカウンターの数値が尋常じゃない。
しかもすぐそばにはまた地震が起きたら、
何が起きるかわからない福島原発が見えているわけだ。
家が倒れていないのに、人が住めなくなっているという、
あり得ない光景を見ながら、
めまぐるしく変わる線量の数値の恐怖感は、
あの場に行ったものしかわからないんだと思う。
津波や地震の悲惨さは写真に写して伝えられるが、
この原発の恐怖は写真では表せない。
20キロ圏内に私が行っていなければ、
ここまで原発に高い関心を寄せていたかどうかはわからない。
あの場所に行き、また死の町になってしまったため、
逃げざるを得なくなった人の話を直に聞いているだけに、
それが福島だけではなく、
他の場所でも起こるかもしれない、
明日はわが身かもしれないという思いは、
かなり世間一般よりバイアスがかかって、
大きくなっているだろうなとは感じていた。
ただ自分のそのバイアスを感じながらも、
ネットを見ていて同意見にばかり、目が行くものだから、
「多くの人は311で原発の恐ろしさに気づいたのだ」
と錯覚してしまった。
多くの人もツイッターやフェイスブックを使っているうちに、
知らず知らずのうちに自分と同意見ばかりの、
タイムラインになっているのではないか。
それが世間でも一般的な考えだと、
錯覚してしまう可能性があることを踏まえて、
こうしたネットツールを利用した方がいい。
それが今回の選挙の反省点かもしれない。
ただいずれにせよどの政党が与党になろうが、
選挙活動がネットでできないなんて、
中国じゃあるまいし、
さっさとやめてネット解禁してほしいとは思うのだが。
まだまだテレビの方が圧倒的に影響力が高い。
昨日のツイッターなんて、池上彰がどういったとか、
ネットを使いながら情報源はテレビなんだから。
でもネットの影響力はますます大きくなるとは思う。
政治とネットを考える上では、
「ウェブで政治を動かす!」津田大介著を読んでおくと参考になります。
・原発20キロ圏内レポート~あなたの家や町が立入禁止になる恐怖
http://kasakoblog.exblog.jp/17660549/
・一生、家に帰れない帰宅難民インタビュー~原発の恐ろしさ~
http://kasakoblog.exblog.jp/17677403/
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