丸刈りと監督辞任ーその場限りの謝罪で問題先送り体質
2013年 02月 01日
日本って何か問題があると、
まず求められるのが謝罪。
次に求められるのが辞任だ。
本人は悪いことしたとは思っていない。
でもマスコミから叩かれた。世間から叩かれた。
だから本心では何も反省していなくても、
謝っておけばいい。
特に体罰を容認する体育会系体質がはびこる日本において、
謝罪時のパフォーマンスは非常に重要だ。
日本人が喜ぶ謝罪パフォーマンスとは、
・土下座する
・坊主にする
この2つだろう。
もうこの2つやっておけば、
「この人は素晴らしい!」「本気で謝っている!」となり、
問題行動はどこへやら。
バッシングから一転して、
下手をすると称賛されたりなんかしかねない。
不思議だよな―。
悪いことしても、土下座や坊主になれば、
「なかったこと」みたいになっちゃうんだから。
こうして土下座や坊主をして謝罪をしておけば、
何か問題が発覚しても日本人はすぐ忘れてくれる。
何の体制変革や問題の再発防止策をしなくても大丈夫。
その後、見つからないように悪事を働いても、
おとがめされることはない。
土下座や坊主といった屈辱的行為=恥をさらせば、
もうそれで罰は済んだという意識は日本人に根強い。
それともう1つはすぐ辞めること。
政治家や企業など何か問題があった時に、
マスコミや世間からは辞めろ辞めろの大合唱が聴こえてくる。
ここで「事態収拾させるまでは責任があるから、
無責任に辞めず、原因を追求し、しかるべき対策をするまで辞任しない」
なんて言おうものなら、炎上だ。
「地位に固執している」
「そんなこと言ってないで早く辞めろ!」
世間が求めているのは、
問題の解決でも対策を実施することではない。
とにかく誰か地位のある人間を、辞めさせることが第一なのだ。
それで大臣や首相が何人も辞めさせられたが、
辞めさせられたはずの政治家が、
今は総理になったり、副総理になったりしているように、
日本人が求めているのはその時辞任することだけ。
何の問題も解決してないのに、
新たなターゲットが出てきて辞任させて、
ほとぼりさめたらまた同じ人間が、
何の反省もなくその地位についてしまうということが横行している。
だから、いじめ、体罰、政治家の腐敗、
意味のないバラマキ公共事業など、
何年かおきにまるでマスコミのネタのために、
ルーティンで話題になるのだろう。
そしてその時ターゲットとなった個人だけをバッシングし、
その個人に土下座させ、坊主にさせ、
できれば涙を流してもらったりなんかして、
謝罪してくれれば最高で、
それで自らの地位を投げ出し、すぐに辞任すれば、
すべては一件落着となるのだ。
AKBの恋愛禁止は人権侵害・パワハラではないかとは思うが、
それはさておき、仮にそのルールが正しいとするなら、
坊主にすれば、ルール違反して、
恋愛してもいいということになりかねないし、
暴行パワハラ柔道監督がとっとと辞任さえすれば、
何の罰則も刑罰もないまま済まされ、
暴行体質の柔道界を変えるという対策も、
しなくていいということになりかねない。
本当にそれが本気で問題だと思うのなら、
今回たまたま発覚した「不運な個人」だけに、
何か処分を下すのではなく、
他にも同様のことをしていないのか、
外部の調査機関に依頼し、
問題が発覚した他の個人にも、
同様の厳しい処分を下し、
再発防止のためのルールを作るのが、
真の問題解決だと思うのだが、
「不運な個人」が涙の謝罪会見すれば、
もうそれで問題は終わってしまう。
土下座、坊主、涙の記者会見で、
すぐに辞任でもすれば、下手をすると英雄扱いだ。
こうして何の問題も解決されないまま、
すべての問題は1個人の問題にすりかえられ、
数年たつとまた同じ問題が浮上するのだろう。
問題が発覚した時、その個人だけでなく、
すべてのウミを出し、厳しい措置をし、
再発防止のために対策をするということが行われないから、
何度も同じ問題が繰り返されるのだろう。
いい加減、マスコミも世間も、
涙の謝罪会見と迅速辞任で騙されてはいけないと思う。
・「かさこマガジン3」無料配布中。
欲しい方は、郵便番号、住所(マンション名など省かず)、
お名前、希望部数をメールください。
kasakotaka@hotmail.com
Amazonで買い物する際、下記よりお願いできればありがたいです。
・Amazon
(有料メルマガに頼らない私の方法 http://kasakoblog.exblog.jp/18718552/)
かさこツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
http://twitter.com/kasakoworld