すごい人発見!セルフマガジンを作成した26歳のイラストレーター
2013年 01月 14日

ブログ読者からこんなうれしいメールをいただいた。
クリエイターはセルフマガジンを作ればいいのに、
と私は常々思っていた。
だからこそまずは自分からと「かさこマガジン」を作成した。
それを参考にセルフマガジンを作る人が増えればいいのに、
と思っていたところ、それを実践した人がいた。
イラストレーターのことり寧子さんだ。

作品集「ことり冊子」12ページを無料で送っていただいた。
デザインもできるイラストレーターさんだけあって見事。
ことりさんの作風が伝わってくるような、
柔らかであたたかみのあるデザインで、
どんな仕事をしているのかがコンパクトにまとめられている。
こういう営業ツールがあったらさぞ強いだろうという、
見本となるセルフマガジンだ。
ホームページのプロフィールを見て驚いた。
なんと26歳の若さ!
フリーになったのは2011年とつい最近。
この若さでセルフマガジンを実際に作成した行動力はすごい。
どんな人なのか一度会ってみたい。
私以外にセルフマガジンを作成した人がいれば、
他の人もセルフマガジンを作ろうと思うきっかけになるのではないか。
大阪在住だったので、1/11のオフ会の前に、
お会いさせていただき、話を聞かせてもらった。

穏やかで小柄な女性なのだが、
話を聞く度にすごいと思った。
私が35歳になってやっと気づいたことを、
この人は25歳ぐらいの時からやっている!
もともと小さい時から絵を描いたり、
デザインしたりするのが好きだったという。
また中学生の頃からすでに趣味で、
Webデザインをしていたりもした。
なるほど、これでは老害の人たちが、
ネットの分野で若い人に勝てるわけがない。
高校もその後の専門学校でもデザインを学ぶ学校へ。
デザインや絵がうまい人たちが集まる同級生に刺激を受けて思ったのは、
「絵だけを仕事にして食べていくのは難しいかも」と考え、
Webデザイナーになろうと決意。
専門学校卒業後、印刷会社に入社し、
始めの1年間はDTPオペレーター、
その後の3年間はWebデザイナーとして働いた。
やりたい職種に見事なれることができたのだ。
一方、イラストも描けることから、
社内でイラスト仕事もするようになる。
また自分が描いたイラストをホームページをはじめ、
様々なイラストSNSサイトに載せていたところ、
イラストの仕事依頼も来るようになった。
「でも働いていた会社は副業禁止だったので、
個人で受けることはできなかったんです」
しかしことりさんがすごいのは、
「会社が副業禁止だからあきらめました」
というのではなく、会社に副業ができないか交渉したという。
会社の仕事もおもしろいし、
待遇面などもしっかりしているので、
できれば会社に勤めながら、
個人のイラスト仕事も受けられればと思ったのだ。
しかし会社はノー。
ほんともったいないなと思う。
個人としても仕事の発注があるような、
副業もできる能力のある社員にノーを突きつけたらどうなるか?
こういう優秀な人材を使える企業が少ない。
個人の能力の特殊性をうまく活用し、
会社だって仕事の幅を広げるチャンスなのに、
面倒だからと副業禁止と言ってしまう。
だから優秀な人材は会社を辞め、
会社の言いなりにしかなれない人材ばかりが会社に残っていく。
だから業績は緩やかな右肩下がりを辿り、衰退していく。
副業禁止を突きつけられた結果、
ことりさんはふとこの先の人生を考えるようになった。
会社に不満はないし、待遇もいいし、好きな仕事もできている。
でも今はいいかもしれないが、
副業禁止にされてまでこの会社にいて、
自分がしたいこと、
自分が将来思い描く理想像に近づけるのだろうか?
やがて結婚し、子どもを生んだ後は、
子育てと仕事との両立を考えると、短時間勤務になってしまい、
もとの職種に戻れない可能性もある。
待遇が手厚いのは魅力だが、
自分の好きな仕事ができないのは困る。
ことりさんはこの頃から再び絵の可能性を考えていた。
「もっとがんばれば、絵で食べていくことができるのではないか」。
副業禁止にされたことで進路を見直し、
新たな飛躍を遂げるべく、会社を辞めて、
2011年4月に25歳の若さでフリーランスになった。
折しも東日本大震災が起き、
イラストやデザインの仕事が減っていた時、フリーになってしまった。
しかも前の会社から仕事をもらうことは、
会社としてできないという。
「フリーになったばかりは、
そんなに忙しくないと思っていたので、
時間がある時にできることをしようと、
車の免許を取得したり、青色申告できるよう、
簿記教室に通ったりしました」
その後はホームページ経由で順調に仕事が入るようになった。
ただいろいろ問題を感じていた。
1つは大阪在住であること。
イラストやデザインの仕事の多くは東京。
営業に行くにもなかなか行けない。
ネット経由で東京からいろんな仕事をもらっているものの、
メールと電話で終わってしまうことも。
もう1つは仕事の作品集の作成の面倒さ。
通常、フリーのカメラマン、イラストレーター、デザイナーなどは、
A4のクリアファイルなどに、
今まで自分が手がけた作品をファイルし営業先に配布する。
しかしこれはかなり時間も手間もかかる。
またもらう側もA4の仰々しいファイルをもらっても、
さっと見ただけであとは捨てるに捨てれず、
でも邪魔になるといった不便さもある。
仕事の作品集を作ったものの、
作るのに時間もかかるし、
大量に何部も作れないため、そんなに配布ができない。
ちょうどそれと関連し、
イベントや展示会に参加した際、
そこで出会った人に気兼ねなく渡せる、
作品を紹介する冊子のようなものがあればと思っていた。
そんな時、かさこマガジンを知り、希望した。
冊子が届いた時、「これだ!」と思ったという。
こうして2012年秋に、
ことりさんの作品を紹介するセルフマガジン、
「ことり冊子」を作成したのだ。
ネットが主体の営業ツールだったが、
実際に冊子というものがあることで、
よりわかりやすく自分の活動を伝えることができるようになった。
ことりさんはブログで、2012年に学んだこととして、
「ネットが主な営業ツールだけど、
それだけではなくイベント出展や外に出ていくことが大切」
「人とは直接話すことが大事」
と記している。
まさにその通りだと思う。
ネットも大事だけどリアルも大事。
でもリアルで出会った時に、
自分の活動をぱっと伝えることができる、
セルフマガジンがあったら鬼に金棒だ。
またリアルに会うことができない人にも、
ホームページだけでなく、
冊子というアナログ媒体があるとまたぜんぜん違う。
私がそう思って35歳から始めたことを、
ことりさんは25歳から始めている。
まさに「100の言い訳より1の行動」の人だ。
またホームページを見て、
「この人よくわかっているな」と思ったのは、
「イラストレーターに直接仕事を頼んだことがないという方へ」
というコーナーを作り、
仕事の手順をわかりやすく紹介していること。
こういう世間一般の感覚を忘れず、
お客さん側の視点に立って情報発信できる人ってほんと少ない。
ほんとこの人は若いのにすごい!と思ったのだが、
そのすごさの秘訣は大阪オフ会会場での、
彼女を行動を見てわかった。
26名が参加したオフ会。
1人1人全員が自己紹介していたのだが、
私の運営があまりよくなく、
自己紹介というより演説を始めてしまう人もいて、
(それはそれで個人的にはおもしろい!のだが・・・)
かなり長丁場のしんどい時間になってきた中、
彼女は話している人の目を見ながら、
常に何かを吸収してやろうという感じで、
しっかり人の話を聞き、メモをとっていた。
これが彼女のすごさなんだなとその様子を見て実感した。
クリエイターってややもすると独善的になりがちで、
人の話をあまり聞かず、
自分がいいと思った作品や話だけを押し付ける傾向もある。
でもそれではダメ。
相手の話をよく聞き、吸収できるものは吸収し、
どんどんいいと思ったものを取り入れていく。
そういうことができる人だからこそ、
かさこマガジンを見て「これだ!」と思い、
すぐにセルフマガジンを作るという、
行動に移せたのだろう。
私が今やっているようなことを、
この若さで実践している人がいる。
時代や社会や他人のせいにせず、自分に言い訳せず、
自分自身の人生を真剣に考え、
戦略的に行動すれば、必ず道は拓けるはず。
※今年はセルフマガジンの作成指南講座なども
行いたいと思っています。
ことり寧子さんのホームページ
http://neuneu.penne.jp/n/index.html
・「かさこマガジン3」無料配布中。
欲しい方は、郵便番号、住所、お名前、希望部数をメールください。
kasakotaka@hotmail.com
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