廃墟立入罰金5万円に思う、作ることしか考えてない箱物王国の末路
2013年 06月 02日

鷲羽山ハイランドという遊園地ほか、
いくつかホテルがあるリゾート地に、
平然と残されているホテル廃墟がある。

罰金五万円っていうか、廃墟を放置している方が罰金ものだろうと。
このホテル廃墟がどうだという話ではなく、
日本中にはこうした廃墟があふれている。
バブルに浮かれて箱物を作ったはいいが、
予測過大で客が入らず、会社が倒産し、
廃墟のまま放置されるという事例が後を絶たない。
山奥とかならいいかもしれないが、
人目につく住宅地そばやリゾート地そばにあれば様々な問題を引き起こす。
不良のたまり場になり、未成年がたばこ吸ったり酒飲んだりしたり、
悪ふさげで入って、老朽化のためにケガをしたり、
さらには不審火などによる火事騒ぎなど、周辺地域に大変な迷惑がかかる。

先日、松本に行った際、住宅地に残る廃校となった旧朝鮮学校そばを通った。
ここは数年前に、旧校舎が焼ける火事があったという。
こういうものを放置しておくから不審火がたえない。
たださすがにこれは問題だろうと思ったのか、解体工事が始まっていた。
何もこうした事態は民間だけの話ではない。
税金をもとに箱物作りまくったツケが、どんどんと今、大きくなっている。
中央自動車道の笹子トンネルで天井板崩落事故が起きたのは記憶に新しい。
社会に必要不可欠なインフラは作ったら終わりではなく、
その後、修理や点検など莫大な費用がかかる。
しかしこうしたメンテナンスは手抜きした挙句、
目先の票集め、景気対策を優先し、
官僚が犯罪的ないい加減な需要予測を作り、
税金ばらまきのおこぼれに預かろうという腐れ根性の国民が、
ばらまき政治家に投票し、
必要性があるかもわからない道路や空港や公共施設を作りまくった。
作ったはいいけど、たいした利用がない。
利用はなくても維持費は莫大にかかる。
年月がたてば老朽化の問題も当然出てくる。
しかしそうしたことは一切考えていない。
そして事故が起きてから大あわてで「国土強靭化」などとほざいている。

原発も同じだ。
原発事故が起きた起きないに関係なく、
原発には寿命があり、寿命が来たら停止して廃炉にしなくてはならない。
でもそんなこと考えていない。
作れば儲かる。それしか考えていない。
そして寿命が来たら、電気需要なんかまったく関係なく、
原発麻薬がないと生きられないから、
新しい原発を自ら地元が望んで次々と建ててしまった。
で、今、問題になっているのが莫大な廃炉費用だ。
箱物を作ればメンテナンスが必要なのに、そこに必要な金を回さず、
いるかいらないかもわからない新しい箱物を作ることばかりに熱心になる。
結果、どんどん維持費のツケはたまり、
メンテナンスを手抜きするから事故が起き、
使い道のない箱物を解体したくてもお金がないから解体できず、
そのまま放置して、事故や犯罪の温床になるという、
まるでアホなことを繰り返している。

例えば、原発麻薬に依存した新潟県柏崎市では、
原発の見返りに様々な箱物を作ってもらったのだが、
その維持費が莫大で、財政赤字に苦しんでいるという。
だから電気の需要とは関係なく、
何が何でも原発を動かしてもらわなくてはお金が入ってこないし、
できれば新しい原発を次々と何基も建ててもらわないと困るという論理だ。
電気が不足しているから原発を建てるんじゃない。
原発麻薬に依存した原発立地自治体が、
新たな麻薬を手に入れないと死んでしまうから、
原発を次々と建てているだけだ。
原発のある新潟県刈羽村には、
原発事故が起きた後の2012年10月に、我々の電気料金を使って、
わずか4870人の村に40億円のサッカー場がオープンしている。


事故が起きて賠償金が払えない、
廃炉作業に莫大な費用がかかるからといって、
原子力損害賠償支援機構に対して6662億円の追加支援を要請している。
なんと総額3兆7893億円だ。
バブル期に作ったテーマパークが廃墟になるならともかく、
電気という生活になくてはならないインフラを独占している企業が、
きちんと施設のメンテナンスや点検も行わず、
危険性を指摘されながらも無視し、
新しい原発麻薬を作ることばかり考え、
無駄金箱物を作ることばかり考えた挙句、結果はこのような始末。
ぜ~んぶ、ぜ~んぶそのツケは、
最終的に利用者や国民が払わされることになる。
不動産っていうのは公共、民間問わず、
社会の公器的なインフラなわけです。
有効活用できなければ社会が迷惑する。社会の損失になる。
新しい施設を作る時には、
維持費やメンテナンスコスト、解体費用まで含めて、
きちんとプールさせた上でないと建てられないとか、
万が一、所有者が管理できない状況になったら、
強制的に国営化してきちんと処理するとかしないと、
社会には金食い虫のいらん施設や、
犯罪の温床となる廃墟だらけになってしまう。
しかし未だにただやみくもに、
新しい物を建てればいいという考え方が根強く残っている。
金がないんじゃない。
金の使い方が間違っているだけだ。
もう箱物はいらない。
むしろ今ある箱物の修理・点検をしっかりするとか、
他の使い道に転用して有効活用するとか、
そういうことが必要な時期なんじゃないかと思う。
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