
被写体に寄れ!ズームは使うな!
1カットで決めろ!枚数を撮るな!」
と教える写真家・須田誠さんと、
「オートで撮れ!ズームを使え!枚数をいっぱい撮れ!」
と教える私こと、かさこによる、
まったく正反対の撮影術を教える2講師による写真教室を、
3/2にサンクチュアリ出版にて開催し、無事に終了しました!
おもしろかったです。
だって講師がまったく逆のこと言ってる(笑)。
参加者からすれば「えっ、どっち??」みたいな話。
でもそれでいいんです。
写真の撮り方なんてみんな千差万別。
写真の目的は教科書通りに操作することじゃない。
「いい写真」を撮るために、どんな方法で撮るかだけの話。
だから須田流でやってもよし、かさこ流でやってもよし、
シーンによって使い分けてもよし、
新たな自己流を編み出してもいいんです。
そういう意味ではこの真逆の撮り方を教える講師が、
同時に登場することで、参加した人が、
「どっちもありなんだ!」って思えたとしたら、それは素晴らしい気づき。
写真の撮り方に正解なんてない。
こんな方法もあんな方法もありなんだって知ることで、
カメラを身構えすぎず、気楽に楽しく撮れるんじゃないかと思います。

今日、会ったばかりの参加者の方が、
とってもおもしろいことを言っていた。
「かさこさんって何事にも動じない感じですけど、
その方法を教えて欲しいです!」
会ってまだ数時間もたっていないのに、
私ってそんな風に見えるんだと思いながら、
「私はできるだけ自分の存在を消してるからじゃないですかね」
との話になり、そこから発展して、写真の撮り方の話題に及び、
「自分の存在感を消して相手に気取られないようにすることで、
自然な表情を撮りたいっていうのが私のスタンスなのかも」
という結論にたどり着いた。

参加者との一連の会話の中で、
ふと私がカメラマンとして特殊なのかもとも思った。
写真だけの人は写真で表現したいと思うからこそ、
人物でも景色でもコミュニケーションをとり、
できるかぎり寄り、そこに自己を投影した写真を撮る。
でも私はカメラマンという意識があまりない。
ジャーナリストというかメディアというか、
できるだけ自己を投影しない、ありのままの写真を撮りたいと思う。
だからマニュアル操作せずオートで撮り、
気配を気取られないよう、自分を投影しないよう、
被写体に自分の存在を感づかれないよう、
ズームで撮影したりするのかもしれないと。
数年前、友人の結婚式のカメラマン役を、
立て続けに頼まれたことがあった。
結婚式なんかぜんぜん撮ったことなかったんだけど、
なぜか立て続けに「式場で頼んだカメラマンより、
かさこさんの写真の方がいい」と言われた。
その理由がなんとなくわかったような気がする。
それは自分の存在を消して撮ったからではないかと。
式場のカメラマンは仕事上、記念撮影的なものを撮らなくてはならない。
それはそれでもちろん重要な写真だし、「いい写真」だと思うのだが、
いかにも結婚式の写真ですといわんばかりの、
ありがちなカット、ポーズ、記念撮影的な写真ばかりだと、
だんだんと見飽きてきてしまう。
で、私が撮った写真は、記念撮影的なものはあまりない。
披露宴中、ずっと新郎新婦が見えるやや遠目の位置にいて、
2人の何気ない様子を撮影する。
新郎が新婦に話しかける。幸せそうな笑顔が出る。
彼にしか見せない笑顔が出る。
そこを私は撮る。
私が撮っていることは気づかせない。
なぜならカメラで撮られているという意識になった途端、
カメラ用の表情に変わってしまうから。
一方、結婚式で初めて会った式場カメラマンに、
「はい、笑顔でお願いします!」なんていわれて、
冗談言われて笑顔が出たとしても、
それはやっぱり恋人に向ける笑顔ではない。
だからなんとなく作った感のある写真になってしまう。
もちろんそれはそれで素敵ではあるし、
記録としては貴重なんだけど、
その笑顔は恋人だけに向ける笑顔ではないわけです。
私の撮り方って人物でも景色でも、
透明な存在で自分はいたいみたいな立ち位置で撮影しているから、
変に自分が投影していなくて、
自然な表情が撮れるのかな、なんて思ったりもした。
多分それは写真家として写真で表現しようというのではなく、
写真を表現手段の1つに過ぎず、
メディアとしてありのままの素材を撮る感覚で、
撮影しているからなのかもしれない。
最終的には写真を何のために撮るのかによって、
撮る方法論も違ってくるわけで、だからこそどちらが正解で、
どちらが間違っているということではない。
須田さんとはまるっきり撮り方が真逆にもかかわらず、
事前にお互いの話す内容をすりあわせしていないにもかかわらず、
ともに共通していることがあった。
LooK。
しっかり見ることが大事。
須田さんがLooKがまず何より重要だという話をしていた。
私も今回の写真教室のためのスライドを作っている時に、
イベントの前日に「観察力」ということと、
「見ているようで見ていない」という文言を入れた。
2人は撮り方の方法は違うけど、心で感じたものをしっかり良く見て、
それを写真で表現するという、
写真で最も大事な点はまるっきり同じじゃないかと。

そんなわけで写真の方法論は自由。
何のために撮るのか、何を撮りたいのかによって、
自分にとって最善の方法を、
選べばいいんじゃないかと思います。
もっといえば、写真で表現する必要性はまったくない。
最近、私は写真より動画の方が、
より伝わるんじゃないかと思ったら、
カメラでそのまま動画撮れるから、
写真でなく動画撮ることも多いし、
写真より文章で表現する方がいいと思えば、
もともとカメラマンというよりライターだから、文章の方を選ぶ。
写真なんて表現手段の1つにしか過ぎないわけで、
カメラなんて1つの道具に過ぎないわけで、
すべてを写真で表現する必要はない。
この感動を伝えるには、
この感動を思い出として記録するには、
写真が最も優れた手段だと思ったら、写真にすればいい。
最近はそんなことも考えながら、写真を撮っています。
長くなりましたが、今回の写真教室に参加したみなさま、
ありがとうございました!
「いっぱい写真を撮るための10か条」を下記に記載しておきますので、
活用していただけたらと思います。
かさこ流・いっぱい写真を撮るための10か条
①縦と横、両方で撮る
②カメラを上下に動かす
③カメラを左右に動かす
④あらゆる方向から撮る
⑤あらゆる角度から撮る
⑥ズームして撮る
⑦パーツを撮る
⑧何気ないものを撮る
⑨背景を活かす
⑩組み合わせる
ちなみに参加者の複数人から、
「なぜかさこさんが写真集を出せるようになったのか」
そのきっかけを知りたいと聞かれた。
写真というより、サラ金社員からライターになり、
そこから独学でカメラを覚えて、
写真集を13冊出すようになった私の特異な経歴などを知りたい方は、
3/17に同じくサンクチュアリ出版で18:30~20:00まで、
「正社員全滅時代に備えたセルフブランディング術」の講演があり、
こちらで私が今までどんな風なキャリアを積み上げてきたかなど、
話をしますので、よかったらご参加いただけたらと思います。
※予約はこちらから。
http://www.sanctuarybooks.jp/eventblog/index.php?e=571&
また本日「かさこマガジン」をお渡ししましたが、
次号も引き続き欲しいという方は、
郵便番号、住所(マンション名など省かず)、
お名前をメールいただければ、次号以降、
無料で郵送する登録をしておきます。
kasakotaka@hotmail.com
かさこフェイスブック(お気軽に申請どうぞ。基本承認致します)
http://www.facebook.com/kasakotaka
かさこツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
http://twitter.com/kasakoworld
そんなわけで映画作ります。
※Amazonで買い物する際、下記よりお願いできればありがたいです。
・Amazon
(有料メルマガに頼らない私の方法 http://kasakoblog.exblog.jp/18718552/)