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土下座と坊主と自己犠牲を称賛するおかしな社会

衣料品店しまむらの商品にクレームをつけ、
店員に土下座させてその写真をツイッターに投稿した女性が、強要容疑で逮捕されたという。

強要罪とは、人に危害を加えると言って脅したり、
暴行を加えたりして無理やり義務のないことをやらせることだという。

土下座といえばみなさんご存知、大人気ドラマとなった半沢直樹を思い出すだろう。
ドラマとして土下座はおもしろかったが、
ただ土下座したり、させることにこだわるのは、正直、無意味だと感じている。

例えば半沢直樹が銀行への復讐に燃えるきっかけとなる体験として、
親が雨の中、銀行員に土下座して金を貸してくれと、
泣きつくシーンが何度も出てくるが、
はっきりいってそんなこと、何の意味もないどころか、
むしろ金貸しの心証を悪くしかねない。

だってそうでしょう?
土下座すれば融資してもらえるんだったら、
世の中の債務者はみな平気で土下座をするだろう。
私はサラ金で融資を担当していて、
金を貸してくれと土下座されたことはないが、懇願する人はいっぱいいた。

でも審査が通らなければ金は貸せない。
懇願とか土下座なんてはっきりいって何の意味もない。
そんなことするなら返済能力証明できるもん、何か持ってこいよという話だ。
土下座するということは「私は無策です」といっているようなもの。
だから半沢直樹の父が土下座しているシーンは違和感を覚えた。
土下座なんかせず、金を借りても返せる事業計画なりを出せと思う。
それは非情でも冷徹でも何でもない。

今回のしまむらの土下座のように、
相手に恥をかかせ、屈辱を味あわせるために、
他人に強要するという人は意外に多いのかもしれない。
半沢直樹も土下座にこだわる前近代的な価値観の持ち主だが、
10倍返しが土下座なら安いものだ。

私に対して何か悪いことをして土下座をされても、
はっきりいってムカつきが倍増するだけだ。
土下座なんかしなくていいから、もっと実利的な補償をするなり、
こちらにメリットのある具体的なことをしてほしいと思う。
芝居で土下座している可能性だってある。
「こいつは土下座すれば許してくれるから、頭を下げておこう」と、
何も反省も謝罪の気持ちがなくても、その場をやりすごすために、
土下座をする人だっているだろう。

土下座と似ているのが坊主だ。
坊主にすれば、何か不祥事の責任をとったような感じになったりする。
または不祥事の責任をとらせるために坊主にしろと命令する。

これもほんとに何の意味もない。
せいぜい床屋が儲かるだけだ。
坊主にして、恥をかかせ屈辱を与えればいいという罰なのかもしれないが、
頭を丸めればそれでいいって、何の反省にも何の謝罪にもなっていない。
でも日本は土下座し、頭を丸めて、謝り倒せばそれでよしとされてしまう。

極めつけは、自己犠牲だ。
たとえ犬死であったとしても、自分の命を犠牲にして、
何かをした人間は称賛される。
日本では死なないと表彰されないのかと思う。

何も犬死なんかせずとも、生きて立派なことをやった人はいっぱいいる。
でもそうした人を首相が感謝状を送ることはない。
なぜなら死んでいないからだ。

例えば踏切に立ち入った人を助けて首相から表彰されるなら、
自分が死んでしまった人間ではなく、
非常ボタンを押して、自分も死なず、相手も助けた人こそ、
称賛され、表彰されるべきだろうが、そういう人を首相は表彰したりなんかしない。
なぜなら死んでいないからだ。

もしJR横浜線の踏切で、老人を助けようとした女性が死なずに生き残ったら、
首相は感謝状を送るのだろうか?
絶対に送らないだろうし、そもそもこんなにメディアは取り上げないだろう。
でもそれっておかしくないか?
救出した女性が死んだから感謝状を送り、死なないから送らないって。
つまり死なないと美談にならないし、話題にならないし、尊ばれない風潮が、
日本社会には根強いということだ。

津波でも同じ。
自分も助かって、他人も助けた。これが最も理想的な行動で、称賛されるべき人のはず。
でもそういう人より、自分が死んで、他人を助けた人の方が美談になる。
死なないと価値が上がらない。
これがこの国のポイントだ。

土下座や坊主と同じ。
自己犠牲の精神で実際に死ぬことが大事であって、何をしたかなんかは関係ない。
死ねば立派な人と称えられる。
そう、土下座をしただけで許されたり、坊主になって許されるように。

責任をとって切腹して死んだ人は偉くなれるが、
生きながらえて、その後処理をたんたんとこなす人はダメだみたいな。
でも無責任に死んでしまう事より、生きて少しでも何かの役に立つことの方が、
目立たないかもしれないが、立派なことだ。
でも生きている人間は誉めない。
死なない限り、ダメなのだ。

自己犠牲を尊ぶ精神がブラック企業の温床にもなっているのだろう。
「おまえら、死ぬまで働け!」
ブラック企業は本気で死ぬまで働けと命令し、
実際に過労死などで社員に死人を出す。
死ぬ覚悟がない自己犠牲精神がないやつは、
気合いと根性と忍耐が足りないということで、
体罰、土下座、坊主などなど、パワハラが何でも許される。

でもそんなことして誰がトクするのだろうか?
土下座しても欠陥商品は治らない。
坊主になっても不祥事体質は改められない。
自己犠牲が美しいと無謀に突込み、死んだところで、犬死でしかない。

でもそれを褒めたたえることによって、
さもそれが重要であるかのような錯覚を起こさせる。
もういい加減、土下座とか坊主とか自己犠牲とか、
一部の前近代的な輩が自己満足するための価値観を称賛するのはやめたらどうか。

はっきりいって何の意味もないし、誰もトクしないし、何の生産性も発展性もない。
そんなことするなら、頭を使って実際に相手や社会に役立てることをした方が、
はるかにいいと私は思う。

・踏切事故救出で死んだ人に感謝状を送る美談に仕立てる気持ち悪さ
http://kasakoblog.exblog.jp/21159943/

・元金貸しから見るドラマ半沢直樹
http://kasakoblog.exblog.jp/21006050/

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by kasakoblog | 2013-10-07 19:57

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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