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マクドナルドの迷走ぶりがすごい!高い・遅い・まずいのマクドナルドはなぜ不振なのか

マクドナルドの迷走ぶりがあまりにひどい。
せっかくの圧倒的ブランド力もここまで戦略が悪ければ、
売り上げ不振に陥るのは当然の結果だろう。
デフレの王者とも言われたマクドナルドが売上不振にあえぎ、
既存店売上高、12カ月連続で前年を下回ったという。
今まで週2~3日はマクドナルドに行っていた私も、
ここ数年、ほんと行かなくなった。

なぜこれだけ不振なのか?
それはファーストフードのチェーン店として、
求められているニーズとは、
ことごとく逆をいく戦略をしたからではないか。
不振の原因は3つあると思う。

●不振1:価格ばらばら
マクドナルドに対する一番の不信感って、
価格がころころ変わることだと思う。
マクドナルドのホームページの「よくある質問」の中で、
こんな問いがある。

「ホームページになぜ値段がないのでしょうか?とても困っています。」

これが売上不振の最大の理由ではないか。
マクドナルドはチェーン店としての安心感である、価格の統一性を放棄し、
客がわざわざ「とても困っている」と言っているにもかかわらず、
下記のようなどうしようもない回答を載せている。

弊社では、原材料や家賃、人件費などの店舗運営にかかるコストや
消費者物価指数や地域の景気動向などに応じて
地域別価格により販売をいたしております。
そのため、ご覧いただくお客様のお住まいの地域により価格が異なるため、
ホームページ上での価格表示は致しておりません。
ご不便をおかけしておりますが、
ご利用店舗にお問い合わせ頂くかもしくは
お客様サービス室(0120-010-916/受付時間9時~17時)まで
お問合せ頂きたいと存じます。

マックの値段を聞くためにわざわざ電話かけるかっていうの。
こんな客に対する不誠実な対応を堂々と載せている、
客の声に耳を傾けない横柄な態度こそ、
マック不信→売上不振につながっているのではないか。

チェーン店のよさって価格の統一性による安心感にあると思う。
どこにいってもいつ行っても、同じ値段だから利用しやすい。

ところがマクドナルドは、
・地域別価格の導入
・定価を頻繁に変える
・時間別価格(ランチタイム)の導入
により、価格がバラバラ。

価格が安いか高いか以前の問題として、
チェーン店なのに、キャンペーンでもないのに、
価格がコロコロ変わるというのは、
非常に利用しにくいイメージを植え付けているように思う。
しかも追い打ちをかけて、メニュー表を掲示しないという暴挙に出た。
以前だったらメニューがなくても、
価格体系がわかりやすかったから、
別に問題なかったのだが、
これだけ頻繁に価格を変えたりするなら、
メニューを撤去すればクレームが出るのは目に見えている。

価格バラバラ戦略で大失敗だったのは、
セット価格を安くしたランチセットの導入だろう。
ランチと比較して、他の時間帯は高いという印象が強くなり、
「ランチ以外は利用したくないよね」と思わせてしまう。

じゃあランチに行くかというと、
ランチはだいたい混んでいる。
混んでいるから、他の店にしようと思ってしまう。

●不振2:遅い
またマクドナルド不振の理由の1つは、
「ファースト」が売りのはずのファーストフード店なのに、
スタッフの対応が遅くなり、最近やたらと、
行列が長くなったからではないか。

早さへの危機感からなのか、
もしくは単なる話題作りなのかはともかく、
お会計後、60秒で商品を提供できなかったら、
ハンバーガー無料券を提供するというキャンペーンをしていた。

でも以前に比べてマクドナルドの行列が長くなり、
会計後から商品提供が遅くなったと感じるのは、
いくつか失策を重ねたからだと思う。

第一に、かざすクーポンの導入。
あれ、はっきりいってうざい。
数十円安くするために、客がケータイやスマホをチェックし、レジでかざす。
あれがレジ行列が長くなった原因の1つではないか。
客の中にはレジで必死になって探していたりする。
そうやってロスの時間が増え、
客をさばけなくなり、行列を見て、入るのをやめる人が増え、
客の回転率が悪くなる。
クーポンなんかやめた方がいいと私は思う。

第二に、メニューの増加。
レギュラーメニューがやたら増え、
挙句の果てに作るのが面倒な、
期間限定の高級バーガーを乱発した結果、
作る時間が遅くなり、より行列が長くなったのではないか。

私は1993年から1997年まで4年間、
マクドナルドでアルバイトしていたが、
当時はまだレギュラーメニューではなかった、
ベーコンレタスバーガーが期間限定メニューであると、
厨房はてんやわんやだったのを覚えている。
普段使わないベーコンが増えたからだ。
たったそれだけで大変なことになる。
狭い厨房にアイテム数が増えれば、
搬入、管理、調理も大変になる。

私が働いていた後半からは、パーツを作っておき、
組み合わせてレンジでチン方式に変わったから、
多少、オペレーションは楽になったかもしれないが、
今のようにやたらとメニューが多いのでは、
厨房での時間ロスはかなりあるのではないかと思う。

このような状況にもかかわらず、
朝マックの一部メニューを、
昼も夜も販売するという迷走策を打ち出した。
これでは現場はたまらない。
朝メニューを昼も夜も販売することで、
またしても狭い厨房にアイテム数が増え、
てんやわんやの大変な騒ぎになる。
原田社長はマクドナルドをファーストフードならぬ、
スローフードにでもしたいと考えているのだろうか。
またしても行列が長くなり、客が遠のく悪循環になるだろう。

●不振3:高い
不振の極めつけは、アホな高級路線とセットメニューの高騰化だ。
マクドナルドに誰もおいしさなんて求めていない。
にもかかわらず、露骨な単価アップを狙い、
中途半端なクオリティの高級バーガーを期間限定で乱発。
やれ、「Big America」だの「アイコンチキンシリーズ」などだ。

セット価格で650円~720円もする。
時代錯誤もいいところだ。
牛丼チェーンでは牛丼が200円台後半から300円台前半。
今までそのぐらいしか安い外食はなかったが、
ここ数年で、たとえば、「はなまるうどん」をはじめとした、
安い讃岐うどんチェーン店の登場や、
ラーメンが400~500円で食べられる「日高屋」をはじめとした、
格安ラーメンチェーン店、
パスタが400~500円で食べられる「サイゼリヤ」など、
500円以下で食べられる外食店が軒並み増えている中、
高級バーガーのみならず、普通のセットでも、
ランチタイム以外は500円後半から600円以上もするってあり得ない。

しかもそれでモスバーガーのようなおいしさを提供するならともかく、
今までと何ら変わりないマクドナルドの味。
「マクドナルドは意外に高い」というイメージが、
客を遠のかせた原因だと思う。

ところがその一方で、100円マックを導入してしまった。
普通のメニューはやたら高い。
でも100円マックがある。
だったらこっちの安いメニューで粘った方がいいよねっていう、
客が増えてしまった。

私なんかもマックを利用するのは100円でドリンク飲むだけ。
以前は昼食とか夕食に、移動するのが面倒だから、
マックでセット頼んでそのまま居座るのが常だったが、
セットメニューが高いので、
松屋で豚丼やカレー食べて、それからマックに行って、
ドリンクだけ頼むというパターンが増えた。

・・・・
結果、高い・遅い・まずいの三拍子そろった、
見事なダメダメチェーン店ができあがった。
マクドナルドが復活するには、

1:価格の統一性
地域や時間帯で価格差をつけず、
400~500円台のセットメニューを増やす。
価格を頻繁に変えず、店頭ではメニューを出し、
ホームページでは値段を掲載する。

2:メニューを減らし、かざすクーポンをやめ、
行列を短くして、客の回転率を上げる。

3:中途半端な期間限定高級路線バーガーはやめ、
「チキンタツタ」「てりたま」「月見」「グラコロ」など、
出せば売れる期間限定メニューのみに絞った展開をする。

の3つをすればいいんじゃないか。

思うに日本のマクドナルドが迷走し始めたのは、
クォーターパウンダーバーガーのやらせ大行列あたりからではないか。
そんなことする必要がないブランド力があるにもかかわらず、
客単価を露骨に上げようとする目に余る戦略を始めてしまった。
そこからブランド力が徐々に低下し、
マクドナルドに対する不信感が広がっていったのではないかと思う。

マクドナルドの良さをつぶして、
ないものねだりをした結果、
客数は増えても売り上げ伸びないとか、
不振が続いているんじゃないかなと思う。

・ローカライズなき海外直輸入は失敗する~ハフィントンとマクドナルド
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by kasakoblog | 2013-05-03 09:58 | 一般

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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