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「社畜とノマド」でなく「正規軍と傭兵隊」と考えるべき

正社員=社畜、フリーランス=ノマドという、
無意味な二元論が誤用されているために、
ノマドの正確な実像が伝わらず、いらぬ争いがたえない。
そのせいかノマドについて書かれた本を読むと、
本質的にはノマド的ワークスタイルは勧めるべきだ、
という意見を持ちながら、
今の誤解されたノマドについては批判的な見方が展開されている。

そもそもノマド=フリーランスにするから大間違いなのだが、
それはともかく、正社員とフリーランスの違いを、
正規軍と傭兵隊にたとえて説明すると、
意味不明なノマドVS社畜論は少なくなるのではないかと思う。

正社員とは軍隊でたとえるなら正規軍だ。

正規軍の特徴は、

・はじめは戦力にならない人材でも訓練してくれる。
・戦争がなくて暇でも(不景気時でも)雇い続けてくれる。
・戦争がなくても出勤しなくてはならない。
・若手から老害になって現場の戦力にならなくても、
それなりのポストを与えてくれて、給与がもらえる。
・武器(仕事道具)は組織がそろえてくれる。
・戦争で活躍できない人材でも、組織に所属しているだけで、
給与がもらえる。
・軍に対する忠誠心が高い、または忠誠心を求められる。
・たとえ理不尽でも組織の付き合いをしなくてはならない。
・組織内での政治的争い(ポスト争い)がつきまとう。

といった点だ。

フリーランスとは軍隊でたとえるなら傭兵隊だ。

傭兵隊の特徴は、

・戦力にならない人材は雇われない。
・基本的に仕事と報酬は戦争(仕事)単位。
戦争が終われば、仕事はなくなる。
・自分で日々技術を磨かなければ生きていけない。
・正規軍より危険な仕事をさせられる可能性もある。
・正規軍より一般的に報酬は高め。
・武器(仕事道具)は自費で購入しなければならない。
・戦争(仕事場)で活躍できなければ、二度と雇ってもらえない。
・実力があれば1つの軍隊に縛られず、働ける。
・戦争がない時は遊んでいてもいい。

といった点だ。

どちらが上とか下とかの問題ではなく、
どちらが良くて、どちらが悪いという問題でもなく、
戦争に勝つための組織を作る上での要素の違いでしかない。

で、なぜ今この社畜とノマド、
いな、正規軍と傭兵隊の話がさかんなのか。
それはものすごく端的にいえば、
今まで正規軍の割合が圧倒的に多かった日本株式会社が、
正規軍だけでは弱体化し、世界で勝てなくなってしまったために、
また景気変動があまりに激しすぎる世の中になったために、
正規軍の固定費負担が業績の足を引っ張る原因になっているので、
正規軍(正社員)割合を減らして、
傭兵隊(フリーランス)割合を増やす方向にあるからだ。

今まで新卒で軍隊に入り込んでしまば、
入った後にろくに役に立たなくても、
定時出勤という無意味な忠誠心さえ誓っていれば、
一生、給料をもらえて暮せた時代が終わってしまったのだ。

かつては強豪、名門だと言われていた軍隊までもが、
昨今の時代の流れについていけず、解散(破たん)せざるを得なくなっている。
もしくは今までご法度だった正規軍の解雇を行うようになった。
するとそこで雇われていた正規軍の人たちは、
別の正規軍に入社するか、傭兵になるか、
どちらかを選ばなければならない。

ところがどこも正規軍なんか大人数雇っていないわけで、
結果として放り出された正社員は、
好むと好まざるとに限らず、傭兵にならざるを得ない。

このため今、大きな問題になっているのが二極化だ。
今のぬるま湯の正規軍の地位に甘んじず、
いつ社畜を解雇されて、
傭兵に放り出されても、
自分の腕で食べていけるように、
正規軍(会社)に所属している時から、
自費で自分に投資し、社外でも通じる技術を磨いている人と、
正規軍にいさえすれば、解雇されることはないと、
甘い幻想をいつまでも持ち続け、
仕事はろくにせず、いや真剣にするのは、
社内政治争いの調整力ばかりで、
それが仕事力だと勘違いし、
毎晩、居酒屋に行っては上司の愚痴いい、
休日は寝て過ごして終わってしまうような、
そういう人との二極化だ。

別に社畜がいいとかノマドがいいとかそんな話ではない。
軍隊(会社・国)自体が弱体化しており、
正規軍をこれまでのように何人も雇えなくなっている今、
正規軍にいる人たちは、
いつ傭兵になってもいいように準備をしておけるかどうか、
という話に過ぎない。
なりたくて「ノマド」になるとかそんな甘っちょろい話ではなく、
社畜がよくても傭兵にならざるを得なくなる日がくるということだ。

だから今、社畜VSノマドが話題になるのだと思う。
でもそれは対立していがみあう話ではない。
いずれ多くの企業では、グローバル競争に打ち勝つために、
正社員1割で9割はフリーランスを使うとか、
そういう時代が間違いなくやってくる。
その時、あなたは生き残っていけますか?という話だ。

それをやれ、格差社会がどうだとか、
セーフティーネットがどうだとか、
政治に文句を言ったところで始まらない。
そうやって今まで寄らば大樹の陰で、
政治にたかっていたせいで、
国の借金は増え、企業や国の競争力は落ち、
無駄な慣習が温存され、活力がない社会になった結果、
今の日本があるわけで、
このままではみんな沈没してしまう。

だからろくに役にも立たないのに、
昔、入ったからというだけで偉そうにしている、
使えないお荷物社員はどんどん船から降りてもらい、
実力のある傭兵を中心に、戦いがある時だけ、
編成するといったような働き方・組織が増えてくる。

社畜でいられるのはマネジメント層ぐらいしかない。
他の圧倒的多数は傭兵にならざるを得ない。

だから今のうちから、
フリーランスとして生きていけるよう、
会社うんぬん関係なく、
社会で通用する力を磨いていきましょうという話だと思う。

正社員全滅時代はそう遠くない未来にやってくる。
その時あなたは傭兵として雇ってもらえるほどの、
何か技能があるのか?

それが最近いろんなところで話題になる、
ノマドVS社畜論争の問題の本質なんだと思う。

ただ私の経験上もそうだし、
他の有識者の多くもそう言っているが、
いい傭兵になるには一度は正規軍に入った方がいい。
いきなり傭兵で活躍するのは難しいし、
正規軍のアホみたいな組織論理やルールを知っておくと、
傭兵になって軍に雇われる時、
彼らの内部事情がわかるのでうまく立ち回りやすい。

まずは社畜になり、そこで自分の腕を磨き、
でも社内でしか通用しない力だけでなく、
社外でも通用する力を磨いたのち、
傭兵になるのが一番望ましい道だと思う。

<「ノマド」を考える上でのおすすめ本>
自由な働き方をつくる「食えるノマド」の仕事術」常見陽平著

辞めて生きる技術」藤井孝一著

ノマドと社畜」谷本真由美著

<講演DVD>
「正社員全滅時代を生き抜くセルフブランディング術」かさこ
http://kasakoblog.exblog.jp/19987729/

<お知らせ>
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by kasakoblog | 2013-04-09 21:55 | 働き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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