中国発の第2のリーマンショックが起きるかもというお話
2013年 07月 01日
最近、あちこちのメディアで取り上げられるようになっている。
事前にメディアに騒がれまくる危機は、
たいていそんなに危機にならずに済むのではないかとも思うが、
最悪の場合は、アベノミクスで浮かれている日本や、
のんきに金融緩和策の出口戦略を検討し始めたアメリカをはじめ、
全世界に2008年のリーマンショックのような大打撃を与えかねない破壊力を持っている。
シャドーバンキング問題とは、今まで世界が何度となく繰り返してきた、
資産バブルの過ちとほとんど同じ性質を持つ。
中国版サブプライムローンといってもいいし、
中国版・日本の不動産バブルといってもいい。
サブプライムローンは、世界の市場にバブルをもたらしたが、
その後、2008年の金融危機を引き起こすきっかけとなったし、
日本の不動産バブルは、ご存知のように株式市場や不動産市場の暴落だけでなく、
不良債権問題で日本経済の足を長らく引っ張った要因となった。
で、このシャドーバンキングとは何かというと、銀行の正規の取引でない金融取引。
だから「影の銀行」という呼び方をしているらしい。
そういわれてもよくわからないと思うが、どういう問題かというと、
1:中国は高度成長が一段落してしまい、
中国企業は本業に投資しても儲からなくなり、余っている金で収益を得たいと思っている。
2:個人も同じく低金利預金に預けるのはバカらしく、
少しでも高利回りの金融商品を望んでいる。
3:そこで金余りの使い道に困った企業や個人に、
「影の銀行」があやしげな金融取引によって高利回りの金融商品を売りまくった。
4:高利回りの金融商品とは、企業に高金利でお金を貸し出す商品や不動産投資など。
5:この高利回り金融商品の残高は、
中国の銀行業監督管理委員会の発表によると、なんと130兆円もあるという。
6:高利回り=高リスクで、貸した金が戻ってこない不良債権化の問題や、
不動産バブルや地域の乱開発などが問題となっており、
この金融商品で元本や利子が返ってこなかったり、
不動産価格の下落による損失などが出れば、多くの中国人や中国企業に損害が出る。
7:中国経済が金融混乱により悪化すれば、
中国相手にビジネスしている日本、米国、欧州企業などにも悪影響。
8:さらにこの不良債権の穴埋めをするため、
中国政府がわんさか持っているアメリカの国債を売却する恐れもあり、
もし売却するようなことになれば、
アメリカの国債不安から世界の金融大混乱に発展しかねない。
これが中国シャドーバンキング問題発・第2のリーマンショック懸念の概要だ。
中国のバブル崩壊は数年前から何度となく言われてきた。
経済の統計データだってあやしい中国経済が、
いつかおかしくなるのは当然だと思っている人もいるだろう。
ただ問題は中国がおかしくなるとその影響が全世界に飛び火するということだ。
先日、「通貨戦争」という本を読んでいて、ぎょっとした内容があった。
その内容をかいつまんでいうと、
・アメリカが景気回復のために金融緩和策という名の、
際限のないドルを刷りまくりを行えば、
対ドルの為替レートを維持するために、中国も人民元を刷らなければならない。
・そして中国が新たに獲得したドルでアメリカの国債を大量に買い込んだ。
・アメリカと中国は1兆ドルの金融の鎖でつながれているのであり、
どちらの側からも爆発させられる爆薬を持っていることになる。
というものだ。
恐ろしい。
シャドーバンキングの問題から、
それを補うためにアメリカ国債の売却なんて話になったら、
世界の金融システムが崩壊するぐらいのショックが起きるかもしれない。
それにしても中国だろうが日本だろうが米国だろうが、
いつの時代も経済をおかしくしているのは、必ずといっていいほど金融政策。
資産バブルや高利回り商品を生み出し、それが崩壊すると実体経済がボロボロになる。
そんな状況の中、確信犯的に資産バブルを起こせば景気がよくなるとのたまう、
自民党のアベノミクスという謎が日本で絶賛進行中だ。
でも日本株を買い支えているのは外国人投資家。
海外勢の保有比率が金額ベースで28%となり過去最高となったという。
外国人投資家は本国で何かあれば日本株を売って現金化するだろうし、
株価が上昇したら儲かったところで売り逃げするわけで、
アベノミクスで外国人を株で儲けさせて、
外国人が儲けるだけ儲けてとんずらして株価が暴落して、
それが一体、日本の何の経済にプラスになるのかまったくわからない。
いつの時代も金をバラまいて国民の関心を引こうとする政治家と、
その余剰資金であぶく銭を稼ごうと熱心になる国民が、バブルを作り、バブルを崩壊させ、
何もしなければよかった経済をズタズタにするという、
悪循環をどこの国もいつの時代も形を変えて繰り返しているだけのように思える。
さて中国発の金融危機は起きるのか否か。
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