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病人を病室から叩き出しギャンブル場へ強制送還する黒田バス―カー砲の威力

アベノミクスの金融緩和=黒田バス―カー砲って、
一言でいうなら、2008年の金融危機で株式投資を恐ろしさを知り、
債券中心の資産構成にシフトした投資家から日本国債をむしりとり、
その代わりに株を買うよう誘導する政策ではないでしょうか。
このからくりを病人にたとえて解説してみたい。

ニッポン君は昔は元気だったが、最近すっかり元気をなくし、
ずっと病院でインターネットとテレビを見て過ごしている。
インターネットもテレビも基本は「タダ」だから、
経済効果にもつながらないし、
どこにも出かけないから困ってしまう。
しかも病院から出てってくれないから、
病院の維持費=社会保障費が増え、
これ以上は支えきれない感じになってきた。

そこで景気対策と称して、
病人にお金を配り(定額給付金)、
「お金あげるから外で遊んできなさい!」
といったけど、多くの病人は預金に回しただけで、
お金をほとんど使わない。
だって買いたいものはないし、別に遊びたいわけでもないし、
ましてやこの先行きが不安だから、
もらったお金は無駄遣いせず、とっておこうとこういうわけです。
そもそもニッポン君は預金をいっぱい持っている。
数万円お金を配られたところで屁でもないわけです。

ならばニッポン君がためこんだお金を吐き出させようと、
金利をゼロにまで引き下げました。
「超低金利の預金にお金を預けても無駄だから!」
というメッセージです。

しかしニッポン君はお金をどこにも使いません。
国内市場の縮小で右肩下がりの日本企業に投資しても仕方ないし、
株価が高い時はいいけど、金融危機のように株価が大暴落すると、
大変なダメージを受けるため、こわくて手が出せない。

こうして政府がなんとかお金を使ってもらおうと、
景気刺激策やら金融緩和策を懸命に行っても、
すっかり効果がなくなってきました。

時々「大型景気対策」などと称して、
一瞬でハイになれる「麻薬」を処方すれば、
さすがのニッポン君も、
病院から外に出てバブルダンスを踊ってくれるのですが、
そう長くは続きません。

そもそもこの20年間、「麻薬」を打ち続けてきたために体はボロボロ。
強い麻薬を打っても効き目はないし、
打てば打つほど、かえって反動で疲れてしまい、
病院でぐったりすることが多くなってきてしまいました。
麻薬を買った借金が国にたまる一方です。

そこでアベノミクスの黒田バズーカ―砲の登場です。
「金を使わないニッポン君を病院から叩き出せ!」
とばかりに病室(債券)を日本銀行が買い占めてしまいました。

行き場を失ったニッポン君の目の前には、
きらきらネオンが輝く株式ギャンブル場が用意されていました。
病院に戻ることができないので、仕方なくギャンブル場に入り、
試しにお金を賭けてみると、あっというまに大儲け!
これはすごい!ということで、病気の治療はほったらかしで、
みなギャンブルに興じ始めました。

ところがあまりに過熱しすぎたため、大暴落。
しかもちょうどその時、中央銀行が買い占めたはずの病室に、
あきがあることが判明!
「もうギャンブルで遊ぶの疲れたから、病室に戻ってネットでもするべ」
という動きも見られました。

これはやばいと思った日本銀行は、再び病室の買い占めをすすめ、
病人を病室から叩き出し、ギャンブル場へ強制送還しました。
ただこのギャンブル場にはニッポン君だけでなく、
様々な外国人投資家がいて、
この先、ニッポン君が儲け続けられるかはわからない。
そもそもギャンブルして買ったところで、ニッポン君の病気が治るわけではない。
しかもこの日本ギャンブル場以外にも、
世界各地で魅力的なギャンブル場がいっぱいあり、
今は日本ギャンブル場に資金が集まっているが、
いつまた違うギャンブル場に資金が移動してしまうかもわからない。

さてこんなことをやっていて、
景気は良くなるのでしょうか?経済は良くなるのでしょうか?
気分は良くなり一部の資産家が散財してくれる可能性はあるかもしれませんが。

もちろんギャンブル場関連の景気は間違いなく良くなる。
証券会社なんかふってわいたバブルに大騒ぎ。
NISA(日本版少額投資非課税制度)のスタートも来年だし。

私は金融・投資関連の仕事をしているので、
これだけ動いたアベノミクスのおかげで、
明らかに仕事は増えている。
でもこんなの一時的なバブルで終わり、
むしろその反動が怖いというのは、
2008年までのバブルとその崩壊で、多くの人は気づいている。
だから一時的に仕事が増えたところで、
バブル崩壊後に仕事が半減するのであれば、たいした意味はない。

いずれにせよ大暴落も大急騰もどちらもギャンブル場関係者にとってはプラス。
ネタがないと参加者の興味関心は薄れるから、上昇一辺倒なんてつまらない。
そのような意味で大暴落までもが日本銀行の演出だとしたらこれ見事。
あの5月23日の株大暴落は、この日、日銀が、
5年超、10年超の長期の国債を買わなかったからという説もある。
長期を買わずに短期しか買わない。
金利上昇を容認?すなわち株高・円安への警戒感へのメッセージ?と。
ただ株が大暴落したのであわてて日銀は翌日長期を買ったという。

でもアベノミクスの黒田バズーカ―砲がすごいのは間違いない。
病室を買い占めて病人を叩き出せば、
目の前のギャンブル場にしか行き場がないだろうというのは、
これまでにない大胆な政策だから。

この先、何が訪れるのか。
注目です。

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by kasakoblog | 2013-05-28 10:49 | 金融・経済・投資

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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